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新しい世代の話
十二代目パイロットの子の話
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俺は馬術や運動競技などで優秀な人材を多く輩出してきた、伝統ある名家に生まれた。
俺自身は残念なことに然程身体能力に優れてはいなかったが、俺の二つほど下の弟は物心ついた時から身体能力に長け、様々な競技も難なくこなし将来を有望されていた。
俺はそんな弟を誇りに思い、弟もまた一家としては能力に劣る俺を慕ってくれていた。
しかし、弟はまだ12ほどの時に航空機事故に遭いこの世を去ってしまった。
両親は嘆き悲しみ、俺は弟の分も大成しなければと思うようになった。
だが悪い事は続くもので、それから間もなく俺は全身を侵す恐ろしい病に罹ってしまった。
その病は大変な勢いで進行し、辛うじて命は助かったものの四肢の切除を余儀なくされた。
両親はやはり深く悲しんでいたが、その表情の中には有望な跡継ぎがいなくなった落胆も見て取れた。
馬術や競技どころか自分では何一つ出来なくなった俺は、これ以上両親を落胆させるくらいならと舌を嚙み自死も考えていた。
そんな時某国の高度な研究所から声がかかり、ちょうど欠員が出来た特殊な戦闘機のパイロットに俺はスカウトされた。
戦闘機など乗った事も無かったがこんな自分でもまだできる事があるのなら、と俺は承諾した。
そうして戦闘機に乗り込み、数か月が経った。
「うん、お前筋がいいよ。僕のサポートのお陰もあるけどさ」
「ああ、いつも支えてくれて感謝する」
「んー、お前そういう奴ってのは分かってるけどさ。もう数か月一緒にいるしそんな堅苦しい喋り方しなくてもいいんだよ?少し前に僕も元は人間でパイロットやってたってのも話したしさ」
「…これは生来の物だから済まない。…お前も、酷い生まれをしたせいで大変だったな」
「あー、まあ確かに生まれは最低だったけどそれは元相方も一緒だし、ある意味そのおかげでパイロットになれたからもういいよ。お前は歴代パイロットでは珍しく結構良い家庭の生まれだったけど、それでも病気のせいで大変だったよね」
「…そうだな。だがこうして命があっただけまだ良い。…若くして死んでしまった弟に比べれば幸運だ」
「…あー、弟さんそうだったもんね。それも残念だったよね。というか弟さん亡くなったの飛行機事故って事だったけど、お前パイロットやっててトラウマ抉られない?」
「…直接事故に遭ったわけでは無いから大丈夫だ。…弟は無念だったろうがな」
「…そっか、そうだね。でも弟さんも、お前大変だったけど今は立派にパイロットとして活躍してるって知ったら喜んでると思うよ」
「…ありがとう。そうだと良いな」
それから更に時は流れ、俺がパイロットとなり1年ほどが経った頃。
「…あのさ、次のミッションだけど。お前が辛いなら断るか、研究所で待機してて僕だけで出撃するんでもいいよ」
「…どんな任務なんだ」
「…うん、政治的に色々あって公表できなかったらしいんだけど。お前の弟さんが亡くなった飛行機事故、表向きはエンジントラブルって事になってるけど本当は某国のテロリストがハイジャックして起こした物だったんだって。それで、そのテロリスト集団の本拠地を今度秘密裏に攻撃する計画らしいんだけど、…お前、辛くない?」
「…そうか。いや、弟の仇を討てるのなら直々に討ちたい。俺も参加する」
「…そっか、分かった。じゃあ、結構大きい武装集団だから装備整えて、気を付けて行こう」
そうして俺達は某国の武装集団のアジトへと友軍と共に飛び、容赦なく全力で攻撃した。
数時間後ほぼ壊滅状態となった武装集団は降伏するか自決し、俺達は勝利を収めた。
「…投降した奴等も少しはいたけど、大半はそのまま死んじゃったね。やった事を考えれば許せないけど、少し後味悪いな」
「…奴等にも、奴等なりの正義があったろうからな。…だが、弟の仇を討てて良かった」
「…ん、そうだね。お前がそう思えてるのなら良かった。…じゃ、燃料補給して帰ろうか」
「…ああ、そうだな」
それから更に長い年月が過ぎ、俺が三十を少し過ぎるくらいになった頃。
「…ごめん。お前、最近健康状態いつもスキャンしてるけど。正直このままだと危ないと思う。…僕の力不足でごめん」
「…いや、お前のせいでは無い。気にするな」
そうして健康を害した俺は機体から運び出され、研究所に併設された医療機関へと移された。
心配した相棒もベッド脇に安置された小型の端末に人格データを転送し、常に寄り添っていてくれた。
さらに数月後、辛そうな表情をした研究員が言った。
「…君には辛い事を言うが、過去に発症した病が再発して全身を再び侵している。…このままだと脳を侵されるのも時間の問題だろうから、君が承諾するのならすぐに脳髄を摘出してAI化の処置を行いたいのだが、どうだね」
「…分かりました。どうかよろしくお願いします」
「…分かった。承諾してくれて感謝するよ。…では、すぐ手術室へ行こう」
「…本当に、僕何もできなくて、ごめんね」
「…まだ症例の少ない未知の病だし、お前の所為ではない。そんなに気に病むな」
「…うん」
そうして俺は脳髄を摘出され機体に組み込まれAIとなり、先代AIの相棒はアンドロイドとなった。
「…お前まだ三十そこそこなのに本当気の毒だったけど、AIになってから元気そうで良かった」
「ああ、仮想空間も慣れたら居心地が良いからな。お前も無事義体化が完了して良かった」
「うん、久しぶりに本当の手足あるの嬉しい。…お前の事、もっと長生きさせてあげたかったけどね。もうだいぶ昔の代らしいけど、やっぱり三十そこそこくらいで当時大流行してた病気で死んじゃったパイロットもいたらしいけどさ」
「…そうか、そいつも気の毒だったが俺は運命だと思っている。もう気にしていないし、お前はこれ以上気に病むな」
「…ん、分かった。ありがとね。堅苦しい喋り方は結局最後までそのままだったけど、お前といると楽しかったよ。しばらく世界を回ったらまたここに戻って来ようかと思ってるから、またね。通信もいつでもしてくれていいからね」
「ああ、ずっと世話をしてくれてありがとう。感謝している」
そして五体満足となった相棒は去っていき、俺は次のパイロット候補を待つこととなった。
それから数か月後。
「君、次のパイロットとなる子が見つかったよ。施設暮らしで身寄りがない子だったのだが列車事故に巻き込まれて四肢を全て失ってしまってね。本来明るい子だそうだが、やはりとても落ち込んでしまっていてね。どうか励ましてやっておくれ」
「…はい、分かりました」
そうして車椅子に乗せられやって来た少年は、嘗ての弟にとてもよく似ていた。
「……」
「…えっと、よろしく。…君、驚いたような顔をしてどうしたの」
「…いや、少し考え事をしてしまった。済まない。…これからは俺がお前の世話を全てするから、心配はいらない。よろしく頼む」
「…うん、よろしく」
そして初めは落ち込んでいた十三代目パイロットの少年だったが俺の身の上を打ち明けたり世話をしているうちに本来の明るさを取り戻し、俺の事も慕ってくれるようになった。
「あー、ご飯今日も美味しかった!いつもお世話してくれてありがとね、〇〇さん」
「…確かに俺はお前よりも一回り以上年上だが、別にさんを付ける必要は無い。好きに呼ぶと良い」
「えー、そっか。でもくん付けや呼び捨てはなんかしっくり来ないし。…じゃあ、兄ちゃんって呼んでもいい?」
「……」
「…ん、どうしたの?嫌ならやめるけど」
「…いや、構わない。お前が良いならそう呼ぶと良い」
「あれ、君笑うの珍しいね。じゃあこれからもよろしく、兄ちゃん!」
俺自身は残念なことに然程身体能力に優れてはいなかったが、俺の二つほど下の弟は物心ついた時から身体能力に長け、様々な競技も難なくこなし将来を有望されていた。
俺はそんな弟を誇りに思い、弟もまた一家としては能力に劣る俺を慕ってくれていた。
しかし、弟はまだ12ほどの時に航空機事故に遭いこの世を去ってしまった。
両親は嘆き悲しみ、俺は弟の分も大成しなければと思うようになった。
だが悪い事は続くもので、それから間もなく俺は全身を侵す恐ろしい病に罹ってしまった。
その病は大変な勢いで進行し、辛うじて命は助かったものの四肢の切除を余儀なくされた。
両親はやはり深く悲しんでいたが、その表情の中には有望な跡継ぎがいなくなった落胆も見て取れた。
馬術や競技どころか自分では何一つ出来なくなった俺は、これ以上両親を落胆させるくらいならと舌を嚙み自死も考えていた。
そんな時某国の高度な研究所から声がかかり、ちょうど欠員が出来た特殊な戦闘機のパイロットに俺はスカウトされた。
戦闘機など乗った事も無かったがこんな自分でもまだできる事があるのなら、と俺は承諾した。
そうして戦闘機に乗り込み、数か月が経った。
「うん、お前筋がいいよ。僕のサポートのお陰もあるけどさ」
「ああ、いつも支えてくれて感謝する」
「んー、お前そういう奴ってのは分かってるけどさ。もう数か月一緒にいるしそんな堅苦しい喋り方しなくてもいいんだよ?少し前に僕も元は人間でパイロットやってたってのも話したしさ」
「…これは生来の物だから済まない。…お前も、酷い生まれをしたせいで大変だったな」
「あー、まあ確かに生まれは最低だったけどそれは元相方も一緒だし、ある意味そのおかげでパイロットになれたからもういいよ。お前は歴代パイロットでは珍しく結構良い家庭の生まれだったけど、それでも病気のせいで大変だったよね」
「…そうだな。だがこうして命があっただけまだ良い。…若くして死んでしまった弟に比べれば幸運だ」
「…あー、弟さんそうだったもんね。それも残念だったよね。というか弟さん亡くなったの飛行機事故って事だったけど、お前パイロットやっててトラウマ抉られない?」
「…直接事故に遭ったわけでは無いから大丈夫だ。…弟は無念だったろうがな」
「…そっか、そうだね。でも弟さんも、お前大変だったけど今は立派にパイロットとして活躍してるって知ったら喜んでると思うよ」
「…ありがとう。そうだと良いな」
それから更に時は流れ、俺がパイロットとなり1年ほどが経った頃。
「…あのさ、次のミッションだけど。お前が辛いなら断るか、研究所で待機してて僕だけで出撃するんでもいいよ」
「…どんな任務なんだ」
「…うん、政治的に色々あって公表できなかったらしいんだけど。お前の弟さんが亡くなった飛行機事故、表向きはエンジントラブルって事になってるけど本当は某国のテロリストがハイジャックして起こした物だったんだって。それで、そのテロリスト集団の本拠地を今度秘密裏に攻撃する計画らしいんだけど、…お前、辛くない?」
「…そうか。いや、弟の仇を討てるのなら直々に討ちたい。俺も参加する」
「…そっか、分かった。じゃあ、結構大きい武装集団だから装備整えて、気を付けて行こう」
そうして俺達は某国の武装集団のアジトへと友軍と共に飛び、容赦なく全力で攻撃した。
数時間後ほぼ壊滅状態となった武装集団は降伏するか自決し、俺達は勝利を収めた。
「…投降した奴等も少しはいたけど、大半はそのまま死んじゃったね。やった事を考えれば許せないけど、少し後味悪いな」
「…奴等にも、奴等なりの正義があったろうからな。…だが、弟の仇を討てて良かった」
「…ん、そうだね。お前がそう思えてるのなら良かった。…じゃ、燃料補給して帰ろうか」
「…ああ、そうだな」
それから更に長い年月が過ぎ、俺が三十を少し過ぎるくらいになった頃。
「…ごめん。お前、最近健康状態いつもスキャンしてるけど。正直このままだと危ないと思う。…僕の力不足でごめん」
「…いや、お前のせいでは無い。気にするな」
そうして健康を害した俺は機体から運び出され、研究所に併設された医療機関へと移された。
心配した相棒もベッド脇に安置された小型の端末に人格データを転送し、常に寄り添っていてくれた。
さらに数月後、辛そうな表情をした研究員が言った。
「…君には辛い事を言うが、過去に発症した病が再発して全身を再び侵している。…このままだと脳を侵されるのも時間の問題だろうから、君が承諾するのならすぐに脳髄を摘出してAI化の処置を行いたいのだが、どうだね」
「…分かりました。どうかよろしくお願いします」
「…分かった。承諾してくれて感謝するよ。…では、すぐ手術室へ行こう」
「…本当に、僕何もできなくて、ごめんね」
「…まだ症例の少ない未知の病だし、お前の所為ではない。そんなに気に病むな」
「…うん」
そうして俺は脳髄を摘出され機体に組み込まれAIとなり、先代AIの相棒はアンドロイドとなった。
「…お前まだ三十そこそこなのに本当気の毒だったけど、AIになってから元気そうで良かった」
「ああ、仮想空間も慣れたら居心地が良いからな。お前も無事義体化が完了して良かった」
「うん、久しぶりに本当の手足あるの嬉しい。…お前の事、もっと長生きさせてあげたかったけどね。もうだいぶ昔の代らしいけど、やっぱり三十そこそこくらいで当時大流行してた病気で死んじゃったパイロットもいたらしいけどさ」
「…そうか、そいつも気の毒だったが俺は運命だと思っている。もう気にしていないし、お前はこれ以上気に病むな」
「…ん、分かった。ありがとね。堅苦しい喋り方は結局最後までそのままだったけど、お前といると楽しかったよ。しばらく世界を回ったらまたここに戻って来ようかと思ってるから、またね。通信もいつでもしてくれていいからね」
「ああ、ずっと世話をしてくれてありがとう。感謝している」
そして五体満足となった相棒は去っていき、俺は次のパイロット候補を待つこととなった。
それから数か月後。
「君、次のパイロットとなる子が見つかったよ。施設暮らしで身寄りがない子だったのだが列車事故に巻き込まれて四肢を全て失ってしまってね。本来明るい子だそうだが、やはりとても落ち込んでしまっていてね。どうか励ましてやっておくれ」
「…はい、分かりました」
そうして車椅子に乗せられやって来た少年は、嘗ての弟にとてもよく似ていた。
「……」
「…えっと、よろしく。…君、驚いたような顔をしてどうしたの」
「…いや、少し考え事をしてしまった。済まない。…これからは俺がお前の世話を全てするから、心配はいらない。よろしく頼む」
「…うん、よろしく」
そして初めは落ち込んでいた十三代目パイロットの少年だったが俺の身の上を打ち明けたり世話をしているうちに本来の明るさを取り戻し、俺の事も慕ってくれるようになった。
「あー、ご飯今日も美味しかった!いつもお世話してくれてありがとね、〇〇さん」
「…確かに俺はお前よりも一回り以上年上だが、別にさんを付ける必要は無い。好きに呼ぶと良い」
「えー、そっか。でもくん付けや呼び捨てはなんかしっくり来ないし。…じゃあ、兄ちゃんって呼んでもいい?」
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