異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第80話 ――100回ありがとうを伝えた日

朝。
ユウトは小さなキッチンで、
鯛のかたちの蒸しパンや、野菜のピューレ、
可愛い形にした果物を一生懸命お皿に並べていた。

「……たった100日かもしれないけど、
 この子のために、何かしてあげたくて」

ザディクは、リュミエールを膝にのせて、
そっと小さな花冠を頭にのせる。

「これが、パパの“初めての花飾り”だよ。
 今日の君の笑顔を、ずっと忘れないように」

そして、もうひとつ。

便箋に丁寧に綴られた手紙。

──
「リュミエールへ」

君が生まれてから、
パパとママの毎日は、優しさと涙と笑顔でいっぱいになりました。

小さな寝息、初めての笑顔、初めての言葉――
どれも、パパの胸をぎゅっと掴む、かけがえのない瞬間です。

生まれてきてくれて、ありがとう。
君を守ることが、パパの人生のすべてです。

ザディクより
──

夜。

リュミエールがすやすやと寝たあと、
ユウトとザディクは、手紙と花冠を手に、並んでベッドに腰を下ろした。

「……わたしも、書いたの。リュミエールへの手紙」

ユウトの手には、震える字で綴られた短い一文。

「生まれてきてくれて、ありがとう」

「今日という日が、
 “家族になったこと”をあらためて噛みしめる日になるなんて思わなかった」

「うん……毎日そばにいるのに、
 あらためて“ありがとう”って言うと、胸がいっぱいになる……」

ザディクは、そっとユウトを抱き寄せる。

「君にも、ありがとうを伝えたい。
 命を宿して、育てて、生んでくれた――
 それは、何よりも尊いことだったから」

「……あなたに守られたから、できたの……あなたとだったから、できたの……」

キスは、手紙の文字のように丁寧で、
触れる手は、花のようにあたたかくて。

「今日は、“君の命にも、ありがとう”を伝える夜。
 俺がこの手で、何度も祈るように触れるから」

「……うん、あなたに触れられると……わたし、すべてが報われる気がする……」

挿れられる熱は、ゆっくりと、
まるで**「命を祝う」**という行為そのもののようで。

「君がリュミエールを産んでくれたこと、
 それ自体が、俺にとって最高の奇跡だよ」

「……愛されてる……全部、伝わってくるよ……っ」

その夜、ふたりは何度も抱きしめ合い、
何度も、感謝と愛を言葉と身体で交わした。

“命が生まれた”という事実を、祝うために――
感想 1

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