81 / 106
重なる気持ち5
しおりを挟む
そうして迎えたシルバーウィーク。今回も陸さんの運転で箱根に来ることになった。そして、こちらも今回も変わりなく、陸さんに助手席側のドアを開けて貰うというエスコート付きで。エスコートし慣れてる。それにしても陸さんは結構長距離も運転するので、運転することが好きなんだろうか。少なくとも苦になっている様子はない。
「今夜泊まるのは先日話したところだ。強羅にある。昼間は箱根を観光しよう。子供の頃、一緒に箱根に行ったのは覚えているか?」
「お母さんから聞いてます。僕が記憶に残ってるのは海賊船だけですが」
「まだお前は3歳か4歳くらいだったから無理もないか。それ以外では来たことはあるか?」
「友人と1度来ました。大涌谷と関所に行きました」
「そうか。じゃあ今回はそれ以外のところに行こう。見所は他にたくさんあるからな。海賊船はせっかくだから乗るか」
「乗りたいです! 湖からみる景色、いいですよね」
「そうだな。じゃあ海賊船も込みだな。まずは強羅だな。公園もあるし、お店も色々あるから昼をそこで食べよう」
「はい」
箱根湯本に着いたときに今日のプランを決める。と言っても僕が見たところは少ししかないし、また見てもいいから詳しそうな陸さんにお任せだ。
陸さんの言う通り車は強羅公園に着いた。強羅公園は日本初のフランス式整型庭園だということだ。今はまだ時期には早いけれど、時期になれば薔薇園がとても綺麗だという。他にも熱帯植物館もあるという。
「秋の薔薇のシーズンにはまだ少し早いな」
確かに咲いている薔薇の数は少なめだ。それでも、シーズンになれば見事だろうと思わせる作りになっている。そうでなくても薔薇のアーチなんかもあり、女性客やデートには向いているだろう。
と、そこで考える。今日の僕と陸さんもデートって言えるのかな? 言えるよね。そう思うと急に恥ずかしくなった。
「満開になったらすごいでしょうね」
「ここを一番楽しめるのが春だ。桜が咲いてから、奥の藤が咲いて、それから薔薇が咲く。フランス式庭園で藤棚があるのも面白いけどな」
「藤、僕好きです」
「そうか。それなら今度は春に来よう」
「!」
今度。また連れてきてくれるんだ。それがすごく嬉しかった。そのことに僕はふわふわとした気持ちで園内を歩いてまわった。
園内を大まかに歩いたところでお腹が空いてきた。と、僕のお腹の空腹具合に気づいたのか陸さんがランチの提案をしてきた。
「この近くにハンバーガーの店があるんだが、昼はそこでいいか? 味はいい」
「僕は箱根は全然なので陸さんにお任せします」
「よし、そしたら行こう」
着いたところは強羅公園から車ですぐのホテルだった。ハンバーガーっていうからもっとカジュアルなお店かと思ったら、ホテルでびっくりした。まぁ、ホテルの食事の中ならカジュアルなのかもしれないけれど。
ランチメニューは2つのバーガーとオープンサンドイッチのみという少なさだが、目をひいたのはそんなところではなくて価格だ。
ハンバーガーが2,300円とか桁、間違えてない? と思ってしまった。でも、テーブルに通されてしまって出るわけにもいかないし、陸さんは平然としているから価格は問題ない、ということなんだろう。ここまできたら美味しくいただくしかない。
メニューは少ないので、あまり悩むことなくビーフ&ベジタブルバーガーに決めた。ダブルバーガーもあったけれど、僕の好きなアボカドが入っているのでこちらにした。陸さんも同じだった。
そうして出てきたのは、大きなハンバーガーだった。これ、口に入らないよ。それぐらい大きい。なのでバンズから少しずつかじっていく。そしてお肉に行き当たり、口に入れてびっくりした。
「美味しい!」
「美味いだろ。100%国産牛だ」
このお肉を使ったら確かに価格が高くなるのは当然だ。国産牛だということだけど、それでもいいのを使っているのがわかる。だって口に入れるとお肉がとけていくんだ。それでもゆっくりとお肉を味わって、お腹に納めていく。
そうしてハンバーガーを堪能していると陸さんが何気なくといったふうに口を開いた。
「突然だが、寝室を同じにしないか?」
陸さんの言った言葉の意味がわからず、ハンバーガーを食べる手が止まった。
「今夜泊まるのは先日話したところだ。強羅にある。昼間は箱根を観光しよう。子供の頃、一緒に箱根に行ったのは覚えているか?」
「お母さんから聞いてます。僕が記憶に残ってるのは海賊船だけですが」
「まだお前は3歳か4歳くらいだったから無理もないか。それ以外では来たことはあるか?」
「友人と1度来ました。大涌谷と関所に行きました」
「そうか。じゃあ今回はそれ以外のところに行こう。見所は他にたくさんあるからな。海賊船はせっかくだから乗るか」
「乗りたいです! 湖からみる景色、いいですよね」
「そうだな。じゃあ海賊船も込みだな。まずは強羅だな。公園もあるし、お店も色々あるから昼をそこで食べよう」
「はい」
箱根湯本に着いたときに今日のプランを決める。と言っても僕が見たところは少ししかないし、また見てもいいから詳しそうな陸さんにお任せだ。
陸さんの言う通り車は強羅公園に着いた。強羅公園は日本初のフランス式整型庭園だということだ。今はまだ時期には早いけれど、時期になれば薔薇園がとても綺麗だという。他にも熱帯植物館もあるという。
「秋の薔薇のシーズンにはまだ少し早いな」
確かに咲いている薔薇の数は少なめだ。それでも、シーズンになれば見事だろうと思わせる作りになっている。そうでなくても薔薇のアーチなんかもあり、女性客やデートには向いているだろう。
と、そこで考える。今日の僕と陸さんもデートって言えるのかな? 言えるよね。そう思うと急に恥ずかしくなった。
「満開になったらすごいでしょうね」
「ここを一番楽しめるのが春だ。桜が咲いてから、奥の藤が咲いて、それから薔薇が咲く。フランス式庭園で藤棚があるのも面白いけどな」
「藤、僕好きです」
「そうか。それなら今度は春に来よう」
「!」
今度。また連れてきてくれるんだ。それがすごく嬉しかった。そのことに僕はふわふわとした気持ちで園内を歩いてまわった。
園内を大まかに歩いたところでお腹が空いてきた。と、僕のお腹の空腹具合に気づいたのか陸さんがランチの提案をしてきた。
「この近くにハンバーガーの店があるんだが、昼はそこでいいか? 味はいい」
「僕は箱根は全然なので陸さんにお任せします」
「よし、そしたら行こう」
着いたところは強羅公園から車ですぐのホテルだった。ハンバーガーっていうからもっとカジュアルなお店かと思ったら、ホテルでびっくりした。まぁ、ホテルの食事の中ならカジュアルなのかもしれないけれど。
ランチメニューは2つのバーガーとオープンサンドイッチのみという少なさだが、目をひいたのはそんなところではなくて価格だ。
ハンバーガーが2,300円とか桁、間違えてない? と思ってしまった。でも、テーブルに通されてしまって出るわけにもいかないし、陸さんは平然としているから価格は問題ない、ということなんだろう。ここまできたら美味しくいただくしかない。
メニューは少ないので、あまり悩むことなくビーフ&ベジタブルバーガーに決めた。ダブルバーガーもあったけれど、僕の好きなアボカドが入っているのでこちらにした。陸さんも同じだった。
そうして出てきたのは、大きなハンバーガーだった。これ、口に入らないよ。それぐらい大きい。なのでバンズから少しずつかじっていく。そしてお肉に行き当たり、口に入れてびっくりした。
「美味しい!」
「美味いだろ。100%国産牛だ」
このお肉を使ったら確かに価格が高くなるのは当然だ。国産牛だということだけど、それでもいいのを使っているのがわかる。だって口に入れるとお肉がとけていくんだ。それでもゆっくりとお肉を味わって、お腹に納めていく。
そうしてハンバーガーを堪能していると陸さんが何気なくといったふうに口を開いた。
「突然だが、寝室を同じにしないか?」
陸さんの言った言葉の意味がわからず、ハンバーガーを食べる手が止まった。
92
あなたにおすすめの小説
僕はあなたに捨てられる日が来ることを知っていながらそれでもあなたに恋してた
いちみやりょう
BL
▲ オメガバース の設定をお借りしている & おそらく勝手に付け足したかもしれない設定もあるかも 設定書くの難しすぎたのでオメガバース知ってる方は1話目は流し読み推奨です▲
捨てられたΩの末路は悲惨だ。
Ωはαに捨てられないように必死に生きなきゃいけない。
僕が結婚する相手には好きな人がいる。僕のことが気に食わない彼を、それでも僕は愛してる。
いつか捨てられるその日が来るまでは、そばに居てもいいですか。
俺の好きな人は誰にでも優しい。
u
BL
「好きなタイプは?」と聞かれて世界で一番多く答えられているのは間違いなく「優しい人」だろう。
相手の優しいところに惹かれ、気づいた時には引き返せないところまで恋に落ちている。
でも次第に気付くのだ。誰だってみんな「優しい人」ではなく「"自分だけに"優しい人」が好きなのだと。
ロランは、"誰にでも優しい男"、フィリオンに恋をしてしまい、地獄のような日々に身を焼かれていた。
そんなとある日「この恋、捨てたいな…」と溢したら「それ、捨てようとすんの、やめてくんね?オレ、あんたがアイツを見る視線に興奮すっからさ」と遊び人で有名な男、ヒューゴに言われる。
彼は、自分を好きな人間には興味がなく、別の誰かに恋い焦がれている人間の目が好きな変態らしい。
そんな身勝手な遊び人とちょくちょく話すようになってからというもの、フィリオンの様子はどんどんおかしくなっていく。
恋を捨てたい男と、恋を捨てるなと言う男と、優しさが狂い始めていく男の話。
※作者の意思ではなくキャラの意思で結末が決まります。ご要望は受け付けられませんのでどちらとくっついても美味しいと思う方のみお読みください。
※中世ヨーロッパ風学園ものです。
※短編(10万文字以内)予定ですが長くなる可能性もあります。
※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。
泡にはならない/泡にはさせない
玲
BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――
明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。
「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」
衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。
「運命論者は、間に合ってますんで。」
返ってきたのは、冷たい拒絶……。
これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。
オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。
彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。
——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる