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第二章 ミアータ
ミアータの民と真相
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パチパチパチ
懐かしい火の爆ぜる音でヘイは目を覚ました。
パラメでは蝋燭に火をつけるため、薪が爆ぜる音はしない。
周りを見渡すと大きなテントの中に自分が寝かされているとこがわかった。
「起きたか?」
火の向こう側にいた人物が声をかけられた。
「あぁ、起き上がらなくていい。」
その人物は先程、自分を気絶させた人物だとわかった。
「あぁ、手荒ですまなかった。」
「…。」
ヘイはやっとの思いで起き上がり、周りを見回す。
ヘイと女兵士のみがこのテント内にはいるようだ。
「ここは今ダース山脈の中腹だ。」
ヘイはどこかわからなかった。
「お前はミアータの人間だろ?なぜ、あの宗教都市にいた?」
ヘイは首を横に振る。
口を塞がれているわけではないが、ヘイは口が聞けない。
それ故に彼女に話してやれない。
「まぁ良いだろう。私の名は。ここで奇襲部隊長をしている。」
ヘイは驚き、彼女を見た。
「どうした?」
ヘイは首を横に振る。
「まぁ日にちはいくらでもある。集落の中は好きにしろ。」
そういうとは出ていった。
ヘイは彼女を見送ったあと、少し考え込み、テントの外を覗いた。
外には人がたくさんおり、また夜だったようでそこら中に松明があり、自分が今入っている様なテントがいっぱいあるのだ。
「…。」
ヘイはここはどこで宗教都市までどのくらいの距離なのかを探りたかったが、自分が話せず、誰とも会話できないことに改めて不便だと感じるようになった。
バサッバサッ
羽音とは違い、力強く何かが羽ばたいている?音がした。
ヘイはその音が気になり、覗くことを止めて、外へと出た。
外に出ると人々が先程の音がした方向を向く。
その方向を向くが、手前にテントがあり、よく見えないが、他の場所より松明の数が多い場所の様でその方向は明るかった。
「龍が帰ってきたのか?」
「その様だな。」
人々がそう話している。
ヘイは龍が気になり、覗きに行くことにした。
龍がいるであろう場所の手前のテントを周り、その場所を覗くと龍は本当にいた。
爬虫類のような皮膚に大きな翼、長い首は暇そうにいちらこちらを見ているのかグイグイと動き、周りを見渡している。
ヘイは気になり、テントから離れ、龍の方へ近寄った。
すると龍はヘイに気づき、ヘイをじっと見つめる。
すると龍は少驚いた表情をしているのか目を真ん丸にした。
『お前は?』
脳に直接語りかけてくる。
「…。」
ヘイは黙る。
自分が話せないと言うことを伝えることすらできないのだ。
『そうか、お前は話せないのか。』
龍は納得したように頷いた。
『大丈夫だ。お前の言いたいことはわかる。』
ヘイは龍をじっと見つめる。
『そうか、やはりお前はあの時の赤子か。』
ヘイは首をかしげた。
そして、心の中でヘイは龍に問いかけた。
なぜ自分がわかるのかと。
『お前は自分が何者かもわからないのか?』
ヘイは頷く。
『わかった教えてやろう。お前のことを』
龍はそう言い、目を細めた。
ヘイはミアータの龍使いの家に産まれた。
父親は龍使い。
母親は世界各地を旅しながら吟遊詩人をしていた。
彼女は目が不自由だった。
ある日、森に迷い混んでしまった母親は大きな木の根本につまづき、足を挫いてしまった。
母親はどうして良いかわからず、途方にくれていたところ、この話をしている龍が見つけたらしい。
龍は父親とたまたま獲物を森に追い込み探しているときだったらしい。
森は広く、どこへ入り込んだかわからなかったため、お互いに別のところを探していたときに母親を見つけた龍は父親を呼び、彼女を手当をしたらしい。
そして、父親はミアータに帰らず、母親と旅をすることになった。
父親はミアータであることを隠した。
母親は目が見えず、自分のことをただの青年だと思ってくれていたから。
母親は一人では旅は限界だと感じていたらしく、どこか定住できるところを探していたらしい。
父親はミアータから離れ、母親と旅をすることを決めた。
龍に関しては仲間のところへ帰そうとした父親を蹴飛ばし、着いていったそうだ。
そして、その後、ヘイが産まれた。
ヘイはミアータの黒い肌は受け継いでおらず、日に焼けたような浅黒い肌だった。
特有の黄色い目も受け継いでおらず、茶色い目をしていた。
子供は安全だろうと父親は安心した。
父親と母親は幸せだった。
しかし、ミアータは甘くない。
ミアータは仲間が1ヶ月戻らない場合、捜索する。
もしそこで戻らないと意思を示した場合、殺すのが掟だった。
父親と母親の腕の中の子供を見て、ミアータの民は驚いた。
なぜならば、ミアータは純血を重んじているからだ。
ミアータ達はまず最初に赤子のヘイを殺そうとした。
しかし、龍が暴れ、兵士達をなぎ倒した。
兵士達が龍が暴れ、混乱した隙に父親と母親はその場を離れた。
でも、やはりどれだけ逃げても逃げ切れなかった。
「もうダメだな。」
父親と母親は悟った。
しかし、我が子だけでも生きて欲しい。
その願いは叶うかはわからない。
母親は龍を呼んだ。
龍はゆっくり近づく。
龍は母親からヘイを託された。
龍は驚いた。
しかし、兵士達はすぐそこまで近づいていた。
龍はヘイを咥え、逃げた。
主とその番を見捨てて。
懐かしい火の爆ぜる音でヘイは目を覚ました。
パラメでは蝋燭に火をつけるため、薪が爆ぜる音はしない。
周りを見渡すと大きなテントの中に自分が寝かされているとこがわかった。
「起きたか?」
火の向こう側にいた人物が声をかけられた。
「あぁ、起き上がらなくていい。」
その人物は先程、自分を気絶させた人物だとわかった。
「あぁ、手荒ですまなかった。」
「…。」
ヘイはやっとの思いで起き上がり、周りを見回す。
ヘイと女兵士のみがこのテント内にはいるようだ。
「ここは今ダース山脈の中腹だ。」
ヘイはどこかわからなかった。
「お前はミアータの人間だろ?なぜ、あの宗教都市にいた?」
ヘイは首を横に振る。
口を塞がれているわけではないが、ヘイは口が聞けない。
それ故に彼女に話してやれない。
「まぁ良いだろう。私の名は。ここで奇襲部隊長をしている。」
ヘイは驚き、彼女を見た。
「どうした?」
ヘイは首を横に振る。
「まぁ日にちはいくらでもある。集落の中は好きにしろ。」
そういうとは出ていった。
ヘイは彼女を見送ったあと、少し考え込み、テントの外を覗いた。
外には人がたくさんおり、また夜だったようでそこら中に松明があり、自分が今入っている様なテントがいっぱいあるのだ。
「…。」
ヘイはここはどこで宗教都市までどのくらいの距離なのかを探りたかったが、自分が話せず、誰とも会話できないことに改めて不便だと感じるようになった。
バサッバサッ
羽音とは違い、力強く何かが羽ばたいている?音がした。
ヘイはその音が気になり、覗くことを止めて、外へと出た。
外に出ると人々が先程の音がした方向を向く。
その方向を向くが、手前にテントがあり、よく見えないが、他の場所より松明の数が多い場所の様でその方向は明るかった。
「龍が帰ってきたのか?」
「その様だな。」
人々がそう話している。
ヘイは龍が気になり、覗きに行くことにした。
龍がいるであろう場所の手前のテントを周り、その場所を覗くと龍は本当にいた。
爬虫類のような皮膚に大きな翼、長い首は暇そうにいちらこちらを見ているのかグイグイと動き、周りを見渡している。
ヘイは気になり、テントから離れ、龍の方へ近寄った。
すると龍はヘイに気づき、ヘイをじっと見つめる。
すると龍は少驚いた表情をしているのか目を真ん丸にした。
『お前は?』
脳に直接語りかけてくる。
「…。」
ヘイは黙る。
自分が話せないと言うことを伝えることすらできないのだ。
『そうか、お前は話せないのか。』
龍は納得したように頷いた。
『大丈夫だ。お前の言いたいことはわかる。』
ヘイは龍をじっと見つめる。
『そうか、やはりお前はあの時の赤子か。』
ヘイは首をかしげた。
そして、心の中でヘイは龍に問いかけた。
なぜ自分がわかるのかと。
『お前は自分が何者かもわからないのか?』
ヘイは頷く。
『わかった教えてやろう。お前のことを』
龍はそう言い、目を細めた。
ヘイはミアータの龍使いの家に産まれた。
父親は龍使い。
母親は世界各地を旅しながら吟遊詩人をしていた。
彼女は目が不自由だった。
ある日、森に迷い混んでしまった母親は大きな木の根本につまづき、足を挫いてしまった。
母親はどうして良いかわからず、途方にくれていたところ、この話をしている龍が見つけたらしい。
龍は父親とたまたま獲物を森に追い込み探しているときだったらしい。
森は広く、どこへ入り込んだかわからなかったため、お互いに別のところを探していたときに母親を見つけた龍は父親を呼び、彼女を手当をしたらしい。
そして、父親はミアータに帰らず、母親と旅をすることになった。
父親はミアータであることを隠した。
母親は目が見えず、自分のことをただの青年だと思ってくれていたから。
母親は一人では旅は限界だと感じていたらしく、どこか定住できるところを探していたらしい。
父親はミアータから離れ、母親と旅をすることを決めた。
龍に関しては仲間のところへ帰そうとした父親を蹴飛ばし、着いていったそうだ。
そして、その後、ヘイが産まれた。
ヘイはミアータの黒い肌は受け継いでおらず、日に焼けたような浅黒い肌だった。
特有の黄色い目も受け継いでおらず、茶色い目をしていた。
子供は安全だろうと父親は安心した。
父親と母親は幸せだった。
しかし、ミアータは甘くない。
ミアータは仲間が1ヶ月戻らない場合、捜索する。
もしそこで戻らないと意思を示した場合、殺すのが掟だった。
父親と母親の腕の中の子供を見て、ミアータの民は驚いた。
なぜならば、ミアータは純血を重んじているからだ。
ミアータ達はまず最初に赤子のヘイを殺そうとした。
しかし、龍が暴れ、兵士達をなぎ倒した。
兵士達が龍が暴れ、混乱した隙に父親と母親はその場を離れた。
でも、やはりどれだけ逃げても逃げ切れなかった。
「もうダメだな。」
父親と母親は悟った。
しかし、我が子だけでも生きて欲しい。
その願いは叶うかはわからない。
母親は龍を呼んだ。
龍はゆっくり近づく。
龍は母親からヘイを託された。
龍は驚いた。
しかし、兵士達はすぐそこまで近づいていた。
龍はヘイを咥え、逃げた。
主とその番を見捨てて。
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