怪奇探究倶楽部譚

ロリメイド

客観的に自分がロリっぽいというのを自覚している、ならば最も合理的なのは猫耳だ。
「猫耳ロリメイド‥」
宮野くんが唖然としているがこれは必要な作戦なのだ。
「バイト先に潜り込むため、合理的なのはロリです。」
生徒会長はプライドを捨てている、コンプレックスの低身長を売りにしようというのだ。
「俺はあんたの護衛だろ？乗り掛かった船だからな。」
いかがわしいことを強要する店の裏などロクでもないのはわかっているが、そういう荒事のための俺だ。
「週末に作戦を決行します、お店の裏を暴いて正義の元に晒します。」
「おうよ。」
不良だから正義なんかとは程遠いと思っているが、ここの教師は俺よりよほど腐っている。
「正義執行、だな。」
無視できるものを無視せず足を突っ込んだ以上、汚れ役を引き受けよう。
「しゃっあやるぞ！」
「生徒会室ですから静かに。」
「んだよノリ悪いな。」
生徒会長遠見るがやはり真面目なのは変わらずだ。
「あんたのロリ、俺は好きだぞ？」
「風紀の乱れと捉えられかねないですよ？そういうのは‥そんなパッと‥」
レアだなあ、会長の恥じらい。
生真面目な性格が顔に出ているのか、普段は動かない表情が今日は豊かだ。
いいもん見たな。
「文化祭メイド喫茶やろうぜ？」
「統計に基づき公平に判断します、下心は‥」
早口にそこまで言って口篭る。
「我々は公平にやらなきゃですから。」