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悪くはない
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「ええのう、この街は。」
着物の老人は、勢いよく酒を煽った。
「ええ~、ここ暗いじゃん。」
答えた少女はだらりとテーブルに顔をつけ、目を瞑っている。
「わしゃ妖じゃ、夜の方が何かと動きやすい。」
「じいちゃん目立つの嫌いだもんね~。」
ニヤニヤと笑い、囃し立てる。
「人間は皆群れる、じゃがわしらはそうではない、無闇に騒ぎ立て触れずともよいことにワラワラと群がる貴様らとは違うのでな。」
「私はご主人様たちといっぱい遊びたいです。」
ムギが不満そうに口を結んでいる。
「たわけ、お前不用心すぎる、たかだか化け猫と呼ばれた程度でぴーくちぱーくち…」
「それじゃ鳥さんじゃないですか~!」
ベッドの上で足をバタバタする。
「赤子かお前は!」
「かわいいからいいじゃん、ね~むぎむぎ。」
魔王はパンをこねるようにムギの頬を弄り回す。
「はあ~。」
深くため息をつき、こめかみを撫でる。
「これが神の使徒か、世も末じゃ。」
妖怪とも人とも付き合いは広いが、幼子のような姿といえどこれほどに妖怪を溺愛する人間はついぞ見た事がない。
「お主らそろそろ狩じゃ、行くぞ?」
思えば二十歳にもならない人間と話すのなど数百年ぶりであろうか、人間の家を転々と渡って生きていれば当然ではあるが。
「悪くはないのう。」
「どうしたの?」
ひょこっと肩から顔を出す。
「なんでもないわ。」
カビ臭いエレベーターがガタガタ上がる。
「お爺さん、お孫さん元気かい?」
「わしには嫁もおらんわい!」
煩わしいかぼちゃの声、耳が痛くなる。
「さて、金を稼ぐぞ。」
「じいちゃんお金使わないくせに。」
ジト目を向けられる。
「わしゃ酒が欲しいだけじゃ、洋酒もなかなか美味い。」
「ワインが美味しいのは同意。」
皆でバイクにまたがる。
「鉄の塊で馬を作るとは、人間も中々のものじゃ。」
二つのバイクは紅月の下を行く、ガスを濛々と吐き出して。
着物の老人は、勢いよく酒を煽った。
「ええ~、ここ暗いじゃん。」
答えた少女はだらりとテーブルに顔をつけ、目を瞑っている。
「わしゃ妖じゃ、夜の方が何かと動きやすい。」
「じいちゃん目立つの嫌いだもんね~。」
ニヤニヤと笑い、囃し立てる。
「人間は皆群れる、じゃがわしらはそうではない、無闇に騒ぎ立て触れずともよいことにワラワラと群がる貴様らとは違うのでな。」
「私はご主人様たちといっぱい遊びたいです。」
ムギが不満そうに口を結んでいる。
「たわけ、お前不用心すぎる、たかだか化け猫と呼ばれた程度でぴーくちぱーくち…」
「それじゃ鳥さんじゃないですか~!」
ベッドの上で足をバタバタする。
「赤子かお前は!」
「かわいいからいいじゃん、ね~むぎむぎ。」
魔王はパンをこねるようにムギの頬を弄り回す。
「はあ~。」
深くため息をつき、こめかみを撫でる。
「これが神の使徒か、世も末じゃ。」
妖怪とも人とも付き合いは広いが、幼子のような姿といえどこれほどに妖怪を溺愛する人間はついぞ見た事がない。
「お主らそろそろ狩じゃ、行くぞ?」
思えば二十歳にもならない人間と話すのなど数百年ぶりであろうか、人間の家を転々と渡って生きていれば当然ではあるが。
「悪くはないのう。」
「どうしたの?」
ひょこっと肩から顔を出す。
「なんでもないわ。」
カビ臭いエレベーターがガタガタ上がる。
「お爺さん、お孫さん元気かい?」
「わしには嫁もおらんわい!」
煩わしいかぼちゃの声、耳が痛くなる。
「さて、金を稼ぐぞ。」
「じいちゃんお金使わないくせに。」
ジト目を向けられる。
「わしゃ酒が欲しいだけじゃ、洋酒もなかなか美味い。」
「ワインが美味しいのは同意。」
皆でバイクにまたがる。
「鉄の塊で馬を作るとは、人間も中々のものじゃ。」
二つのバイクは紅月の下を行く、ガスを濛々と吐き出して。
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