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第6殺 #1
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「後藤、仁ノ宮、宮森、今日はこの三人。」
日も登らない早朝、誰にも聞こえない声で私はそう呟いた。
この姿になって何年経つだろうか。
今年で殺しも何年目になるだろうか。
どうやらこの世界は生きている人間とそうじゃない人間は時間の進み方が違うらしい。
だから、私の同級生なんかはみんな成人しているのに、私の感覚はまだ半年にも満たない。
私は卒業式の日、全員がこちらを見ている中で自分の腹をナイフで刺した。
それからというもの、霊となった私はいじめを受け苦しめられた思いを胸に、クラスメイトを順々に殺している。
今日のターゲットは3人だった。
当時その3人は私の私物を奪っては壊し、汚し、終いには衣服までビリビリに破いた。
そんなことが何回も続いた。
当時の思いが蘇ると、自然とナイフを握った手に力が入る。霊になった日から何故か右手から離れないこのナイフはまるで私の殺意を表しているかのようだった。
まず一人目、後藤 賢(ごとう けん)。性別、男。職、公務員。
二人目、仁ノ宮 大(にのみや だい)。性別、男。職、ドライバー。
三人目、宮森 琴(みやもり こと)。性別、女。職、デザイナー。
この三人が今日のターゲットだった。
私はまだ辺りが薄暗い中、最初に役所を目指す。
後藤が呑気に鼻歌など歌いながらこちらに向かってくるので、後ろから向かって行ってナイフで刺した。
同時に引き抜いて、まだ血に染まらない後藤の服でナイフに着いた血を拭った。
次にバスターミナルへ向かった。
到着して当たりを見回すと仁ノ宮がバスに乗り込んだ所だった。
幽霊の特権である通り抜けを使って運転席に入り、今度は頭の頂点目掛けてナイフを思いっきり振り落とした。
目を開けたまま彼は頭から血を流して死んだ。
思った以上に飛び散った血は、わざと残してその場を後にした。
最後の1人。
宮森のデザイン会社は高層ビルがオフィスだった。
私は足早に宮森が働くビルに向かった。
トイレに行った時にでも殺ろうとしたがそれじゃつまらない。
昼に屋上でランチをする噂を耳にした。
その時がチャンスだ。
心を弾ませて屋上にやってきた宮森に向かって、後ろから体を押した。
デザイン重視で安全性の配慮にかけている屋上だったため、いとも簡単に落ちていった。
体は意外と形を保ってはいたが、1部の腕や足の形が酷く変わってしまっていた。
こいつもまた目を開けたまま複数部から血を流して死んだ。
これで今日のタスクは終わった。
何度殺っても殺しは慣れない。だが、これでいい。
暖かい午後の風が優しく頬を撫でた。
空は碧々とし、雲は見えなかった。
巨大なテレビモニターからは、殺人事件があったとの報道が流れていた。
あたりは呆然とする者や、悲鳴をあげる者など様々だった。
「私は、あんたらを殺す。」
私は一言だけ残して、騒然としているビルを去った。
日も登らない早朝、誰にも聞こえない声で私はそう呟いた。
この姿になって何年経つだろうか。
今年で殺しも何年目になるだろうか。
どうやらこの世界は生きている人間とそうじゃない人間は時間の進み方が違うらしい。
だから、私の同級生なんかはみんな成人しているのに、私の感覚はまだ半年にも満たない。
私は卒業式の日、全員がこちらを見ている中で自分の腹をナイフで刺した。
それからというもの、霊となった私はいじめを受け苦しめられた思いを胸に、クラスメイトを順々に殺している。
今日のターゲットは3人だった。
当時その3人は私の私物を奪っては壊し、汚し、終いには衣服までビリビリに破いた。
そんなことが何回も続いた。
当時の思いが蘇ると、自然とナイフを握った手に力が入る。霊になった日から何故か右手から離れないこのナイフはまるで私の殺意を表しているかのようだった。
まず一人目、後藤 賢(ごとう けん)。性別、男。職、公務員。
二人目、仁ノ宮 大(にのみや だい)。性別、男。職、ドライバー。
三人目、宮森 琴(みやもり こと)。性別、女。職、デザイナー。
この三人が今日のターゲットだった。
私はまだ辺りが薄暗い中、最初に役所を目指す。
後藤が呑気に鼻歌など歌いながらこちらに向かってくるので、後ろから向かって行ってナイフで刺した。
同時に引き抜いて、まだ血に染まらない後藤の服でナイフに着いた血を拭った。
次にバスターミナルへ向かった。
到着して当たりを見回すと仁ノ宮がバスに乗り込んだ所だった。
幽霊の特権である通り抜けを使って運転席に入り、今度は頭の頂点目掛けてナイフを思いっきり振り落とした。
目を開けたまま彼は頭から血を流して死んだ。
思った以上に飛び散った血は、わざと残してその場を後にした。
最後の1人。
宮森のデザイン会社は高層ビルがオフィスだった。
私は足早に宮森が働くビルに向かった。
トイレに行った時にでも殺ろうとしたがそれじゃつまらない。
昼に屋上でランチをする噂を耳にした。
その時がチャンスだ。
心を弾ませて屋上にやってきた宮森に向かって、後ろから体を押した。
デザイン重視で安全性の配慮にかけている屋上だったため、いとも簡単に落ちていった。
体は意外と形を保ってはいたが、1部の腕や足の形が酷く変わってしまっていた。
こいつもまた目を開けたまま複数部から血を流して死んだ。
これで今日のタスクは終わった。
何度殺っても殺しは慣れない。だが、これでいい。
暖かい午後の風が優しく頬を撫でた。
空は碧々とし、雲は見えなかった。
巨大なテレビモニターからは、殺人事件があったとの報道が流れていた。
あたりは呆然とする者や、悲鳴をあげる者など様々だった。
「私は、あんたらを殺す。」
私は一言だけ残して、騒然としているビルを去った。
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