異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第90話 ――“すべての始まり”に、ありがとうを

夜。
リビングのテーブルには、
家族で囲むにはちょうどいいサイズの、フルーツタルト。

そして、封筒がふたつ。

ひとつはユウトから、
もうひとつはザディクからの、“記念日の手紙”。

ユウトの手紙には、こう綴られていた。

──
「あなたと家族になれて、本当によかった」

あなたと出会った日、
この未来を想像していたわけじゃなかったけれど――

いま、リュミエールの寝顔を見ながら思います。
あの時、手を取ってくれてありがとう。
あの時、そばにいてくれてありがとう。

“家族”って、ただ生まれるものじゃなくて、
いっしょに“育てるもの”なんだって知りました。

これからも、どうか、隣で笑っていてください。

──

ザディクの手紙にも、
静かに想いが詰まっていた。

──
「君がくれた温度が、俺の人生を変えた」

君の笑い声も、涙も、怒った顔も――
全部、家族になってから知った“宝物”だった。

誰かと生きるのは怖いと思ってた俺に、
君は“信じてもいいんだ”と教えてくれた。

リュミエールの誕生も、今日という日も、
すべて君から始まった奇跡だよ。

──

ケーキを食べ終えたあと、
ふたりは手を取り合って寝室へ向かう。

灯りは落とされ、
静かな音楽だけが流れる部屋。

「ねえ……今夜は、
 あなたの全部を、私の“ありがとう”で包みたい……」

「じゃあ俺も、
 君の“家族になってくれてありがとう”を、身体に刻ませて」

キスは、頬から始まり、唇、首筋、胸元へ。
焦らず、確かめるように、
ふたりは出会ってからの時間をなぞるように、愛を重ねていく。

「今日という日がなかったら、
 私はきっと“家族の幸せ”を知らないままだった……」

「君に出会えて、愛して、
 命を繋げて、今こうして“夫婦”でいられる奇跡――全部、愛してる」

挿れられる熱が、ゆっくりと奥に届いた瞬間。
ユウトの喉から、甘くて静かな吐息がこぼれる。

「んっ……やさしい……この愛し方、
 出会ったころと同じなのに、今の方が深くて、安心する……」

「君は、ずっと俺の“帰る場所”なんだ。
 これからも、何度でも愛し合っていこう」

愛の鼓動が重なり合いながら、
ふたりは静かに、**「家族になった日」**を全身で感じた。

それは恋の延長ではなく、
“命の旅路”としての、ひとつの節目。
感想 1

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