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あだ名(12:22編集済)
コンビニについても、ブッチョーはいなかった。
困ったようにあたりを見回していると、湊君が、「あ。この間の。もしよかったら、ちょっと手伝ってもらえません?」そんなことを言った。
といっても、コンビニの業務なんてやったことがない。
「レジは俺がやるんで品出しお願いできませんか。今日、雄馬さん、遅くなるって連絡はいったんで。雄馬さんがくるまでの1時間だけ。無理だったら、いいんですけど、もし手伝ってくれたら肉まん二つおごります」
正直、嫌だった。
しごとでくたくたなのに、さらにコンビニバイトするなんて。
でも、しゅんとした顔の湊君が可哀そうではある。
でも、肉まんふたつ。うーん。
「肉まんふたつかあ」
「じゃあ、雄馬さんの休憩15分増やすんで」
「は?」
「え?雄馬さんに会いに来たんですよね?ここだけのはなし、このコンビニ。御曹司のお遊びでつくられたものなんですよ。なんでも、無名のコンビニが大手企業のコンビニの売り上げを越せるか否かっていう、一種のゲーム?で、御曹司は父親と賭けをしたらしいんですよ。なにを賭けたのかはしらないですけど。雄馬さんはその御曹司の友人らしくて。それで無償ではたらいてくれてるみたいなんですけど。あ俺は店長ね。いそがしいんだよこれでも。でも、俺も御曹司に助けられた身分だから。文句もいってられないってわけ」
「そうなんですか、どんな人なんですか?」
「それが、俺もみたことないんだよ。雄馬さんが口利きしてくれなかったら、俺たぶんニートのままだった。あれは、公園で猫とあそんでたとき…」
「ちょっとまった。分かりました。分かりましたよ。肉まん二つとビール二缶とブッチョーの休憩15分。買った。私の一時間と引き換えです」
「ちょっと、ビール増えてない?」
「ビールくらいいいでしょ?」
「参ったなあ、ひとつくらいならつけれるけど」
「じゃあ一つ」
「分かったよ。肉まん二つとビール一本と雄馬さんの休憩15分で手を打とう。ところで、なにかあったの?この間とくらべたら元気ないけど。」
「あ。えーと。ブッチョーには言わないって約束してくれる?」
たしかに誰かに話したい気分ではあった。
湊君だったら、話しても問題はないかな?
「え?ああ。なるほど。話してみてよ」
「私の名前は、楡埼ひなの。受付事務と経理をやってる。だけど、上司とうまくいってなくて、ちょっと嫌がらせ?を受けてる。今日、そろそろ覚えてくれない?って言われた。経理はまだしも、受付はお客さんの名前とかで社を割り出して担当者に繋ぐ必要があるんだけど、それがうまくできなくて。いろいろ聞いてできてたんだけど。人とかまだ一か月だから、覚えきれなくて。もうちょっと教えてほしかったりする」
「一か月で?」
「そう。」
「それは早いね、ふつうは半年か…せめて三か月はすべての業務を覚えるのにかかるよね」
「そうなの!でも、その…」
さすがに、ブッチョーと葵さんが付き合ってた話は伏せておこうかな。
「直属の上司と、指導役のひとが私を気に入らないっぽくて」
「ああそうなんだ」
「今日それに気づかされたっていうか」
「ふーん」
「まあ、ブラックで働いてたから、こんなのなんともないんだけどね」
「そうだね、そうやって虚勢はるのは良くないと思う。雄馬さんに相談してみたら?」
「いや。相談はしない。負けた気がするから」
「それ勝ち負けなの?」
「勝ち負けなの」
「なるほどねー、楡埼さんってちょっと雄馬さんに似てる」
「……どこが?」
「なんでも勝ち負けにするところが」
「……。きいてくれて、ありがとう。仕事てつだう」
「じゃ、これ。おねがい。このカゴに入ってるぶんだけ陳列棚に並べるだけでいいから。おわったら、教えて」
「はーい」
湊君は、レジに椅子を置いていて、そこで携帯ゲームをしているようだった。お客さんはまだひとりもこない。そういう態度がこの店が落ちぶれてる原因なんじゃないかな。ひなのは、ただひたすら陳列棚に商品をならべつづけた。あきらかに、売れ筋とそうでないものとの在庫の差が開いていく。ちょっと工夫するだけで経費削減できそうなところがいっぱいある…。そう考えながら、陳列していくと、あっというまに1時間がすぎた。
「悪い、おそくなった」
あわただしくブッチョーが店内にかけこんでくる。
顔をあげると、
「あれ?終わってる…楡埼!?なんで?」
「待ってるって言ったのブッチョーじゃないですか」
「いや、もう帰ったとばかり」
「湊君、いいですか?ブッチョーの15分の休憩と肉まん二つとビール1缶要求します」
「ああ、いいっスよ。客もいないし。ただし、外のベンチで休憩とってください」
「えーさむいのに」
「いま、商品でいっぱいなんスよ、裏は」
さすがにそれはないと思って言い返そうとしたところ、ブッチョーがまあまあと諫めてくる。それにしてもブッチョーは職場と比べたら別人すぎる。しかたなくベンチに二人で腰かける。寒さが身にしみる。
「俺がいない間に手伝ってくれたんだな」
吐く息が白い。
「はいまあ、困ってたみたいだったんで」
恥ずかしさを隠すためにうつむくと、
「助かったありがとう」
ぽん、と頭に手がのせられた。
え、頭撫でられてる。
その優しい手つきに、まどろんでしまいそうになる。
おもわず、肉まんの入っている袋をぎゅっと握ってしまい、ビニールのこすれる音がした。
ブッチョーが驚いたように、
「あ、悪い。つい」
「いえ…」
顔をあげると、視線が絡み合った。
慌てて目をそらす。
気まずい。
「あ、肉まん。たべませんか?」
「あ、ああ」
ビニール袋からひとつづつ、あったかい肉まんが湯気をだして、ほかほかだ。
ブッチョーの頬も外気にさらされて赤くなっている。
「ブッチョー、りんごみたい」
「りんご?」
「ほっぺたが赤いですよ」
「ああ、走ってきたから」
このあいだみたいに、気軽に話せない。
なんでだろう。
「楡埼、なにか困ったことないか?」
にくまんにかぶりつく。熱い。
「にくまんが熱いことくらいですかね」
「そうか」
「はやくたべないと、冷めちゃいますよ」
「今日、元気なかっただろ、夕凪が心配してた」
「ブッチョーは心配してくれないんですか?」
おどけてそういうと、
「ああ。心配したよ。すごく」
すこしだけ、思いつめたような表情。
優しくて、心に響くような物言い。
我慢していたものが、こみ上げてきそうになって、勢いよくベンチから立ちあがった
「なんでもないです!大丈夫です!ほら!元気元気!」
スクワットをしてみせる。
なんでこんなことをしてるのか、自分でもわけが分からなかった。
ただ、こんな表情をブッチョーにさせたくないと、心底思ったから。
「ぶふ、」と笑い声がきこえてきて、やっとスクワットをやめた。
ブッチョーが肉まんをたべながら、吹いたのだ。
「ああーきたな―い」
そう言ってやると、「おまえが笑わすからだろ」
いいながら、ブッチョーはどこからともなく出してきたハンカチで口をぬぐう。
いまどきハンカチもってるひといるんだー。
「ブッチョーって彼女いたりしますよね?」
「は?彼女はいないが」
「奥さんは?」
「結婚もしてない」
「いま何歳なんですか?」
「なんだ急に。32だよ」
「若くみえますね」
「なんでそんなことしりたいんだ?」
「ハンカチが綺麗にアイロンがけされてたから、彼女いるのかなーって思って」
「ああこれか。普通だろ」
「いや、珍しいですよ」
「きらいか?」
「いいえ、そういう人は、マメな人です」
「おまえはまた占い師みたいなことを」
「占ってあげましょうか?」
「何占いだ?」
「手相占いです」
「いやだ」
「ポイント高いです。こういうのは、女の子の常とう手段ですから、断って正解です」
「本当にお前は変な奴だな」
「ちょっと残念だと思ったのは秘密です」
「秘密を暴露するな。ほら。手」
「は?」
「手に触りたかったんだろ。肉まんもってないほうの手なら貸してやれるから」
「いいんですか?」
「ふつうそういうときは、まあ。いいや。いいよ」
そっと触れる。
こしょこしょ、と掌をさわってやると、
ブッチョーが「うぐ」と変な声をだした
されるがままになっていたかと思えば、ぎゅ、と手を握られて声を失う。
「楡埼、手先つめたいな」
「…。卑怯です」
「お前が先に触りたいって言ったんだろ」
「言ってません」
「放せって言わなくていいのか?」
「ブッチョーの手あったかいので」
「そのブッチョーってのやめろよ」
「じゃあ何て呼べばいいですか」
「雄馬でいいよ」
「つきあってもないのに?」
「じゃあ付き合うか?」
「はあ?なにいってんですか」
「冗談だよ冗談」
ブッチョーは、そう言いながら、手をそっと離した。
「びっくりしました」
「びっくりしたか?」
くしゃりと笑う。
白くてきれいな歯が形のいい唇から零れ落ちる。
「心臓止まるかと思いました」
「あ。名前は本当に、雄馬でいいよ」
「じゃあ、雄馬さんで」
「呼び捨てでいいのに」
少しむくれた顔。本当に子供みたい。
「呼び捨てで呼んでもらいたいんですか?私に?」
「まあ、さん付けも悪くないが、母親を思い出すからなあ」
「じゃあ、ユーマーで」
「俺は宇宙人か」
「じゃあ、ユーちゃんで。ユーちゃんにします。ここでだけ」
そのとき、湊君がコンビニの入り口から顔をだした。
困ったようにあたりを見回していると、湊君が、「あ。この間の。もしよかったら、ちょっと手伝ってもらえません?」そんなことを言った。
といっても、コンビニの業務なんてやったことがない。
「レジは俺がやるんで品出しお願いできませんか。今日、雄馬さん、遅くなるって連絡はいったんで。雄馬さんがくるまでの1時間だけ。無理だったら、いいんですけど、もし手伝ってくれたら肉まん二つおごります」
正直、嫌だった。
しごとでくたくたなのに、さらにコンビニバイトするなんて。
でも、しゅんとした顔の湊君が可哀そうではある。
でも、肉まんふたつ。うーん。
「肉まんふたつかあ」
「じゃあ、雄馬さんの休憩15分増やすんで」
「は?」
「え?雄馬さんに会いに来たんですよね?ここだけのはなし、このコンビニ。御曹司のお遊びでつくられたものなんですよ。なんでも、無名のコンビニが大手企業のコンビニの売り上げを越せるか否かっていう、一種のゲーム?で、御曹司は父親と賭けをしたらしいんですよ。なにを賭けたのかはしらないですけど。雄馬さんはその御曹司の友人らしくて。それで無償ではたらいてくれてるみたいなんですけど。あ俺は店長ね。いそがしいんだよこれでも。でも、俺も御曹司に助けられた身分だから。文句もいってられないってわけ」
「そうなんですか、どんな人なんですか?」
「それが、俺もみたことないんだよ。雄馬さんが口利きしてくれなかったら、俺たぶんニートのままだった。あれは、公園で猫とあそんでたとき…」
「ちょっとまった。分かりました。分かりましたよ。肉まん二つとビール二缶とブッチョーの休憩15分。買った。私の一時間と引き換えです」
「ちょっと、ビール増えてない?」
「ビールくらいいいでしょ?」
「参ったなあ、ひとつくらいならつけれるけど」
「じゃあ一つ」
「分かったよ。肉まん二つとビール一本と雄馬さんの休憩15分で手を打とう。ところで、なにかあったの?この間とくらべたら元気ないけど。」
「あ。えーと。ブッチョーには言わないって約束してくれる?」
たしかに誰かに話したい気分ではあった。
湊君だったら、話しても問題はないかな?
「え?ああ。なるほど。話してみてよ」
「私の名前は、楡埼ひなの。受付事務と経理をやってる。だけど、上司とうまくいってなくて、ちょっと嫌がらせ?を受けてる。今日、そろそろ覚えてくれない?って言われた。経理はまだしも、受付はお客さんの名前とかで社を割り出して担当者に繋ぐ必要があるんだけど、それがうまくできなくて。いろいろ聞いてできてたんだけど。人とかまだ一か月だから、覚えきれなくて。もうちょっと教えてほしかったりする」
「一か月で?」
「そう。」
「それは早いね、ふつうは半年か…せめて三か月はすべての業務を覚えるのにかかるよね」
「そうなの!でも、その…」
さすがに、ブッチョーと葵さんが付き合ってた話は伏せておこうかな。
「直属の上司と、指導役のひとが私を気に入らないっぽくて」
「ああそうなんだ」
「今日それに気づかされたっていうか」
「ふーん」
「まあ、ブラックで働いてたから、こんなのなんともないんだけどね」
「そうだね、そうやって虚勢はるのは良くないと思う。雄馬さんに相談してみたら?」
「いや。相談はしない。負けた気がするから」
「それ勝ち負けなの?」
「勝ち負けなの」
「なるほどねー、楡埼さんってちょっと雄馬さんに似てる」
「……どこが?」
「なんでも勝ち負けにするところが」
「……。きいてくれて、ありがとう。仕事てつだう」
「じゃ、これ。おねがい。このカゴに入ってるぶんだけ陳列棚に並べるだけでいいから。おわったら、教えて」
「はーい」
湊君は、レジに椅子を置いていて、そこで携帯ゲームをしているようだった。お客さんはまだひとりもこない。そういう態度がこの店が落ちぶれてる原因なんじゃないかな。ひなのは、ただひたすら陳列棚に商品をならべつづけた。あきらかに、売れ筋とそうでないものとの在庫の差が開いていく。ちょっと工夫するだけで経費削減できそうなところがいっぱいある…。そう考えながら、陳列していくと、あっというまに1時間がすぎた。
「悪い、おそくなった」
あわただしくブッチョーが店内にかけこんでくる。
顔をあげると、
「あれ?終わってる…楡埼!?なんで?」
「待ってるって言ったのブッチョーじゃないですか」
「いや、もう帰ったとばかり」
「湊君、いいですか?ブッチョーの15分の休憩と肉まん二つとビール1缶要求します」
「ああ、いいっスよ。客もいないし。ただし、外のベンチで休憩とってください」
「えーさむいのに」
「いま、商品でいっぱいなんスよ、裏は」
さすがにそれはないと思って言い返そうとしたところ、ブッチョーがまあまあと諫めてくる。それにしてもブッチョーは職場と比べたら別人すぎる。しかたなくベンチに二人で腰かける。寒さが身にしみる。
「俺がいない間に手伝ってくれたんだな」
吐く息が白い。
「はいまあ、困ってたみたいだったんで」
恥ずかしさを隠すためにうつむくと、
「助かったありがとう」
ぽん、と頭に手がのせられた。
え、頭撫でられてる。
その優しい手つきに、まどろんでしまいそうになる。
おもわず、肉まんの入っている袋をぎゅっと握ってしまい、ビニールのこすれる音がした。
ブッチョーが驚いたように、
「あ、悪い。つい」
「いえ…」
顔をあげると、視線が絡み合った。
慌てて目をそらす。
気まずい。
「あ、肉まん。たべませんか?」
「あ、ああ」
ビニール袋からひとつづつ、あったかい肉まんが湯気をだして、ほかほかだ。
ブッチョーの頬も外気にさらされて赤くなっている。
「ブッチョー、りんごみたい」
「りんご?」
「ほっぺたが赤いですよ」
「ああ、走ってきたから」
このあいだみたいに、気軽に話せない。
なんでだろう。
「楡埼、なにか困ったことないか?」
にくまんにかぶりつく。熱い。
「にくまんが熱いことくらいですかね」
「そうか」
「はやくたべないと、冷めちゃいますよ」
「今日、元気なかっただろ、夕凪が心配してた」
「ブッチョーは心配してくれないんですか?」
おどけてそういうと、
「ああ。心配したよ。すごく」
すこしだけ、思いつめたような表情。
優しくて、心に響くような物言い。
我慢していたものが、こみ上げてきそうになって、勢いよくベンチから立ちあがった
「なんでもないです!大丈夫です!ほら!元気元気!」
スクワットをしてみせる。
なんでこんなことをしてるのか、自分でもわけが分からなかった。
ただ、こんな表情をブッチョーにさせたくないと、心底思ったから。
「ぶふ、」と笑い声がきこえてきて、やっとスクワットをやめた。
ブッチョーが肉まんをたべながら、吹いたのだ。
「ああーきたな―い」
そう言ってやると、「おまえが笑わすからだろ」
いいながら、ブッチョーはどこからともなく出してきたハンカチで口をぬぐう。
いまどきハンカチもってるひといるんだー。
「ブッチョーって彼女いたりしますよね?」
「は?彼女はいないが」
「奥さんは?」
「結婚もしてない」
「いま何歳なんですか?」
「なんだ急に。32だよ」
「若くみえますね」
「なんでそんなことしりたいんだ?」
「ハンカチが綺麗にアイロンがけされてたから、彼女いるのかなーって思って」
「ああこれか。普通だろ」
「いや、珍しいですよ」
「きらいか?」
「いいえ、そういう人は、マメな人です」
「おまえはまた占い師みたいなことを」
「占ってあげましょうか?」
「何占いだ?」
「手相占いです」
「いやだ」
「ポイント高いです。こういうのは、女の子の常とう手段ですから、断って正解です」
「本当にお前は変な奴だな」
「ちょっと残念だと思ったのは秘密です」
「秘密を暴露するな。ほら。手」
「は?」
「手に触りたかったんだろ。肉まんもってないほうの手なら貸してやれるから」
「いいんですか?」
「ふつうそういうときは、まあ。いいや。いいよ」
そっと触れる。
こしょこしょ、と掌をさわってやると、
ブッチョーが「うぐ」と変な声をだした
されるがままになっていたかと思えば、ぎゅ、と手を握られて声を失う。
「楡埼、手先つめたいな」
「…。卑怯です」
「お前が先に触りたいって言ったんだろ」
「言ってません」
「放せって言わなくていいのか?」
「ブッチョーの手あったかいので」
「そのブッチョーってのやめろよ」
「じゃあ何て呼べばいいですか」
「雄馬でいいよ」
「つきあってもないのに?」
「じゃあ付き合うか?」
「はあ?なにいってんですか」
「冗談だよ冗談」
ブッチョーは、そう言いながら、手をそっと離した。
「びっくりしました」
「びっくりしたか?」
くしゃりと笑う。
白くてきれいな歯が形のいい唇から零れ落ちる。
「心臓止まるかと思いました」
「あ。名前は本当に、雄馬でいいよ」
「じゃあ、雄馬さんで」
「呼び捨てでいいのに」
少しむくれた顔。本当に子供みたい。
「呼び捨てで呼んでもらいたいんですか?私に?」
「まあ、さん付けも悪くないが、母親を思い出すからなあ」
「じゃあ、ユーマーで」
「俺は宇宙人か」
「じゃあ、ユーちゃんで。ユーちゃんにします。ここでだけ」
そのとき、湊君がコンビニの入り口から顔をだした。
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