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四章 一年目はるの月
52 はるの月30日、花まつり⑥
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花まつりは、恋愛において大事なイベントである。女神への感謝なんて口実で、本当は若者たちの出会いの場だったり、告白やプロポーズを促す絶好の機会なのだ。
「私は女主人公なのに、ここでひとりぼっち。それって、おかしくない?」
やはり、バグか。バグなのか。
ムムムと眉間にしわを寄せて考え込むイーヴィンの脳裏に、ふと女神の台詞が蘇った。
『気をつけてくださいね?解除したということは、皆さまの気持ちが加速するということ。恋が愛になるのはあっという間ですわ』
「……もしかして、私のせい?」
ローナンとリサが約束しているのも、モアがファーガルを誘うのも、ハリーファが島を去るのも、ゲームの中ではなかった展開だ。
ゲームではイーヴィンやリアンが最優先に選択肢を与えられていたが、女神の言うブレーキとやらが解除されて、婿候補と嫁候補がそれぞれの恋をしたのならーー待ち受けてるのは、一生独身という残酷な現実である。
「嘘……私、まさかの独身エンド?」
ハーモニーハーベストシリーズの新作で、うっかり者が陥るという、独身エンド。
どんなうっかりさんがなるんだと前世では笑っていたものだが、まさか自分がなるとはイーヴィンは思いもしなかった。
しかも、イーヴィンのせいでリアンまで道連れになりかけている。彼にはもう、魔女しかいない。
「どうしよう……なんか、急に寂しくなってきた……」
この世界の人生において、結婚相手にさほどこだわっていなかったツケが、ここにきたのかもしれない。
ローナン、ファーガル、ハリーファ。誰と結婚しても悪くないと、高を括っていたのがいけなかった。
一生独身というまさかの事態に、イーヴィンは打ちひしがれる。
「前世の世界ではさ、独身もわりといたよ?でも、この世界で独身って……ないわぁ。お母さんに知られたら、婿を送り込まれかねない」
とりあえず、母には当たり障りない手紙を送ることにして、問題は婿候補がいないことである。
「うーん……女神様に相談するしかないかなぁ」
「おーい!イーヴィン!花撒き終わっちまうぞー!」
遠くの櫓の上から、花や菓子を撒いていたリアンが、叫んでいる。
それどころじゃないのにと思いながらも、弟みたいに思っているリアンの誘いを無碍にもできず、イーヴィンはハイハイと腰を上げて、花撒きへ参戦したのだった。
「私は女主人公なのに、ここでひとりぼっち。それって、おかしくない?」
やはり、バグか。バグなのか。
ムムムと眉間にしわを寄せて考え込むイーヴィンの脳裏に、ふと女神の台詞が蘇った。
『気をつけてくださいね?解除したということは、皆さまの気持ちが加速するということ。恋が愛になるのはあっという間ですわ』
「……もしかして、私のせい?」
ローナンとリサが約束しているのも、モアがファーガルを誘うのも、ハリーファが島を去るのも、ゲームの中ではなかった展開だ。
ゲームではイーヴィンやリアンが最優先に選択肢を与えられていたが、女神の言うブレーキとやらが解除されて、婿候補と嫁候補がそれぞれの恋をしたのならーー待ち受けてるのは、一生独身という残酷な現実である。
「嘘……私、まさかの独身エンド?」
ハーモニーハーベストシリーズの新作で、うっかり者が陥るという、独身エンド。
どんなうっかりさんがなるんだと前世では笑っていたものだが、まさか自分がなるとはイーヴィンは思いもしなかった。
しかも、イーヴィンのせいでリアンまで道連れになりかけている。彼にはもう、魔女しかいない。
「どうしよう……なんか、急に寂しくなってきた……」
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一生独身というまさかの事態に、イーヴィンは打ちひしがれる。
「前世の世界ではさ、独身もわりといたよ?でも、この世界で独身って……ないわぁ。お母さんに知られたら、婿を送り込まれかねない」
とりあえず、母には当たり障りない手紙を送ることにして、問題は婿候補がいないことである。
「うーん……女神様に相談するしかないかなぁ」
「おーい!イーヴィン!花撒き終わっちまうぞー!」
遠くの櫓の上から、花や菓子を撒いていたリアンが、叫んでいる。
それどころじゃないのにと思いながらも、弟みたいに思っているリアンの誘いを無碍にもできず、イーヴィンはハイハイと腰を上げて、花撒きへ参戦したのだった。
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