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永遠の別れ5
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4日の午前11時。
神社の近くのランドマークで待ち合わせ。俺は11時少し前に着いた。和真もいつも少し前に来るから、そろそろ来るだろう。そう思って和真を待った。しかし、11時を過ぎても和真は来ない。和真が遅れるなんて珍しい。なにかあったんだろうか。そう思ってスマホを覗くけれど、そこに和真からのメッセージはない。連絡もなく遅れるなんて和真らしくない。そう思いながら和真を待っていると俺の傍を通り過ぎて行った人の言葉が耳に入る。
「事故なんて怖いね。即死だったのかな?」
「速度の出ていた車だったみたいだからそうかもね。横断歩道渡っていて突っ込まれるなんて運悪いよね」
「ほんとだよね」
事故?
なんだかその言葉にどくんと心臓が鳴る。なんだろう。胸騒ぎがする。まさかとは思うけれど、時間を過ぎても連絡もなく遅刻する和真というのが気になってその場を離れた。もしかしたらその間に来るかもしれないと思うけれど、それならそれでいい。謝ればいい話しだ。
事故現場がどこかは知らなかったけれど、人がざわざわしているのですぐにわかった。
「まだ若い人でしょ」
「そう。若い男の人」
「まだ若いのに可哀想だよね」
若い男の人――。
まさかな。救急車はまだ来てない。事故に遭った人も見れるかもしれない。そう思って人垣を抜けて前へと行き、倒れている人を見た瞬間心臓が止まった。
和真!
「和真!」
そこに倒れていたのは和真だった。
辺りは鉄の匂いが充満し、道路は赤黒く染まっていた。でも、そんなことおかまいなしに和真の傍に駆け寄る。
死んで……いるのか?
「和真!」
呼んでもなんの反応もない。なので肩を揺さぶってみるけれど、やっぱり反応はなくて。
即死――。
そう言っていた人を思い出した。
死んでる……のか?
そんな。
俺を置いて和真がいなくなるなんてありえない。大体、寂しがり屋なのは和真の方だ。1人でどこかへ行ってしまうなんてありえない。だから、きっと気を失ってるだけなんだ。
「和真! 目覚ませよ!」
そう声を掛けていると救急車が到着した。
「危ないですよ。どいてください」
「あの! 俺も乗せてください」
「ご家族の方ですか?」
「友人です」
「わかりました。お乗りください」
和真がストレッチャーで救急車に乗せられ、続いて俺も乗り込む。
真っ青な顔をした和真。出血が酷かったのが見てとれる。和真の手をギュッと握り、また目を開けることを願った。でも、俺の耳に届いた言葉は”心肺停止”という言葉だった。
心肺停止? そんな……。いや、まだ死んだわけじゃない。それでも、時間が経てば経つほど救命率は低くなる。救急隊の人も蘇生を試みているけれど、早く病院に着け! そう思っていると救急隊の人に和真の自宅の電話番号を訊かれる。自宅の電話番号はわからない。でも、スマホから自宅に電話しているのは聞いたことがあるから、スマホに登録はされているはずだ。そう伝えると、
「スマホはこれで間違いありませんか?」
「はい、それです」
スマホに自宅の電話番号が登録されていてもスマホを起動できなければ意味がない。でも、俺は暗証番号を知っている。逆に和真は俺の暗証番号を知っている。だから、救急隊の人からスマホを借り、暗証番号を打ち込み立ち上げる。そして電話帳の中から該当の電話番号を探し、救急隊の人に手渡す。
「ありがとうございます」
そして救急隊の人が電話で話しているのを聞く。なんだか現実味がない。それでも、少しでも早く病院に着くことを願う。処置が早ければ助かる確率があがる。
救急車はすごいスピードで走って行き、きっと病院までもそんなに遠くないはずだ。けれど、俺にはすごく長く感じた。
神社の近くのランドマークで待ち合わせ。俺は11時少し前に着いた。和真もいつも少し前に来るから、そろそろ来るだろう。そう思って和真を待った。しかし、11時を過ぎても和真は来ない。和真が遅れるなんて珍しい。なにかあったんだろうか。そう思ってスマホを覗くけれど、そこに和真からのメッセージはない。連絡もなく遅れるなんて和真らしくない。そう思いながら和真を待っていると俺の傍を通り過ぎて行った人の言葉が耳に入る。
「事故なんて怖いね。即死だったのかな?」
「速度の出ていた車だったみたいだからそうかもね。横断歩道渡っていて突っ込まれるなんて運悪いよね」
「ほんとだよね」
事故?
なんだかその言葉にどくんと心臓が鳴る。なんだろう。胸騒ぎがする。まさかとは思うけれど、時間を過ぎても連絡もなく遅刻する和真というのが気になってその場を離れた。もしかしたらその間に来るかもしれないと思うけれど、それならそれでいい。謝ればいい話しだ。
事故現場がどこかは知らなかったけれど、人がざわざわしているのですぐにわかった。
「まだ若い人でしょ」
「そう。若い男の人」
「まだ若いのに可哀想だよね」
若い男の人――。
まさかな。救急車はまだ来てない。事故に遭った人も見れるかもしれない。そう思って人垣を抜けて前へと行き、倒れている人を見た瞬間心臓が止まった。
和真!
「和真!」
そこに倒れていたのは和真だった。
辺りは鉄の匂いが充満し、道路は赤黒く染まっていた。でも、そんなことおかまいなしに和真の傍に駆け寄る。
死んで……いるのか?
「和真!」
呼んでもなんの反応もない。なので肩を揺さぶってみるけれど、やっぱり反応はなくて。
即死――。
そう言っていた人を思い出した。
死んでる……のか?
そんな。
俺を置いて和真がいなくなるなんてありえない。大体、寂しがり屋なのは和真の方だ。1人でどこかへ行ってしまうなんてありえない。だから、きっと気を失ってるだけなんだ。
「和真! 目覚ませよ!」
そう声を掛けていると救急車が到着した。
「危ないですよ。どいてください」
「あの! 俺も乗せてください」
「ご家族の方ですか?」
「友人です」
「わかりました。お乗りください」
和真がストレッチャーで救急車に乗せられ、続いて俺も乗り込む。
真っ青な顔をした和真。出血が酷かったのが見てとれる。和真の手をギュッと握り、また目を開けることを願った。でも、俺の耳に届いた言葉は”心肺停止”という言葉だった。
心肺停止? そんな……。いや、まだ死んだわけじゃない。それでも、時間が経てば経つほど救命率は低くなる。救急隊の人も蘇生を試みているけれど、早く病院に着け! そう思っていると救急隊の人に和真の自宅の電話番号を訊かれる。自宅の電話番号はわからない。でも、スマホから自宅に電話しているのは聞いたことがあるから、スマホに登録はされているはずだ。そう伝えると、
「スマホはこれで間違いありませんか?」
「はい、それです」
スマホに自宅の電話番号が登録されていてもスマホを起動できなければ意味がない。でも、俺は暗証番号を知っている。逆に和真は俺の暗証番号を知っている。だから、救急隊の人からスマホを借り、暗証番号を打ち込み立ち上げる。そして電話帳の中から該当の電話番号を探し、救急隊の人に手渡す。
「ありがとうございます」
そして救急隊の人が電話で話しているのを聞く。なんだか現実味がない。それでも、少しでも早く病院に着くことを願う。処置が早ければ助かる確率があがる。
救急車はすごいスピードで走って行き、きっと病院までもそんなに遠くないはずだ。けれど、俺にはすごく長く感じた。
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