双子はお互い振り回す。

さゆまー

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第一話

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対になったほくろ。



同じような目、鼻、口。



そのすべてが愛おしいのは、



僕達、俺達は、



《双子》であり、《恋人》だから──────










俺達は双子の兄弟だ。

ごく普通の家庭に生まれた。

でも、俺達は見た目こそ似ているが中身はほとんど似ていない。

兄である俺───七海ななみは、名前こそ女々しいが中身はまあ、遊ぶのが好きというか、傍から見たら俗に言うチャラい的な感じではあるだろう。

まー、女の子にはそこそこモテたね。

付き合ったりもしたよ。

でもなー。

俺はやっぱり──────










僕達は双子の兄弟だ。

普通の家、だと思う。

でも僕達兄弟は、中身がほとんど違う。

弟である僕───空大そらたは、明るくモテる兄とは反対で、僕は内向的で、勉強と本が好きなだけ。

昔からそうだから、兄には憧れた。

でもいつからか気づいたんだ。

これはただの憧れじゃないって。

もしかしたらって。

僕はやっぱり──────






──空サイド──



「なあ、くう。今日は一緒に帰ろうぜ。」 

朝、家を出る時、ななが僕に言うセリフは二パターンある。

一つ目のパターンはさっきのセリフ。

二つ目のパターンは、今日遊ぶから先帰って。といった旨のセリフ。

僕は一つ目のほうが好き。

七のほうを向いて、わかったと頷いた。

通っている学校は同じ。小学生のときに受験を乗り越えて中高一貫校に入った。

だから、小学生のときから学校に一緒に行っている。

近所では仲良しで有名らしいけど、僕達は仲良しとはちょっと違うのである。

七は僕の横を歩いて、楽しそうに話し始めた。

七は感情豊かで可愛い。笑っていることが大半だけど、怒ったり悲しんだり、とてもせわしない。

そんな七のことが、好き。

チャラそうに見えて、実は真面目に勉強してることも、僕だけが知ってる。

七のことを見ていると癒される。

絶対に兄弟の関係では湧かない感情だろうな。

そんなことを思っていると、七が突然僕の前髪を上げて、顔を覗き込んだ。

「うぇっ………ちょ、何…!?」

突然のことで驚いた。

それにしても……………かっこいい……。

「髪。切ったらいいんじゃねーの?……………。」

七はしばらく僕の顔をみて静止した。

「…………やっぱ、いいわ。のばせのばせ。」

何かを含んだ言い方が僕は少し気になった。

まあ、髪を切る気はないが………。









──七サイド──



うーわクソだりぃ眠い寝たい腹減ったくうマジ天使。

朝は色んな感情が渦巻く。

低血圧があって、朝は弱い。

しかし天使が起こしにきてくれるから問題なーし。

俺が低血圧じゃなきゃ襲っちまいそうになるけど。

にしても空はいつでも俺の話聞いてばっかだな。

声聞きてぇのに。

ちょっかいかけてやろ。

俺は空の前髪を上げて、顔を覗き込んだ。 

「うぇっ………ちょ、何…!?」

あーーーー可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い

「髪。切ったらいいんじゃねーの?…………。」

いや待て、この顔見ろ。この世界中の女どもを蹴落とすような可愛さを。変な男に絡まれたらどうすんだアホ七海。

「………やっぱ、いいわ。のばせのばせ。」

空の良さを知ってるのは俺だけでいい。

そう、思った。

「………まあ、ね。伸びてきたし、ちょっと今度は短めに切ろうかな?」

空の声に俺は即座に振り向いた。

「なんでだよ!?お、おま、だって、頑なに短くしないだろ!?俺の一言なんかで変えちゃうのか!?」

なんでこんな焦るんだ、俺。

俺の反応にくすっと笑う。

「言ってみただけだよ。どうしたの?もう。」

…………こ、小悪魔かよ!!








俺はこう見えて、振り回されがちである。

僕はこう見えて、振り回しがちである。

それでも。

僕達俺達振り回したり振り回されたりしても。

今日も明日も、お互い好きなのである。
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