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夢
戸惑いと期待
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青銀を纏う少年はその日、いつものように自分だけの夢の空間に閉じこもっていた。
小さな体に有り余る魔力を持て余し、物心つくときにはすでに、自分だけの夢の空間を作り上げ、魔力を発散させていた。
それでも時折暴走し、精鋭魔導士数人で抑えられたことは数えきれない。
つい先日も、近くにいた侍女に怪我をさせてしまった。
彼の近くにいるものは、巻き込まれた際のために防御魔道具を常に身につけているが、それでも無意識に傷つけてしまうほど、彼の魔力は圧倒的だった。
人を傷付けることしかできない、怖がらせてしまう。
そんな自身の魔力を嫌いながらも、しかし一方でその魔力に寄ってくる心優しい精霊たちを好いていた。
しかし彼らは人間ではなく。彼の苦悩は誰にも伝わることなく、この夢の中で霧散していた。
今日も同じように、精霊たちと戯れながらいらぬ魔力を発散していると、精霊たちがいつもと様子が違うように騒ぎ出した。
そして彼の心もなぜか、締め付けられるような懐かしさを感じ、彼しかいないはずの夢の丘に感じる何かに惹きつけられていた。
それは彼に、戸惑いと、しかし同類かもしれぬという期待を感じさせるもの。彼と同じ年頃の少女であった。
小さな体に有り余る魔力を持て余し、物心つくときにはすでに、自分だけの夢の空間を作り上げ、魔力を発散させていた。
それでも時折暴走し、精鋭魔導士数人で抑えられたことは数えきれない。
つい先日も、近くにいた侍女に怪我をさせてしまった。
彼の近くにいるものは、巻き込まれた際のために防御魔道具を常に身につけているが、それでも無意識に傷つけてしまうほど、彼の魔力は圧倒的だった。
人を傷付けることしかできない、怖がらせてしまう。
そんな自身の魔力を嫌いながらも、しかし一方でその魔力に寄ってくる心優しい精霊たちを好いていた。
しかし彼らは人間ではなく。彼の苦悩は誰にも伝わることなく、この夢の中で霧散していた。
今日も同じように、精霊たちと戯れながらいらぬ魔力を発散していると、精霊たちがいつもと様子が違うように騒ぎ出した。
そして彼の心もなぜか、締め付けられるような懐かしさを感じ、彼しかいないはずの夢の丘に感じる何かに惹きつけられていた。
それは彼に、戸惑いと、しかし同類かもしれぬという期待を感じさせるもの。彼と同じ年頃の少女であった。
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