9 / 21
第9話『玉座の代償に、お前を手放すなどできるものか』
しおりを挟む
ユリウスは玉座の間に呼び出されていた。
王である父、第一王子、重臣たちが居並ぶ中、王家の顧問が冷たい声で宣言する。
「第二王子ユリウス殿下、貴殿に問う。
王家の義務として、隣国との政略結婚を受け入れ、次期王太子としての責務を果たすか、
もしくは、王族の権利を放棄するか――」
――それはつまり、レオンを取るか、王国を取るかという“選別”だった。
ユリウスは答えなかった。
その場で、ただ一人の男のことを思い出していた。
――濡れた肌、甘い声、どこまでも真っ直ぐな瞳。
そして、平民というだけで奪われそうになる、大切な存在。
彼は静かに答えた。
「……その問いは愚問だな。私にとっては、どちらも“選べるもの”ではない」
「ならば、責務を――」
「レオンを奪うというなら、玉座などくれてやる。国も、名も、王家の血も、すべて捨ててやる。
だが、あの男だけは――決して、誰にも渡さない」
その夜。
ユリウスは誰もいない小さな離れにレオンを呼び出していた。
そこはかつて、王子が幼少期に隠れ家として使っていた部屋。
今はただ、2人きりの世界に満ちていた。
「……本当に、いいんですか。王子としてのすべてを捨てて、俺なんかを……」
「“なんか”などと、もう二度と口にするな」
言葉の代わりに、深く抱きしめた。
レオンの額にキスを落としながら、囁く。
「お前は俺のものだ。名も、地位も、役割も関係ない。……俺の心が、お前にしか向かない。
その事実だけが、すべてだ」
そしてそのまま、ベッドに押し倒す。
脱がせる手は震えていない。
だが、レオンの指先がすがるようにユリウスの手を掴む。
「……そんな風に言われたら……もう、離れられなくなるじゃないですか」
「それでいい。離れられるな。……永遠に、俺に囚われていろ」
そのまま、唇が重なり、甘く熱い夜が始まった。
キスの合間に、繋がる手。
挿入の瞬間、息が詰まり、言葉にならない声が喉を震わせる。
「ユリウス様……あっ、だめ、もう……っ」
「いい。感じろ。俺のものである証を、お前の奥に流し込んでやる……」
「んぁ、やぁっ……! ゆ、ユリウス様ぁ……!」
快楽に蕩け、愛に溺れる。
その夜、王子は玉座を捨て、ただひとりの男にすべてを捧げた。
🔚 続く…
次回:
王家から離脱するユリウス、そしてレオンとの密やかな逃避行。
だが、王宮内で暴かれる“レオンの本当の出自”が、2人の運命を大きく揺さぶる――。
王である父、第一王子、重臣たちが居並ぶ中、王家の顧問が冷たい声で宣言する。
「第二王子ユリウス殿下、貴殿に問う。
王家の義務として、隣国との政略結婚を受け入れ、次期王太子としての責務を果たすか、
もしくは、王族の権利を放棄するか――」
――それはつまり、レオンを取るか、王国を取るかという“選別”だった。
ユリウスは答えなかった。
その場で、ただ一人の男のことを思い出していた。
――濡れた肌、甘い声、どこまでも真っ直ぐな瞳。
そして、平民というだけで奪われそうになる、大切な存在。
彼は静かに答えた。
「……その問いは愚問だな。私にとっては、どちらも“選べるもの”ではない」
「ならば、責務を――」
「レオンを奪うというなら、玉座などくれてやる。国も、名も、王家の血も、すべて捨ててやる。
だが、あの男だけは――決して、誰にも渡さない」
その夜。
ユリウスは誰もいない小さな離れにレオンを呼び出していた。
そこはかつて、王子が幼少期に隠れ家として使っていた部屋。
今はただ、2人きりの世界に満ちていた。
「……本当に、いいんですか。王子としてのすべてを捨てて、俺なんかを……」
「“なんか”などと、もう二度と口にするな」
言葉の代わりに、深く抱きしめた。
レオンの額にキスを落としながら、囁く。
「お前は俺のものだ。名も、地位も、役割も関係ない。……俺の心が、お前にしか向かない。
その事実だけが、すべてだ」
そしてそのまま、ベッドに押し倒す。
脱がせる手は震えていない。
だが、レオンの指先がすがるようにユリウスの手を掴む。
「……そんな風に言われたら……もう、離れられなくなるじゃないですか」
「それでいい。離れられるな。……永遠に、俺に囚われていろ」
そのまま、唇が重なり、甘く熱い夜が始まった。
キスの合間に、繋がる手。
挿入の瞬間、息が詰まり、言葉にならない声が喉を震わせる。
「ユリウス様……あっ、だめ、もう……っ」
「いい。感じろ。俺のものである証を、お前の奥に流し込んでやる……」
「んぁ、やぁっ……! ゆ、ユリウス様ぁ……!」
快楽に蕩け、愛に溺れる。
その夜、王子は玉座を捨て、ただひとりの男にすべてを捧げた。
🔚 続く…
次回:
王家から離脱するユリウス、そしてレオンとの密やかな逃避行。
だが、王宮内で暴かれる“レオンの本当の出自”が、2人の運命を大きく揺さぶる――。
0
あなたにおすすめの小説
何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった
まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。
なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。
しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。
殿下には何か思いがあるようで。
《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。
登場人物、設定は全く違います。
※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。
※画像は男の子メーカーPicrewさんよりお借りしています。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
姉の婚約者の心を読んだら俺への愛で溢れてました
天埜鳩愛
BL
魔法学校の卒業を控えたユーディアは、親友で姉の婚約者であるエドゥアルドとの関係がある日を境に疎遠になったことに悩んでいた。
そんな折、我儘な姉から、魔法を使ってそっけないエドゥアルドの心を読み、卒業の舞踏会に自分を誘うように仕向けろと命令される。
はじめは気が進まなかったユーディアだが、エドゥアルドの心を読めばなぜ距離をとられたのか理由がわかると思いなおして……。
優秀だけど不器用な、両片思いの二人と魔法が織りなすモダキュン物語。
「許されざる恋BLアンソロジー 」収録作品。
「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜
鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。
そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。
あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。
そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。
「お前がずっと、好きだ」
甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。
※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる