上 下
11 / 329

10

しおりを挟む
ここ一週間の日課になりつつある林の中への突撃と称するの時間はすっかり私の楽しみになっていた。そこで私が知ったのはもしかしたらこの人とても良い家出身なのではないかということだ。
いりこを渡す仕草といい最近持ってくるようになった猫じゃらしをこちらにフリフリする様子が何処と無く気品があるというか……。一応、子爵令嬢である私とは大違いである。そりゃあ私と比べたら誰でも大違いになるのは分かりきったことだよ。うん。
でもこの人肌も艶々だし黒い髪の毛もさらさらしていて女としては羨ましい程である。てやっ!
そんなことを考えていても猫じゃらしを叩くのは止められない。だって今私は猫なんだもん。本能勝っちゃってるし。

あんたはいつだって本能勝ってんだろって突っ込みは聞かないよ。今日は食欲じゃないもんね!猫じゃらしだもん。
…それもう食べ終わってるからだろ。
そんな1人乗り突っ込みしながら猫じゃらしに夢中になっている私だったが、男の手が急に止まった。ん?

「猫……明日は俺は来ない。一週間後だわかったな。」

…………いりこの人喋ったあああああああァァァァアァア!
というか猫に話し掛けちゃったよこの人。もしかして人間だってばれてるってことは………ないよね。私だって猫とか犬とかみたらつい話しかけちゃうことあるもん。 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

顔の良い灰勿くんに着てほしい服があるの

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:390pt お気に入り:0

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:24,050pt お気に入り:1,397

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

BL / 連載中 24h.ポイント:6,150pt お気に入り:2,722

会社を辞めて騎士団長を拾う

BL / 完結 24h.ポイント:2,827pt お気に入り:40

異世界の少女と聖女様

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:18

処理中です...