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3rd Act Prologue (第3部 プロローグ)
10 Year storm(テンイヤーストーム)
しおりを挟むその国は1匹の蝶によって死を迎えようとしている
テンイヤーストーム
10年に1度の嵐
アメリカ人の多くが体験している 大きい嵐
それは 10年に1度やってくる
アメリカという大陸ならではの現象
それは本当に大きな大きな嵐
橋下10フィートの今にも干からびそうな水深1フットの川
それが 一度 嵐が来ると平気で橋の上まで水深が上がる
ただでさえ大きな大きな嵐
運が良ければ冬以外に 運が悪ければ冬に
冬で増された水が凍った場合は 更に被害は増す
そして嵐のあと 莫大な被害が出てその日暮らしもままならない
大抵の家が水没経験し 家の中が水浸しになる
だがアメリカの被災者は 洪水 という言葉を絶対に使ってはならない!!
何故なら 洪水 は保険の対象外、又は洪水保険は別である
その為 被害にあった人々は保険金の申請時
雨の多い嵐で被害を受けた! と言わなければならない
逆に保険会社は被害者に 洪水 という言葉を使わせたがる
1度でも被害者が使えば
それは対象外 保険はききません と言い放つ事が出来 保険金を支払わなくて済む
そんな 狐と狸の化かし合い
そして 人々は思う
次に嵐が来るのは10年後だと
そして それは 間違いである!!
テンイヤーストーム
それは 10年に1度の嵐
10年おきに1度の嵐 ではない!
例えば20年間を考えてもらいたい
2000年から2019年までの20年間
2000年から2009年を 最初の10年
2010年から2019年までを次の10年
運がいい場合は2000年に嵐が発生
これが最初の10年の1年目
2度目の嵐は2019年に嵐が発生
次の10年の10年目
その間に18年間の空白がある
その為 嵐が発生しても
被害が直し 交通道路 電線 ネットやテレビにケーブルや家が建て直され
次の同じような嵐が来た場合の為の予算が取られ対策がなされる
全てが直った状態で 次の嵐に充分な期間 備えられた状態で次の嵐がやってくる
では 運が悪い場合
2009年に嵐が発生 これが最初のテンイヤーストーム
2000年から2009年までの10年間
2010年に嵐が発生 これが2番目のテンイヤーストーム
2010年から2019年までの10年間
そう 運が悪い場合は 2年間連続 大嵐が来る
日本の25倍以上の国土の広さのアメリカ
嵐の復旧 物資を運ぶだけでも時間が掛かる
それも 嵐の水が引いてからでないと行う事は出来ない
そして 1年目の大嵐の復旧が速やかに行われ 終わってればまだよいが
終わっていない所 復旧作業中に来る2度目の大嵐
それは まさしく 現代の自然が人間に対する止めの1撃である
1度目の大嵐を直すのに注ぎ込んだお金が無駄になり
2度目の大嵐で起きた被害を直す事は出来ない
住人は その地を捨て去るしかない
そして 異世界の大陸の東の国
ここには 30年に1度の大雨がある
風が伴っていないのは救いではあるが
国の南側には王の中の王が住む雲が掛かった山を筆頭に多くの山々がある
丁度 雲が山にぶつかり雨となり下へ落ちる
その為 東の国の中央南側には少し高い盆地に大きな大きな湖がある
その湖の北へ細く緩やか川
その湖は東へ西へは大きく少し急な川となって流れていく
そして南側は地下水として山々の下を流れそれが 男が上った坂の北側から
水があふれだし それが川となり 森から男の家の北の川であり
そして それが 村へ その先が湖の主がいた場所へ
この大量の水の為 東の国は農業が盛んである
また東の国の東側には海がある為 海産物も多い
さらに 国の大きさゆえに 北側と南側でも変わった植物が生えている
誰もが暮らしやすい そんな東の国
そこに 昨年 30年に1度の大きな大雨が降った
東の国では洪水を数度 経験している
この国では洪水の事を 大水 と呼んでいた
また ビーバーのような 川にダムを通る 動物からアイディアを貰ったのか
湖の上に防水堤 海には防波堤をつくり
湖から川への部分には大きなダムを作っている
この国ではダムの事を 水止め と呼ばれていたが
その為に川の流れを制限する事が出来る
ただ 水止め は木と鉄の柱 大量の土とレンガ で作られており
半年に1回 役人が見回りに行く
そして必要に応じて レンガや土を入れ ダムを補強していく
そして必要に応じて 錆びた鉄の柱や 腐った木の柱を補強していく
ただ この補強は5年から10年に1度 あるかないか
補強する時は徹底的に国を挙げて
国民から貴族から兵隊まで動員され補強されていく
国家プロジェクトとして それが出来るのが この東の国の凄い所でもある
でも それ以外は忘れられた問題である
議題にあげられた場合は徹底的にお金を惜しまず補強する
その為 見回りの役人からの報告が無い限り
国、王族、貴族たちは議題にも上げない
そして この年は 昨年の30年の大雨により
湖の嵩 ダムをほんの少し超えた状態であった
まるで表面張力の様に ぎりぎり 水が出ない
風が吹いて 水がダムを超え出たとしても 川の水が多少 高くなるだけであった
ただ ダムは違う
土とレンガは大幅に削られており
また最後に柱を補強したのは5年前
木の柱は腐り 鉄の柱は錆びて 別の柱の補強が必要な状態に
豊作が続いた東の国では
大きな祭りが行われようとしていた
その祭りは4年に1度行うように予定されている
その手配は書類整理から住民との話し合いや予算
実際に祭りの舞台の手配等 多岐に渡る
どこもかしこも大忙し
当然ながら役人はどこも人手が足りない
そして1年に1回の水止めの見回りを行う役人も これでもか!
というぐらいの仕事を任されていた
そこに1匹の蝶が窓から ひらひら と飛んでくる
そして 水止め の書類の上に止まる
祭りの準備で忙しい
それでも本来の業務だ。。。今日 手早く終わらせるか
この日 役人が見回りに行く
水止めの状態を確認しに行く
ただ 本来なら役人は川の南側から見回りを始める
川の南側
補強の為に 資材が移動される それ専用の整備された道があるから
馬車も2~3台同時に通れるぐらい大きく
道もしっかりならされており川へのレールも付いている
反対側は赤い壁がある為 問題は特にない
川の北側
反対側は人が数人のみ通れるぐらいで 地盤がもろくレールも付いていない
しかも場所によっては崖の様になっている
藪がある為 何処が坂や丘の様になっているのか
何処が崖になっているのか その判断がつかない
役人は 見回りの作業は半年に1回
それ以外は別の仕事を任されていた
国を挙げてのお祝い事
盛大な祭りが数か月後にある
それについての色々な仕事
その仕事が予想外に手間取っていたのだ
今回の視察は手早めに終わらせたい
彼には1人娘がおり 町のお祭りに連れて行く約束をしていたからだ
その為に 祭りまでに全ての仕事を終わらす必要がある
そして役所は城から川を隔てた北側の小さい建物にあった
川を渡って坂を上り 湖の盆地で再び川を渡る
川を上がった南側の場所は補強材置き場として使われる
その為 水止めの検査用の道具が入れられている小屋
水中の中を管と鏡とガラスで覗ける道具が置いてある小屋は川の北側に
水止めの上を渡らないといけない
何故なら盆地の湖
その中を潜る道具はダムを渡った先に作られた小屋にあったのだから
1度 川を渡るのに20分 橋のある場所まで行き川を渡るまでの所要時間
湖に行ってから再び道具小屋へ行くために川を渡る
そして帰りもある
行きと帰りで20分x4で80分も掛かってしまう
それを短縮する方法がある
川を渡らないで 整備されていない北側を通って行けばよい
だから 役人は整備されていない北側
少し危ない崖のような場所もある小道を川に沿って上っていく
人が通る用に出来ていない北側
この時 役人は仕事の忙しさから正しい判断は出来ていなかった
役人 :「やはり 危ないな! こっちは
遠回りでも南側からいけば良かった」
水に濡れるのを覚悟で川に入り反対側に行くことも出来なくはないが
。。。いや 却下だ
この川は 幅が広い
また 想像以上に深い
そして運が悪ければ 本当に運が悪ければだが ドレイクが居る場合がある
襲われたら ひとたまりもない
滅多に報告は上がらないし 浅い所にはなかなか来ないのだが
普通に服が塗れるのが嫌なので そう理由付けしていた
その為 川を渡る事はせず ひたすら川に沿って上っていく
役人 :「はーー」
途中で休憩をいれる
川の水を抄い 顔を数回 洗い そして また 上っていく
あと もう少しで盆地の上の湖だ!
湖に着いたら 大きな橋のような物もある
それはダムの補強の為に作られていた橋
その為 ダムと橋で馬車が通れるぐらいの太さがある
川の北側のこの道を使う者はいない
だから 整備もされておらず ガードレールのような物もない
この時 役人は気づいていなかったが 右側は川 左側は崖の様になっている
報告書にガードレールとこの小道の整備も上げてみるか
でも前回報告書にあげたときは却下された
なぜなら川の反対側 南側は馬車も なんなく数台通れるぐらい整備されているから
役人は川に沿って上っていく
水止め が見えてきた
そして役人の左側 地図で言う北側は相当な高さの崖になっている
ここから落ちたら確実に死ぬであろう
そして役人は川に沿って上っていく
役人 :「あと少しだ」
そう思った時 川の方から ひらひら と綺麗な1匹の蝶が飛んでくる
おお 凄く綺麗だ
それは 役人の顔の前を通り越し 崖側を飛んでいく
そして蝶々を見ていた役人は崖側へ顔を向ける
”バシャ” その蝶を食べようと川からカエルが跳んでくる
そして少しだけバランスを崩す
役人 :「おおっと あぶな」
”バシャーー” そのカエルを食べようと川蛇が飛んでくる
役人 :「うわっと」
”バシャーーー” その蛇を食べようとしたのか 逃げているのか大きな魚が跳ねる
役人 :「何だーー」
そして役人は見た
川を動く大きな影 多分ドレイクなのでは?
バランスを取ろうと役人は崖側の左足に力を入れる
思わず声を出した役人の左足の部分が 急な負荷に耐え兼ね脆く砕けた
左腕で藪を掴むが 既に遅し
そこにあった藪と共に役人の左足が宙に
まるで左足が崖に引っ張られたようにバランスを崩す
そして 次の瞬間 役人の体が崖に投げ出される
”ひゅーーーーーーーーーーーーーーー どさっ”
即死である
***数週間後***
役人の遺体は地元の人間に見つかり 家族に報告が行き 葬儀が行われた
待てども待てども帰らぬ夫を待つ妻
待てども待てども帰らぬ父を待つ娘
それが最悪の形での再会
泣きじゃくる娘を必死にあやす母親
それでも別れを告げる事が出来た。。。それは良かったのかもしれない
役所では死んだ父親の溜まっていた仕事の引継ぎが行われた
数か月後に行われる大きな祭り
役人はそれについてのみ集中していた
そしてその仕事が多いのなんの
その数が余りにも多かった為 本来の役割の仕事については誰も気がつかなかった
この年 湖のダムの補強が必要であったが
その報告は領主、貴族、王族へ上がってこなかった
30年に1度の大雨
それは昨年 この東の国で猛威を振るった
だが それは 30年の30年目であり
次の30年の大雨が1年目に発生する
2年連続の30年の大雨
その 大雨を含んだ雲
濃い鼠色がかった 大雲
東の国を覆い始め
それが 山々の方へと 風に流されていく
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