異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第101話(最終話) ――君と家族になった日から、今日まで、そしてこの先も

春。
ピンクの花びらが、風にのって舞い散る朝。
リュミエールは、制服のリボンをキュッと結びながら言う。

「なんか、ちょっとだけドキドキしてる」

「うん、私も」

「……おい、俺は泣かないぞ。今日は“祝う側”だからな」

そう言いながら、
スーツのポケットにはしっかりとハンカチが入っていた。

入学式。
立派な挨拶。まっすぐな瞳。

拍手の中で、リュミエールは何度もこちらを振り返り、
にこっと笑って手を振ってくる。

ふたりはそのたびに胸が熱くなって、
「この子を育ててこられたこと」への感謝でいっぱいになる。

式のあと。
家に帰ってから、
リュミエールがふたりに小さな封筒を渡してきた。

「これ、がっこうはじまるからって、
 せんせいが“たいせつなひとにありがとうを伝えてね”って言ってたの」

中には、拙い文字でこう綴られていた。

──
ぱぱ、ままへ。

いつも わらってくれて ありがとう。
いえが あたたかくて、うれしいです。

ぱぱと ままが わたしの ままで ほんとうによかった。
うまれてきて ほんとうに よかった。
──

ユウトは手紙を胸にあてて泣き崩れ、
ザディクは隣で静かに肩を抱き寄せる。

「……もうさ、こんな言葉もらったら……
 なんにもいらないよね……」

「ほんとに……君がこの子を産んでくれて、
 ここまで共に歩んでくれて……俺は、ただ感謝しかないよ」

夜。

一日の余韻に包まれながら、
ふたりは寝室で灯りを落とし、
並んでベッドに腰を下ろす。

「今日は“子育てという旅”の、ひとつの節目だったね」

「うん。そして、
 “またふたりに戻る時間”が、少しずつ始まるのかもしれないね」

「だったら今夜は――
 また、恋人みたいに愛したい」

キスは静かで、やわらかくて、
まるで過去と未来の境目をなぞるように深い。

「……ずっと“家族”だったけど、
 あなたの“恋人”であること、ちゃんと忘れたくない」

「君はずっと俺の最愛の人。
 今も、これからも、ずっとずっと愛してる」

服を脱がせ合いながら、
視線も、触れ合う手も、
お互いの記憶と未来を見つめている。

挿れられた熱に、涙がにじむほどの安堵が広がっていく。

「ん……やっぱり……あなたが、いちばん好き……」

「その言葉が、俺のすべてを満たしてくれる」

その夜――
ふたりは、“夫婦”として、“恋人”として、
再び深く、ひとつに結ばれた。

「うまれてきてよかった」

その言葉を、
今度はふたり自身が、互いに贈る夜だった。

【完】
感想 1

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みんなの感想(1件)

那薙
2025.11.10 那薙

リバになるならそう記入しておいて欲しいです。

解除

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