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新しい世代の話
不時着した十三代目パイロットの子とAI
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俺がパイロットになって、1年と少しくらいが経った頃の事。
「よーし、もう大体敵機は撃墜したね。250機くらいいたかな」
「そうだな。こちらに被害はほぼ無いし、兄弟も成長したな」
「うん、俺もすごいけど兄ちゃんのサポートのおかげ!」
その時、わずかに残った敵機が後方からレーザーを撃って来て機体に一発喰らってしまった。
「うわやば、油断した。えーい、お返しだ!」
こちらもすかさず強力なレーザーを撃ち返し、敵機はあっという間に海上に墜落していった。
「あー、一発もらっちゃった。俺は平気だけど兄ちゃん大丈夫?」
「ああ。…だがまずいな、損害自体は軽微だがちょうど燃料タンクに当たったようで、燃料が大量に漏れ出している。帰還する余裕は無いので、近くの小島に不時着して救援要請を出す」
「うわー、油断してたせいで本当ごめんね」
そうして俺達は近くの海上に浮かぶ小島の砂浜に不時着した。
「わー、ヤシの木がちょっと生えて典型的な小さい無人島って感じだね」
「ああ、レーダーで見た限り生体反応も無いようだ。大型の獣などはいないだろうな」
「そっか、獣がいても機体の中にいれば安心だけど良かったね。ここ研究所から結構離れてるけど、救援いつ来るかな」
「…友軍はいなかったから多少時間はかかるが、通信は出来ているので2・3時間といったところだろう」
「そっかー、それ程時間かからなくてよかった。…あー、安心したらちょっとお腹空いちゃった」
「…菓子や保存食ならあるが、栄養が偏るし折角なら魚でも捕るか」
「え、投網とか無いのにどうするの?海にあんまり汚染物質流したりはしたくないけどなー」
「心配いらない、超音波を海に流して魚を気絶させ、偵察用ドローンを利用して捕まえる」
「あー、なるほど。じゃあよろしく、兄ちゃん」
そうして兄ちゃんは器用に偵察用ドローンを駆使し、超音波で気絶し水面に浮かんだ魚を捕らえレーザーでこんがりと焼いた。
「…出来たぞ。口を開けるといい」
「ありがとう、いただきまーす。うん美味しい!」
「そうか、良かった」
そして新鮮な魚の丸焼きを数匹平らげ、お腹いっぱいになった後。
「兄ちゃん、ご飯ありがとね。さっきも言ったけど俺が油断したせいで不時着する事になっちゃって本当ごめん」
「…俺も反応が遅れたから気に病む必要は無い。自己修復機能で機体の穴はすでに塞がっているしな」
「そっかー。でも俺最近成績上がって来たし、もっと強くなって困ってる人の役に立ちたいんだ。ほら、もうかなり昔の代だけどすごく危険な機械兵団倒したパイロットさん達みたいにさ」
「…ああ、彼等は任期が短かったのにも関わらず歴代パイロットでも二位の戦果を挙げているからな。…だが兄弟は十分よくやっている。無理はするな」
「うん、ありがと。歴代一位の成績は兄ちゃんの先々代のパイロットさんなんだっけ」
「ああ、在任期間が長かったのもあるが、凶悪な魔女を倒したり政治的にも重要な任務を多く解決してきたからな」
「すごいね。直接会った事は無いけど、AIの人と息ぴったりで何十年も活躍してた伝説的な人なんだってね」
「そうだな、俺も直接会った事は少ないが当時のAIとは最高のパートナーだったようだ」
「そっかー、でも最高のパートナーなら俺と兄ちゃんも負けて無いよね!」
「…ふふ、そうだな」
「あーごめん、お腹いっぱいになったらちょっと眠くなって来ちゃった。不時着してるのに危機感無くて悪いけどちょっと仮眠とって良い?」
「良いぞ。救援との通信は俺がするからゆっくり休むと良い」
「うん、ありがと!じゃあちょっとだけおやすみ、兄ちゃん」
そうして毛布をかけてやった兄弟は安らかに寝息を立て始めた。
「…ふふ」
数時間後。
「…起きろ、兄弟。救援が来た。燃料を補給してもらって帰るぞ」
「…んー。うん、分かった。…あー、兄ちゃんと一緒だと不時着してもなんか楽しいな!」
「…ふふ、そうか。それなら良かった」
「よーし、もう大体敵機は撃墜したね。250機くらいいたかな」
「そうだな。こちらに被害はほぼ無いし、兄弟も成長したな」
「うん、俺もすごいけど兄ちゃんのサポートのおかげ!」
その時、わずかに残った敵機が後方からレーザーを撃って来て機体に一発喰らってしまった。
「うわやば、油断した。えーい、お返しだ!」
こちらもすかさず強力なレーザーを撃ち返し、敵機はあっという間に海上に墜落していった。
「あー、一発もらっちゃった。俺は平気だけど兄ちゃん大丈夫?」
「ああ。…だがまずいな、損害自体は軽微だがちょうど燃料タンクに当たったようで、燃料が大量に漏れ出している。帰還する余裕は無いので、近くの小島に不時着して救援要請を出す」
「うわー、油断してたせいで本当ごめんね」
そうして俺達は近くの海上に浮かぶ小島の砂浜に不時着した。
「わー、ヤシの木がちょっと生えて典型的な小さい無人島って感じだね」
「ああ、レーダーで見た限り生体反応も無いようだ。大型の獣などはいないだろうな」
「そっか、獣がいても機体の中にいれば安心だけど良かったね。ここ研究所から結構離れてるけど、救援いつ来るかな」
「…友軍はいなかったから多少時間はかかるが、通信は出来ているので2・3時間といったところだろう」
「そっかー、それ程時間かからなくてよかった。…あー、安心したらちょっとお腹空いちゃった」
「…菓子や保存食ならあるが、栄養が偏るし折角なら魚でも捕るか」
「え、投網とか無いのにどうするの?海にあんまり汚染物質流したりはしたくないけどなー」
「心配いらない、超音波を海に流して魚を気絶させ、偵察用ドローンを利用して捕まえる」
「あー、なるほど。じゃあよろしく、兄ちゃん」
そうして兄ちゃんは器用に偵察用ドローンを駆使し、超音波で気絶し水面に浮かんだ魚を捕らえレーザーでこんがりと焼いた。
「…出来たぞ。口を開けるといい」
「ありがとう、いただきまーす。うん美味しい!」
「そうか、良かった」
そして新鮮な魚の丸焼きを数匹平らげ、お腹いっぱいになった後。
「兄ちゃん、ご飯ありがとね。さっきも言ったけど俺が油断したせいで不時着する事になっちゃって本当ごめん」
「…俺も反応が遅れたから気に病む必要は無い。自己修復機能で機体の穴はすでに塞がっているしな」
「そっかー。でも俺最近成績上がって来たし、もっと強くなって困ってる人の役に立ちたいんだ。ほら、もうかなり昔の代だけどすごく危険な機械兵団倒したパイロットさん達みたいにさ」
「…ああ、彼等は任期が短かったのにも関わらず歴代パイロットでも二位の戦果を挙げているからな。…だが兄弟は十分よくやっている。無理はするな」
「うん、ありがと。歴代一位の成績は兄ちゃんの先々代のパイロットさんなんだっけ」
「ああ、在任期間が長かったのもあるが、凶悪な魔女を倒したり政治的にも重要な任務を多く解決してきたからな」
「すごいね。直接会った事は無いけど、AIの人と息ぴったりで何十年も活躍してた伝説的な人なんだってね」
「そうだな、俺も直接会った事は少ないが当時のAIとは最高のパートナーだったようだ」
「そっかー、でも最高のパートナーなら俺と兄ちゃんも負けて無いよね!」
「…ふふ、そうだな」
「あーごめん、お腹いっぱいになったらちょっと眠くなって来ちゃった。不時着してるのに危機感無くて悪いけどちょっと仮眠とって良い?」
「良いぞ。救援との通信は俺がするからゆっくり休むと良い」
「うん、ありがと!じゃあちょっとだけおやすみ、兄ちゃん」
そうして毛布をかけてやった兄弟は安らかに寝息を立て始めた。
「…ふふ」
数時間後。
「…起きろ、兄弟。救援が来た。燃料を補給してもらって帰るぞ」
「…んー。うん、分かった。…あー、兄ちゃんと一緒だと不時着してもなんか楽しいな!」
「…ふふ、そうか。それなら良かった」
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