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29話:デジタルの嵐、あるいは錆びついた守護者
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1. 未踏の旅路
住み慣れたショッピングモールの拠点を背にしてから、三日が過ぎた。
私たちのブーツは、すでに新しい種類の泥――赤土と腐葉土が混ざり合った粘り気のある土――にまみれ、呼吸するたびに、知らない土地の濃密な緑の臭いが肺を満たしていた。
「……地図と違うな。ここの街道、完全に森に飲み込まれて消滅してるぞ」
先頭を歩くカイが、戦前の観光用ガイドマップと、オイルコンパスを交互に見比べて眉をひそめる。
私たちの目の前には、アスファルトを突き破って異常成長した巨木の根が、まるで編み込まれた巨大な壁のように立ちはだかっていた。その樹皮は、どこか幾何学的な模様を描いており、葉脈には微かに青い光が流れている。箱舟のデータ由来の植物特有の変異だ。
「迂回しましょう。正面突破はチェーンソーがあっても無理だわ」
「リナ、足場はどう?」
私が問うと、斥候として先行していたリナが、岩場の高い位置から手を振った。
「うーん、右側の斜面なら登れそう! 蔦が丈夫だし、足場も固まってる!」
彼女は軽快に岩場を駆け上がり、まるで野生動物のような身軽さで手招きをする。
私はリュックのサイドポケットから、書きかけの「攻略本(ノート)」とボールペンを取り出し、走り書きをした。
『エリア11の旧国道4号線は通行不能。巨大化した変異植物の根がバリケード化している。切断は困難。推奨ルートは北東の岩壁斜面へ』
不便だ。
かつての私なら、視界(UI)に瞬時に最適ルートが赤いラインで表示され、障害物の耐久値も透過スキャンで見えただろう。
気温、湿度、疲労度、目的地までの予想タイム。それら全ての情報が失われた今、頼れるのは自分の目と、肌感覚と、仲間との声かけだけだ。
でも、自分たちの足で土を踏みしめ、迷いながら道を探すこの感覚は悪くない。
私たちは今、システムのレールに誘導されるわけでもなく、自分たちの意志で、未踏の荒野を進んでいるのだから。
2. 2. 空のノイズ
その日の午後、風の匂いが唐突に変わった。
湿った土や草いきれの匂いに混じって、焦げ付いたような鋭い金属臭――電子回路がショートしたときのような、オゾンの臭いが鼻をついた。
腕の産毛が逆立つような、静電気のビリビリとした感覚。
「おい、空を見ろ」
カイの低く緊張した声が走る。
見上げた空は、異様だった。
鉛色の雲が渦巻いているのだが、その輪郭が滑らかではない。
カクカクとした四角いピクセル状のモザイクがかかり、解像度の低い画像のように空が歪んでいる。
そして、雲の裂け目からは、自然界にはありえない毒々しい紫色の稲妻が、不規則なリズムで走っていた。
バリバリバリッ……ブツンッ!
ゴロゴロという雷鳴ではない。巨大なスピーカーがハウリングを起こしたような、あるいは通信が途絶えた時のノイズのような、耳障りな電子音が大気を震わせた。
「普通の嵐じゃない……!」
私は肌で感じた。あれは気圧配置によって起きる自然現象ではない。
世界が強制的に書き換わった時の歪み、システムが処理しきれなかった残留エラーデータが、局地的な気象異常として具現化しているのだ。
「『気象バグ』だ! 走れ! あれに巻き込まれたらタダじゃ済まないぞ! 物理法則ごとミンチにされる!」
3. 質量のある雨
ポツリと何かが頬に当たった。
「痛っ!?」
私は思わず頬を押さえた。水滴の冷たさではない。小さな静電気の塊が弾けたような、熱を帯びた痛み。
指先を見ると、かすかに火傷の跡ができている。
次の瞬間、空が崩落した。
ザァァァッ!!
降ってきたのは水ではなかった。青白く発光する、半透明なノイズの礫(つぶて)だ。
それは物理的な質量を持っており、地面に当たるとジジッと音を立てて小さなクレーターを作り、火花を散らして消える。
「うわわっ、雹(ひょう)!? 熱い、熱いって!」
リナがリュックを頭に乗せて悲鳴を上げる。彼女の服が、火の粉を浴びたように焦げる。
「高エネルギー体の落下だ! 直撃したら感電死するぞ!」
カイが叫び、自分のジャケットを広げて私を庇う。
視界が激しく明滅する。
重力が不安定になり、足がふわりと浮いたかと思えば、次の瞬間には鉛のように重くなり、膝が地面にめり込む。
物理法則が局所的にバグっている。上下左右の感覚さえ狂いそうだ。
管理者権限(アドミン)の守りがない生身の体には、この「デジタルの嵐」はあまりにも過酷すぎた。
「隠れる場所を! 岩陰でも、洞窟でも何でもいい!」
私は目を細め、光の暴雨の中を必死に探した。
前方に、巨大な黒い影が見える。
自然の岩山か? いや、直線的すぎる。あれは人工的なシルエットだ。
「あそこへ! あの影の下に潜り込むのよ!」
4. 鉄の墓標
私たちは降り注ぐノイズの礫に焼かれながら、泥まみれになってその巨大な影の下へと滑り込んだ。
分厚い装甲板が、頭上でカンカン、ジジジ……と高い音を立てて「死の雨」を弾いてくれる。
「はぁ、はぁ……助かった……」
私たちは泥だらけで身を寄せ合い、荒い息を整えた。
目が暗がりに慣れてくると、私たちが一体「何の下」に隠れているのかが分かってきた。
巨大なキャタピラ。
ビル一つ分はありそうな鋼鉄の胴体。
そして、胸部に描かれた、今は亡き歴史管理局のエンブレム。
それは、かつて私たちを執拗に追いかけ回し、圧倒的な火力で都市を焼き払った殺戮兵器――「旧式ガーディアン」の残骸だった。
カイがペンライトを向ける。
かつては威圧的な銀色に輝いていた装甲は、今や赤錆に覆われ、厚い苔の衣をまとっている。
不気味に赤く光っていた駆動ランプ(アイカメラ)は砕け散り、関節の隙間からは太い植物の蔓が這い出し、大地と一体化するように根を張っている。
「こいつ……動かないよな? いきなり『ターゲット確認』とか言わないよな?」
リナが恐る恐る、錆びた装甲をコンコンと叩く。虚しい金属音が返ってくるだけだ。
「ああ。完全に機能停止してる。動力炉も冷え切ってる。数十年、いやもっと前から、ただの鉄塊としてここに鎮座しているみたいだ」
カイが診断を下す。
かつては恐怖の象徴だった鉄の巨人が、今はただの雨宿りの屋根になっている。
私たちを殺そうとした腕が、今は私たちを嵐から守っている。
その皮肉な事実に、私は奇妙な安堵と、途方もない時間の流れを感じずにはいられなかった。
5. 硝煙と鳥の巣
一時間ほどが過ぎた頃だろうか。
嵐は嘘のように唐突に止み、雲の切れ間から鮮やかな夕陽が差し込んできた。
降り注いでいたノイズの砂礫は蒸発し、空気中には焦げたようなオゾンの匂いだけが残っている。
「行こう。暗くなる前にキャンプできる場所を探さないと」
私たちはガーディアンの下から這い出た。
夕陽が、濡れた森と錆びた巨体を黄金色に染めている。
ふと、私は振り返った。
光を浴びたガーディアンの頭部。かつて数多の人間を焼き尽くす殺人レーザーを放っていた、その主砲の砲口に、何かが動くのが見えた。
「あれ……」
そこには、枯れ草と小枝、そして光ファイバーの切れ端で作られた、小さな鳥の巣があった。
親鳥が餌を運び、ピーピーと元気よく鳴く三羽の雛たちが、黄色い口を開けている。
最強の兵器の残骸が、今は小さな命を育む揺りかごになっていた。
「……ふふっ」
私は思わず笑みをこぼした。肩の力が抜けていく。
リナもそれを見て、目を丸くし、そして優しく微笑んだ。
「あんなに怖かったのに、今はただの大きな植木鉢だね」
「そうだな。こいつも、やっと役目を終えて休めてるんだろうよ。……いい余生だ」
カイが短く呟き、背のうを担ぎ直す。
私は、錆びついた鉄の足にそっと手を触れた。
冷たくて、ざらついていて、そして動かない静寂があった。
「お疲れ様。……私たちを守ってくれて、ありがとう」
私はかつての敵に別れと感謝を告げ、前を向いた。
丘の向こうに、細く棚引く煙が見える。
無線で話した生存者たちの街、「リバーサイド・コロニー」は、もうすぐそこだ。
私たちの旅は、まだ始まったばかり。
リュックからノートを取り出し、新しいページを開く。
私は歩きながら、ボールペンを走らせた。
『エリア12:突発的な気象バグ(デジタル嵐)に注意。
ただし、森の中には錆びた守り神がいる。彼らはもう、誰も傷つけない』
住み慣れたショッピングモールの拠点を背にしてから、三日が過ぎた。
私たちのブーツは、すでに新しい種類の泥――赤土と腐葉土が混ざり合った粘り気のある土――にまみれ、呼吸するたびに、知らない土地の濃密な緑の臭いが肺を満たしていた。
「……地図と違うな。ここの街道、完全に森に飲み込まれて消滅してるぞ」
先頭を歩くカイが、戦前の観光用ガイドマップと、オイルコンパスを交互に見比べて眉をひそめる。
私たちの目の前には、アスファルトを突き破って異常成長した巨木の根が、まるで編み込まれた巨大な壁のように立ちはだかっていた。その樹皮は、どこか幾何学的な模様を描いており、葉脈には微かに青い光が流れている。箱舟のデータ由来の植物特有の変異だ。
「迂回しましょう。正面突破はチェーンソーがあっても無理だわ」
「リナ、足場はどう?」
私が問うと、斥候として先行していたリナが、岩場の高い位置から手を振った。
「うーん、右側の斜面なら登れそう! 蔦が丈夫だし、足場も固まってる!」
彼女は軽快に岩場を駆け上がり、まるで野生動物のような身軽さで手招きをする。
私はリュックのサイドポケットから、書きかけの「攻略本(ノート)」とボールペンを取り出し、走り書きをした。
『エリア11の旧国道4号線は通行不能。巨大化した変異植物の根がバリケード化している。切断は困難。推奨ルートは北東の岩壁斜面へ』
不便だ。
かつての私なら、視界(UI)に瞬時に最適ルートが赤いラインで表示され、障害物の耐久値も透過スキャンで見えただろう。
気温、湿度、疲労度、目的地までの予想タイム。それら全ての情報が失われた今、頼れるのは自分の目と、肌感覚と、仲間との声かけだけだ。
でも、自分たちの足で土を踏みしめ、迷いながら道を探すこの感覚は悪くない。
私たちは今、システムのレールに誘導されるわけでもなく、自分たちの意志で、未踏の荒野を進んでいるのだから。
2. 2. 空のノイズ
その日の午後、風の匂いが唐突に変わった。
湿った土や草いきれの匂いに混じって、焦げ付いたような鋭い金属臭――電子回路がショートしたときのような、オゾンの臭いが鼻をついた。
腕の産毛が逆立つような、静電気のビリビリとした感覚。
「おい、空を見ろ」
カイの低く緊張した声が走る。
見上げた空は、異様だった。
鉛色の雲が渦巻いているのだが、その輪郭が滑らかではない。
カクカクとした四角いピクセル状のモザイクがかかり、解像度の低い画像のように空が歪んでいる。
そして、雲の裂け目からは、自然界にはありえない毒々しい紫色の稲妻が、不規則なリズムで走っていた。
バリバリバリッ……ブツンッ!
ゴロゴロという雷鳴ではない。巨大なスピーカーがハウリングを起こしたような、あるいは通信が途絶えた時のノイズのような、耳障りな電子音が大気を震わせた。
「普通の嵐じゃない……!」
私は肌で感じた。あれは気圧配置によって起きる自然現象ではない。
世界が強制的に書き換わった時の歪み、システムが処理しきれなかった残留エラーデータが、局地的な気象異常として具現化しているのだ。
「『気象バグ』だ! 走れ! あれに巻き込まれたらタダじゃ済まないぞ! 物理法則ごとミンチにされる!」
3. 質量のある雨
ポツリと何かが頬に当たった。
「痛っ!?」
私は思わず頬を押さえた。水滴の冷たさではない。小さな静電気の塊が弾けたような、熱を帯びた痛み。
指先を見ると、かすかに火傷の跡ができている。
次の瞬間、空が崩落した。
ザァァァッ!!
降ってきたのは水ではなかった。青白く発光する、半透明なノイズの礫(つぶて)だ。
それは物理的な質量を持っており、地面に当たるとジジッと音を立てて小さなクレーターを作り、火花を散らして消える。
「うわわっ、雹(ひょう)!? 熱い、熱いって!」
リナがリュックを頭に乗せて悲鳴を上げる。彼女の服が、火の粉を浴びたように焦げる。
「高エネルギー体の落下だ! 直撃したら感電死するぞ!」
カイが叫び、自分のジャケットを広げて私を庇う。
視界が激しく明滅する。
重力が不安定になり、足がふわりと浮いたかと思えば、次の瞬間には鉛のように重くなり、膝が地面にめり込む。
物理法則が局所的にバグっている。上下左右の感覚さえ狂いそうだ。
管理者権限(アドミン)の守りがない生身の体には、この「デジタルの嵐」はあまりにも過酷すぎた。
「隠れる場所を! 岩陰でも、洞窟でも何でもいい!」
私は目を細め、光の暴雨の中を必死に探した。
前方に、巨大な黒い影が見える。
自然の岩山か? いや、直線的すぎる。あれは人工的なシルエットだ。
「あそこへ! あの影の下に潜り込むのよ!」
4. 鉄の墓標
私たちは降り注ぐノイズの礫に焼かれながら、泥まみれになってその巨大な影の下へと滑り込んだ。
分厚い装甲板が、頭上でカンカン、ジジジ……と高い音を立てて「死の雨」を弾いてくれる。
「はぁ、はぁ……助かった……」
私たちは泥だらけで身を寄せ合い、荒い息を整えた。
目が暗がりに慣れてくると、私たちが一体「何の下」に隠れているのかが分かってきた。
巨大なキャタピラ。
ビル一つ分はありそうな鋼鉄の胴体。
そして、胸部に描かれた、今は亡き歴史管理局のエンブレム。
それは、かつて私たちを執拗に追いかけ回し、圧倒的な火力で都市を焼き払った殺戮兵器――「旧式ガーディアン」の残骸だった。
カイがペンライトを向ける。
かつては威圧的な銀色に輝いていた装甲は、今や赤錆に覆われ、厚い苔の衣をまとっている。
不気味に赤く光っていた駆動ランプ(アイカメラ)は砕け散り、関節の隙間からは太い植物の蔓が這い出し、大地と一体化するように根を張っている。
「こいつ……動かないよな? いきなり『ターゲット確認』とか言わないよな?」
リナが恐る恐る、錆びた装甲をコンコンと叩く。虚しい金属音が返ってくるだけだ。
「ああ。完全に機能停止してる。動力炉も冷え切ってる。数十年、いやもっと前から、ただの鉄塊としてここに鎮座しているみたいだ」
カイが診断を下す。
かつては恐怖の象徴だった鉄の巨人が、今はただの雨宿りの屋根になっている。
私たちを殺そうとした腕が、今は私たちを嵐から守っている。
その皮肉な事実に、私は奇妙な安堵と、途方もない時間の流れを感じずにはいられなかった。
5. 硝煙と鳥の巣
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嵐は嘘のように唐突に止み、雲の切れ間から鮮やかな夕陽が差し込んできた。
降り注いでいたノイズの砂礫は蒸発し、空気中には焦げたようなオゾンの匂いだけが残っている。
「行こう。暗くなる前にキャンプできる場所を探さないと」
私たちはガーディアンの下から這い出た。
夕陽が、濡れた森と錆びた巨体を黄金色に染めている。
ふと、私は振り返った。
光を浴びたガーディアンの頭部。かつて数多の人間を焼き尽くす殺人レーザーを放っていた、その主砲の砲口に、何かが動くのが見えた。
「あれ……」
そこには、枯れ草と小枝、そして光ファイバーの切れ端で作られた、小さな鳥の巣があった。
親鳥が餌を運び、ピーピーと元気よく鳴く三羽の雛たちが、黄色い口を開けている。
最強の兵器の残骸が、今は小さな命を育む揺りかごになっていた。
「……ふふっ」
私は思わず笑みをこぼした。肩の力が抜けていく。
リナもそれを見て、目を丸くし、そして優しく微笑んだ。
「あんなに怖かったのに、今はただの大きな植木鉢だね」
「そうだな。こいつも、やっと役目を終えて休めてるんだろうよ。……いい余生だ」
カイが短く呟き、背のうを担ぎ直す。
私は、錆びついた鉄の足にそっと手を触れた。
冷たくて、ざらついていて、そして動かない静寂があった。
「お疲れ様。……私たちを守ってくれて、ありがとう」
私はかつての敵に別れと感謝を告げ、前を向いた。
丘の向こうに、細く棚引く煙が見える。
無線で話した生存者たちの街、「リバーサイド・コロニー」は、もうすぐそこだ。
私たちの旅は、まだ始まったばかり。
リュックからノートを取り出し、新しいページを開く。
私は歩きながら、ボールペンを走らせた。
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