15 / 23
追手
しおりを挟む
気が付けば何故か二人と4匹に増えて、旅をしておりました。
先頭を行くのは一匹の子ライオンと、一匹の子黒ヒョウ。
そして上空には鷹、そして私の肩には小さくなった白龍…自分で歩かないのね?
森の奥へ奥へ向かって歩きました。
『このまま行くと、あのくそオヤジの城の近くに出ちまうから、迂回するぞ!』
『え!?帰るんじゃないの?』
『あ?!帰らねぇよ!だから俺は捨てられて、殺されそうになったんだって言ったじゃねぇか!
帰りたければ一人で帰れよ!』
またまた兄弟で帰るの帰らないのと言い争いをしている…。
言い争いしながらも、ちゃんと迂回路を進んでいるけど。
しかし…前方に嫌な雰囲気が…。
目が赤く光る大きな熊タイプの魔獣の群れが!
「あれは…ベネ!あれもあなたの親戚ってことは無いよね?念のために聞くけど?」
『そんなわけないだろ!あれはくそオヤジの眷族だ!ヤバいぞ!来るぞ!』
って言っているうちに、熊たちが走ってこっちへ向かってきた。
咄嗟にロンが結界を張ったが、熊たちは連続でドン!ドン!と壁に体当たりをしてきている。
この結界ってどの程度に強いのかな?!
何か結界からミシミシと音が聞こえてくるのは気のせいよね?
『どうするんだ?!』
ベネが焦ってロンに聞きました。
ロンは能天気に首を傾げて『ん…』とうなっていたのですが。
『まあ良いか!』と言った次の瞬間、結界の壁の向こうに巨大な真っ白な雷がドン!っと落ちました。
「あ、熊、全滅…流石!やるね!ロン…。」
『でもヤバいぞ!あんなのを送り込んでくるって、どうしても殺したいって事だろ?!誰を???』
「誰を???って、ベネ?何でそこまでベネを目の敵にするのかしら?
ベネ、何かやったの?」
『だから俺の存在が気に入らないんだろ?!くそオヤジの子ではないって思っているんだから!』
「とにかく今のうちに少しでもここから遠く離れた方が良いのでは?」
ヒースが言いました。
「そうね…とにかく先に進みましょう!」
先に進みながら、先ほど、ロンが何をうなっていたのか、聞いてみました。
『あぁ…一匹くらい捕獲して、誰に命令されたのかとか、尋問しようかなとも思ったんだよ。
でも面倒くさいから、まあ良いか!と思って全部やっちまった!』
「あの一瞬、悩んでいたのは、そういう事だったのね?」
それからも周囲に警戒をしながら、黙々と歩いておりました。
すると、今度はかわいらしいウサギがピョンコピョンコとやってきました。
「可愛い!」
思わず手を出すと、私の腕の中に飛び込んで…来ようとした瞬間、ロンが尻尾で叩き落としました。
「何するの!」
思わず叫んだ瞬間、叩き落とされた可愛いウサギは、全然!可愛くないヒグマくらいの大きさの真っ黒な魔獣に変化しまして。
凄く立派な牙を持つ、見るからにヤバそうな見た目で、ロンの目が光ったと思ったら、何かロンからいくつもの龍の頭の影が飛び出して襲い掛かり、やがてそのクマみたいな大きさの魔物も動かなくなりました。
『ノエル、ちゃんと気を付けなくちゃだめだよ…こんなところに本当に可愛い動物なんて、居ないんだから…。』
「ねぇねぇそれより!ロンの影から出てきたのって、何?
まるでヒュドラの上を行くように見えたんだけど?!」
『…お前だったら、九頭竜の話は聞いたことがあるんじゃないのか?』
「うん!あるある!だって私の元居た世界、私の郷里からそう遠くないところに九頭龍を祀った神社とかあったし、何なら、住んでいたところから一時間くらいのお寺にも、その郷里の九頭龍の分身?を祀っているお寺もあったから。
『それにしても追手…しつこいなぁ…本当に何を狙っているんだろ?』
先頭を行くのは一匹の子ライオンと、一匹の子黒ヒョウ。
そして上空には鷹、そして私の肩には小さくなった白龍…自分で歩かないのね?
森の奥へ奥へ向かって歩きました。
『このまま行くと、あのくそオヤジの城の近くに出ちまうから、迂回するぞ!』
『え!?帰るんじゃないの?』
『あ?!帰らねぇよ!だから俺は捨てられて、殺されそうになったんだって言ったじゃねぇか!
帰りたければ一人で帰れよ!』
またまた兄弟で帰るの帰らないのと言い争いをしている…。
言い争いしながらも、ちゃんと迂回路を進んでいるけど。
しかし…前方に嫌な雰囲気が…。
目が赤く光る大きな熊タイプの魔獣の群れが!
「あれは…ベネ!あれもあなたの親戚ってことは無いよね?念のために聞くけど?」
『そんなわけないだろ!あれはくそオヤジの眷族だ!ヤバいぞ!来るぞ!』
って言っているうちに、熊たちが走ってこっちへ向かってきた。
咄嗟にロンが結界を張ったが、熊たちは連続でドン!ドン!と壁に体当たりをしてきている。
この結界ってどの程度に強いのかな?!
何か結界からミシミシと音が聞こえてくるのは気のせいよね?
『どうするんだ?!』
ベネが焦ってロンに聞きました。
ロンは能天気に首を傾げて『ん…』とうなっていたのですが。
『まあ良いか!』と言った次の瞬間、結界の壁の向こうに巨大な真っ白な雷がドン!っと落ちました。
「あ、熊、全滅…流石!やるね!ロン…。」
『でもヤバいぞ!あんなのを送り込んでくるって、どうしても殺したいって事だろ?!誰を???』
「誰を???って、ベネ?何でそこまでベネを目の敵にするのかしら?
ベネ、何かやったの?」
『だから俺の存在が気に入らないんだろ?!くそオヤジの子ではないって思っているんだから!』
「とにかく今のうちに少しでもここから遠く離れた方が良いのでは?」
ヒースが言いました。
「そうね…とにかく先に進みましょう!」
先に進みながら、先ほど、ロンが何をうなっていたのか、聞いてみました。
『あぁ…一匹くらい捕獲して、誰に命令されたのかとか、尋問しようかなとも思ったんだよ。
でも面倒くさいから、まあ良いか!と思って全部やっちまった!』
「あの一瞬、悩んでいたのは、そういう事だったのね?」
それからも周囲に警戒をしながら、黙々と歩いておりました。
すると、今度はかわいらしいウサギがピョンコピョンコとやってきました。
「可愛い!」
思わず手を出すと、私の腕の中に飛び込んで…来ようとした瞬間、ロンが尻尾で叩き落としました。
「何するの!」
思わず叫んだ瞬間、叩き落とされた可愛いウサギは、全然!可愛くないヒグマくらいの大きさの真っ黒な魔獣に変化しまして。
凄く立派な牙を持つ、見るからにヤバそうな見た目で、ロンの目が光ったと思ったら、何かロンからいくつもの龍の頭の影が飛び出して襲い掛かり、やがてそのクマみたいな大きさの魔物も動かなくなりました。
『ノエル、ちゃんと気を付けなくちゃだめだよ…こんなところに本当に可愛い動物なんて、居ないんだから…。』
「ねぇねぇそれより!ロンの影から出てきたのって、何?
まるでヒュドラの上を行くように見えたんだけど?!」
『…お前だったら、九頭竜の話は聞いたことがあるんじゃないのか?』
「うん!あるある!だって私の元居た世界、私の郷里からそう遠くないところに九頭龍を祀った神社とかあったし、何なら、住んでいたところから一時間くらいのお寺にも、その郷里の九頭龍の分身?を祀っているお寺もあったから。
『それにしても追手…しつこいなぁ…本当に何を狙っているんだろ?』
39
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる