柳枝✖朱希

高梨美波

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二人暮らし 1話

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4月下旬、朱希は
大量の荷物を抱え
都内のとある
ボロアパートの
一室の前にいた
部屋の表札には
『渋澤』とある。

(僕の名前は、相良朱希(さがら あき)
つい先月高校を卒業したばかりです
僕は、今日から、この部屋で
恋人の柳ちゃんと
2人で暮らします)

(ピンッポーン)

一旦手荷物を降ろし

チャイムを鳴らす朱希

すぐに扉が開き

住人、渋澤柳枝が

顔を出した。

『朱希!待ってたよ~♪
これから一緒に住むんだから
「おかえり」で良いよね?
おかえり。入って』

と言った柳枝は

朱希の荷物に目を丸くして

言う

『どうしたの、また凄い量の
荷物だね。朱希って自分の荷物
そんなに持ってたんだぁ?』

朱希は再び荷物を持ち

苦笑しながら言う

『た…ただいま…柳ちゃん
これから、よろしく
う、うん…必要な物は全部
持ってきちゃったから
ごめんね』

謝られた柳枝は笑顔で答えた

『何で謝んの?
ま、いいや
とにかく入って』と

言いながら自主的に

朱希の荷運びを手伝う

しばらくして、全ての荷物が

部屋に納まった。

2人はお茶を飲んでいる

『ごめんね柳ちゃん
僕の荷物だったのに
手伝って貰っちゃって』

(柳ちゃんは、僕の高校時代の
一個上の先輩です
柳枝だから、柳ちゃん
僕が1年生の時から
付き合ってます。)

柳枝は笑顔を絶やさない

『良いよ別に。ねぎらわせてよ
それに、今に始まったことじゃないけど
朱希は何でもかんでも謝りすぎだよ
悪くないのに、どうして謝んの?』

そう言って、手を伸ばし

朱希の頭を撫でる

『う、うん…ありがとう
なんかね…色々間違ったこと
言ったりしちゃってる気がして…』

撫でられ嬉しそうな朱希

『ははっ。何それ?気負いすぎ
そんなに気使ってたら
人間関係疲れるだけでしょ?
もっと気楽に生きなよ』

『うん…』

なんだかあまり

元気がない朱希を見て

柳枝が気遣いの一言

『どうしたの?朱希。疲れた?
それとも、まだ緊張してるのかなぁ?』

頬を染めて返す朱希

『き、緊張…これから、柳ちゃんと
2人で…って思ったら//』

柳枝は笑う

『リラックス、リラックス
朱希は受験勉強に
集中しなきゃでしょ~?』

朱希は途端に涙目になる

『う~…柳ちゃん
今日着いたばかりなのに
受験の話はしないでよ』

柳枝は、朱希のおでこに

キスを落とし、謝る

『ごめんね。でも
大事なことだからさ
それで?良い大学決まった?』

朱希は頷く

『僕ね…また、柳ちゃんの
後輩になりたい。だから、今
柳ちゃんが通ってる大学に
入りたいんだ』

『そっかぁ。なら、オレも
出来る限り協力するよ
勉強教えてあげたり』

朱希も笑顔を浮かべる

『ありがとう。柳ちゃん
僕、頑張るね。ご飯も、これからは
僕が作るから』

柳枝は喜んでいる

『わーい。朱希の作るご飯
オレ好きだなぁ~』

朱希は照れる

『で、でも、柳ちゃんも
今まで自炊してたんでしょ?
だから…もちろん基本は
僕が作るけど、もし体調
崩したりした時はお願いね?』

柳枝は一瞬困ったような顔をする

『「自炊」』って言っても
ご飯炊くくらいだよ?あとは
作っても野菜炒めか目玉焼き
ウィンナーくらい。他は今は
レンチンで食べれる惣菜が
結構あるからね』

柳枝の食生活を
把握した朱希

『そうなんだ。凄いよ柳ちゃん
何もしたことないって
言ってたのに』

ドヤ顔を浮かべる柳枝

『でしょー?
オレだってやれば
出来るんだからねぇ~』

朱希は笑って

緊張が解けたようで

荷解きを始める。

『手伝っても良い?』と

聞く柳枝

朱希は頷く

『うん。ありがとう
同じものを箱に詰めてきたから
そんなに時間はかからないと思うよ』

箱を開けて、中を見た柳枝

『相変わらず
凄い几帳面だねぇ君は』と

思ったままに言い

朱希は苦笑する

『ん~、っていうか
最初に分けておいたら
後々楽だしね』

『そっか』

二人で話をしながら

暫くして荷解きが終わる

綺麗になった部屋を見渡す朱希

『ありがとう柳ちゃん
おかげで、あっという間に
終わったよ。あ、お茶おかわりする?
コーヒー飲む?』

柳枝は手を洗いながら答える

『朱希は座ってなよ。お茶と
コーヒーどっちが良いの?』

手を洗うため

柳枝の後ろに

立ち、袖を捲る朱希

『僕はお茶で。
でも淹れるよ、僕が。だから
柳ちゃんは座ってて』

柳枝は朱希の頭を軽く
コツンと叩き言う

『さっき「ねぎらわせて」って
オレ言ったよねぇ?あーき?』

朱希は頭を撫でながら答える

『う…うん。言った…
ありがとう』

『はい、合格
良く言えました♪』

言いながらお茶を淹れる

柳枝の隣で朱希は

手を洗い、座る

『はい』

二人分お茶を出す柳枝

『ありがとう♪』

暫くして湯呑みを片付け洗い

朱希は夕食を作った

『いただきます』

揃って挨拶し、食べる2人

『うん♪やっぱり朱希の作る
ご飯は美味い。レトルトも
いいけど、やっぱり家庭料理だよね
これからは帰りを待って
作ってくれる人がいる。
オレ幸せだなぁ~』

にやける柳枝に朱希は呆れ

『お、大げさだよ柳ちゃん
それにヨダレ垂れるよ?』

慌てて垂れかけた

ヨダレを吸い上げる柳枝

『ごめんごめん
あんまり嬉しくって
1人の家に帰って来るのって
時々虚しかったんだ』と言う

『もー…しょうがないなぁ』と

朱希は呆れている

その後一緒に入浴し

布団をピッタリくっつけて敷くと

中には入らず上に座り

『朱希。キス、しよっか』と

柳枝は誘う

頬を染め誘いに乗る朱希

『う//うん//』

柳枝の隣に座る

(ちゅっ)

唇を重ねる2人

その後柳枝は

朱希を仰向けに押し倒し

パジャマの上着を押し上げる

途端に赤面する朱希

『き、急に何するの~?
柳ちゃん//』

『何って?朱希の
だーい好きな事だよ~?』と

柳枝は笑顔を浮かべている

『お、お願い//』

朱希の猫なで声が

柳枝の耳を刺激した

胸板を中心に

朱希の体に集中的に

キスしたり

乳首を吸ったりする柳枝

朱希は柳枝に身を任せ

受け入れて、時々喘いでいる

その喘ぎ声は、さらに

柳枝を刺激した

暫くイチャイチャした2人

パジャマを下ろした

朱希はまだ赤面している

それを見て笑う柳枝

『いい加減慣れなよ、朱希
これから毎晩だよ?』

朱希は驚いて答える

『え~?柳ちゃんが
疲れてても?』

『当然。だって朱希が
オレの癒しだから♪』

そういうと、突然ぎゅうっと

抱きしめ、朱希の唇に

キスする柳枝

『…ん。んぅ…』

落ち着きかけた朱希の頬が

再び染まる

水音をたて、離れる唇

見つめ合う2人

『じゃあ…そろそろ
寝よっか』

『うん。おやすみ』

そして2人は仲良く

手を繋いで就寝した
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