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九尾と三尾のある日の日常
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九尾
煙草と酒と女を愛する伊達男。
基本的にだらしないが、妖狐の中ではひときわ強い力を持っているらしく、妖狐の間では首(おびと)と呼ばれている。
細かいことを気にしない兄貴分で人望が厚い。
三尾
九尾に付き従う世話役。
物静かであまり主張しないことから九尾に振り回され気味。
最近破天荒な九尾のおかげで尻尾に禿げが出来た様子。
+++
ぬしさまの山・妖狐の集落
九尾「三尾!いるか?」
三尾「お呼びですか、首(おびと)?」
九尾「山の西側の様子はどうなっている?」
三尾「先ほど、二の班から鴉が来まして、特に大きな異常はないそうです」
九尾「そうか。ここ最近、ならずの妖どもが山に入り込もうとしているからな。警戒は怠るな。他の連中にも気を抜かないよう言っておけ」
三尾「御意(ぎょい)」
+++
妖狐の集落に慌てて戻ってくる九尾
九尾「三尾!」
三尾「はい、どうしました?」
九尾「いいか、俺のことを聞かれたら適当にごまかしておけ」
三尾「は?どういうことです?」
九尾「説明してる暇ねぇんだよ!だいたいわかっとけ!いいな」
九尾、三尾を残して走り去る。
三尾「…もしや、とは思いますが…」
女妖狐1「あっ!いらっしゃったわ!三尾さまよ!」
女妖狐2「三尾さま!首殿(おびとどの)はどちらにおいでですか?」
三尾「首なら、ここを走り去っていきましたよ」
女妖狐1「どちらの方角に」
三尾「あちらのほうへ」
三尾、九尾が走り去った方角と別の方向を指す。
女妖狐3「三尾さま、感謝いたします!今日という今日は逃がしませんわよ、首殿」
三尾「…一体何があったのですか?」
女妖狐2「首殿の一番は誰なのか、決めるためです」
女妖狐1「首殿はいつもふらふらと女人(にょにん)を口説いて回って、わたしたちのことなど後回し。いい機会ですから、誰が首殿の一番なのか問いただしていた所でしたの」
女妖狐3「けれど、少し目を離した隙に逃げられてしまって…今日こそは逃がしませんわ、わたしこそが、首殿のご寵愛を受けるのよ」
女妖狐2「何言ってるのよ!ご寵愛を受けるのはわたしに決まっているじゃない!」
女妖狐1「二人ともわかってないわね。首殿はわたしを選んでくださるわよ」
女妖狐2・3「なんですって!?」
三尾「……取り込んでいるところ、大変申し上げにくいのですが、ここで話していてはますます首を見つけにくくなるのでは…」
女妖狐1「はっ!そうですね。早く探しに行かなくては!」
女妖狐3「あ、ちょっと抜け駆けは許さないわよ!」
女妖狐2「二人とも待ちなさいって!」
女妖狐三匹が走り去っていく
三尾「はぁ…(ため息)首の女癖が悪いのにもほとほと付き合いきれませんね…ああ、胃が痛い…」
+++
妖狐の集落
九尾「おい、三尾!」
三尾「はい、なんですか。首」
九尾「今から花街に行ってくる。留守の間、他の連中を頼むぞ」
三尾「また花街ですか。…この前店から叩き出されたと言っていませんでしたか?」
九尾「うっ…そ、そんな昔の話は忘れたな」
三尾「昔のって…つい三日ほど前のことだと記憶してますが…?」
九尾「う、うるさい!ともかく、俺は遊女に世話してもらいに行くんだよ!邪魔すんな!」
九尾、立ち去る。
男妖狐1「さすが三尾殿ですね。あの首に正面切って言えるなんて…」
男妖狐2「いやはや、首の腹心(ふくしん)は三尾殿以外考えられないですな」
三尾「いえ、首の性格にも慣れてきたと言いますか…」
男妖狐1「でも、気を付けてくださいよ。この間、胃の調子を悪くしたといっていたじゃありませんか」
三尾「あー…そうですね、気を付けます。(禿げができたとは言いにくいな…)」
男妖狐3「首―!首はどこですか!?」
男妖狐1「どうしたんだ、そんな息切らして」
男妖狐3「大変なんだよ!集落の入り口に女の妖どもが集まって、首を出せって息巻いてんだ!多分、首が口説いて回った連中だと思う。しかも女の妖狐どもが「首はわたしたちのもの!」って変に団結して喧嘩をし始めて…」
男妖狐2「えー…三尾殿、どうしますか?」
三尾「は、はは、…はははははっ……あー…胃が痛い……」
「完」
煙草と酒と女を愛する伊達男。
基本的にだらしないが、妖狐の中ではひときわ強い力を持っているらしく、妖狐の間では首(おびと)と呼ばれている。
細かいことを気にしない兄貴分で人望が厚い。
三尾
九尾に付き従う世話役。
物静かであまり主張しないことから九尾に振り回され気味。
最近破天荒な九尾のおかげで尻尾に禿げが出来た様子。
+++
ぬしさまの山・妖狐の集落
九尾「三尾!いるか?」
三尾「お呼びですか、首(おびと)?」
九尾「山の西側の様子はどうなっている?」
三尾「先ほど、二の班から鴉が来まして、特に大きな異常はないそうです」
九尾「そうか。ここ最近、ならずの妖どもが山に入り込もうとしているからな。警戒は怠るな。他の連中にも気を抜かないよう言っておけ」
三尾「御意(ぎょい)」
+++
妖狐の集落に慌てて戻ってくる九尾
九尾「三尾!」
三尾「はい、どうしました?」
九尾「いいか、俺のことを聞かれたら適当にごまかしておけ」
三尾「は?どういうことです?」
九尾「説明してる暇ねぇんだよ!だいたいわかっとけ!いいな」
九尾、三尾を残して走り去る。
三尾「…もしや、とは思いますが…」
女妖狐1「あっ!いらっしゃったわ!三尾さまよ!」
女妖狐2「三尾さま!首殿(おびとどの)はどちらにおいでですか?」
三尾「首なら、ここを走り去っていきましたよ」
女妖狐1「どちらの方角に」
三尾「あちらのほうへ」
三尾、九尾が走り去った方角と別の方向を指す。
女妖狐3「三尾さま、感謝いたします!今日という今日は逃がしませんわよ、首殿」
三尾「…一体何があったのですか?」
女妖狐2「首殿の一番は誰なのか、決めるためです」
女妖狐1「首殿はいつもふらふらと女人(にょにん)を口説いて回って、わたしたちのことなど後回し。いい機会ですから、誰が首殿の一番なのか問いただしていた所でしたの」
女妖狐3「けれど、少し目を離した隙に逃げられてしまって…今日こそは逃がしませんわ、わたしこそが、首殿のご寵愛を受けるのよ」
女妖狐2「何言ってるのよ!ご寵愛を受けるのはわたしに決まっているじゃない!」
女妖狐1「二人ともわかってないわね。首殿はわたしを選んでくださるわよ」
女妖狐2・3「なんですって!?」
三尾「……取り込んでいるところ、大変申し上げにくいのですが、ここで話していてはますます首を見つけにくくなるのでは…」
女妖狐1「はっ!そうですね。早く探しに行かなくては!」
女妖狐3「あ、ちょっと抜け駆けは許さないわよ!」
女妖狐2「二人とも待ちなさいって!」
女妖狐三匹が走り去っていく
三尾「はぁ…(ため息)首の女癖が悪いのにもほとほと付き合いきれませんね…ああ、胃が痛い…」
+++
妖狐の集落
九尾「おい、三尾!」
三尾「はい、なんですか。首」
九尾「今から花街に行ってくる。留守の間、他の連中を頼むぞ」
三尾「また花街ですか。…この前店から叩き出されたと言っていませんでしたか?」
九尾「うっ…そ、そんな昔の話は忘れたな」
三尾「昔のって…つい三日ほど前のことだと記憶してますが…?」
九尾「う、うるさい!ともかく、俺は遊女に世話してもらいに行くんだよ!邪魔すんな!」
九尾、立ち去る。
男妖狐1「さすが三尾殿ですね。あの首に正面切って言えるなんて…」
男妖狐2「いやはや、首の腹心(ふくしん)は三尾殿以外考えられないですな」
三尾「いえ、首の性格にも慣れてきたと言いますか…」
男妖狐1「でも、気を付けてくださいよ。この間、胃の調子を悪くしたといっていたじゃありませんか」
三尾「あー…そうですね、気を付けます。(禿げができたとは言いにくいな…)」
男妖狐3「首―!首はどこですか!?」
男妖狐1「どうしたんだ、そんな息切らして」
男妖狐3「大変なんだよ!集落の入り口に女の妖どもが集まって、首を出せって息巻いてんだ!多分、首が口説いて回った連中だと思う。しかも女の妖狐どもが「首はわたしたちのもの!」って変に団結して喧嘩をし始めて…」
男妖狐2「えー…三尾殿、どうしますか?」
三尾「は、はは、…はははははっ……あー…胃が痛い……」
「完」
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