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第十七話,勇者祭り、その後
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ジーヴェルと一緒に、勇者祭りの会場へやって来た。全く変装してなかったので、目立つと思っていたが、どこを見ても人集りが凄い。それでいて、俺のコスプレをしている者も多数居て、仮面を着けているものも多く、そんなに目立たなそうだ。カイオスが持たせてくれた仮面を、俺とジーヴェルも着けてみる。
「ルカ様、人がいっぱいで凄いですね。ルカ様の格好をしている人もいっぱい」
ジーヴェルは、嬉しそうにキョロキョロしている。
「そうだな。けど、これだけ人が居たら絶対バレないよな?」
「そうですね。けど、バレても良い気がしますが」
そう言いながら、ジーヴェルはニヤニヤ楽しそうにしている。
「ジーヴェル、最近俺をからかって楽しんでないか?」
「そんなことありませんよ。ただ、せっかくここに勇者ルカ様が居るのに、自慢したくなるじゃないですか。俺はただ、ルカ様が好きなだけですよ」
「ははっ。そうだな、ジーヴェルはずっとそうだったな。疑って悪かった」
「けど……正直なところ、照れてるルカ様をちょっとからかいたくなるのも事実です」
「やっぱり……こら、ジーヴェル!」
「わー! ルカ様が怒ったー」
そう言いながら、ジーヴェルは楽しそうに逃げ回る。そんなジーヴェルを追いかけながら、俺は嬉しい気持ちで一杯だった。
「幸せだなぁ……」
「ルカ様!? どうしたんですか? 何だか目が潤んでるような気がしますが……」
「否、何、大したことじゃないよ。今までの事を思い出していただけなんだ。ありがとう。心配はいらないよ」
「そうですか。なら良いのですが……ルカ様、一人で抱え込んでしまうこともあるので、少し心配です」
そういうジーヴェルの目は本当に、心配そうに俺を見ていた。
「大丈夫だよ。ありがとうな? ずっと側に居てくれて。本当、感謝してる」
そう、数ヶ月前までは、こんなこと誰が想像できただろう。仲間に落ちこぼれと言われ続けて、挙げ句突き落とされて……人間不信になっても可笑しくなかった俺をジーヴェルや、カイオス、ギルドの皆、それにカティエル陛下まで救ってくれた。スローライフは送ってみたいけど、カティエル陛下の望んでいるこの国の平和を守るためなら、俺は喜んで使命を全うしようと心に誓った。
「そんな、当たり前ですよ! 俺もルカ様と一緒に居られて嬉しいです」
「ああ。本当、お前って奴は……」
「ん? 何か言いました?」
「否、何も。さぁっ! 祭り楽しむぞー!」
俺は、このしんみりとした気持ちを悟られないように、はしゃぎまくった。そうしているうちに楽しい事だけ考えられるようになり、祭りも心から楽しめた。
「ルカ様、お土産いっぱいになりましたね。これはギルドの皆に?」
「そうだよ。皆にはいっぱいお世話になったからな。それにカイオスは、忙しくて祭りに行けてなかったらしいから、お土産だけでもって思って」
「きっと喜びますね」
笑顔のジーヴェルと、いっぱいのお土産を持って、ギルドに帰った。ギルドの皆は温かく迎えてくれて、お土産も凄く喜んでくれた。食べ物も多かったので、受付けのミレーさんがまとめてくれて、料理長が手を加えて、立食パーティーみたいになった。
「何だかお土産が凄いことに。ミレーさん、料理長ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ、色々なお料理をありがとう。イカやタコの姿焼きとか、小麦粉の野菜やお肉が入ったお焼きに、フルーツの飴……どれもお祭りでしか食べられないもの。嬉しいわ」
「そうだぞ。皆を見てみろ、少年に戻ったみたいにはしゃいでいる。それと名乗るのが遅れたが、俺の名前はイワカムだ。カイオスと同じ様に呼び捨てで構わない」
そう言って、右手を差し出す。俺はそれに答え、右手を力強く握り返し、真っ直ぐに見つめた。
「イワカム、ありがとう! これからよろしく」
イワカムは、満面の笑みでニカッと笑い、肩を組んできた。それを見たギルドの仲間たちが、集まってきて、俺を胴上げする。恥ずかしかったけど、すごく嬉しい。胴上げされながら、ふと、カイオスの事を思い出し周りを見渡す。しかし、カイオスの姿は無い。俺は近くに居たギルド員に聞く。
「カイオス知らない?」
「カイオス様は、ずっと下の事務所で誰かと話し込んでおられました。もう少しで来ると思いますよ」
「そうか。ありがと」
しばらく食べながら待っていると、カイオスがやって来た。
「ルカ、待ったか? 悪かったな、一緒にいられなくて。楽しかったか?」
「祭りも、帰ってからも楽しかったです。皆さんのお陰ですね」
「そうか。なら、良かった。……ルカ、言い難いんだが、ルカに会いたいという人が来ててな」
カイオスはかなり、言い難そうにしている。
(カイオス、何だか困った顔をしているな。誰だろう?)
「俺に会いに来たって、誰、ですか?」
「それが、ルナなんだ」
「え!? ルナが? それで、今、ルナは?」
「ルカは会いたくないだろうと思って、一度帰ってもらった。かなりゴネてたがな。また、明日来ると言っていたが……」
「そう、ですか……ありがとうございます……」
「やっぱり、会いたくないか?」
「はい、あのイグニのパーティーメンバーには会いたくないです。また明日も来るというのでしたら、俺はもう、ジーヴェルと一緒に家に帰ります」
「そうか……なら、無理にとは言わないが……あ、これだけは伝えておく。ルナに聞いたが、パーティーは解散したそうだ。イグニは国外追放だと言っていた。ルナはDランクに降格、エマとラミアは冒険者を辞めたらしい」
(イグニが国外追放か。カティエル陛下、処刑はしないでくれたんだな。俺が自分を責めないように。それにしても、解散……か。ルナもBからDランクに降格したんだな)
俺は少し考えてから、カイオスに伝えた。
「そうなんですね……俺、また、陛下に会いに行きます。ルナの事はそれから考えます」
そう言うと、カイオスは少しホッとした顔をした。
「そうすると良い。陛下には俺から伝えようか?」
「大丈夫です。用がある時は、少し待つ事になっても良いんだったら、直接来ても構わないと言っていただいているので」
そう言うと、カイオスはかなり驚いた顔をしたが、直ぐに優しい表情に戻った。
「流石ルカだな。陛下との仲もそこまで良いとは。じゃあ、心配いらないな」
「ああ。大丈夫だ。カイオス、いつも気にかけてくれてありがとう。それで、一つお願いがあるんだけど」
「礼には及ばないよ。それで、頼みごととは何だ? 遠慮なく何でも言ってくれ」
「その、ルナに連絡先聞いておいてくれないか? それで、会う時はこっちから連絡するから待っていてくれと」
「分かった。必ず伝えるな!」
そうして俺は次の日、早速王宮へ向かうことにした————。
「ルカ様、人がいっぱいで凄いですね。ルカ様の格好をしている人もいっぱい」
ジーヴェルは、嬉しそうにキョロキョロしている。
「そうだな。けど、これだけ人が居たら絶対バレないよな?」
「そうですね。けど、バレても良い気がしますが」
そう言いながら、ジーヴェルはニヤニヤ楽しそうにしている。
「ジーヴェル、最近俺をからかって楽しんでないか?」
「そんなことありませんよ。ただ、せっかくここに勇者ルカ様が居るのに、自慢したくなるじゃないですか。俺はただ、ルカ様が好きなだけですよ」
「ははっ。そうだな、ジーヴェルはずっとそうだったな。疑って悪かった」
「けど……正直なところ、照れてるルカ様をちょっとからかいたくなるのも事実です」
「やっぱり……こら、ジーヴェル!」
「わー! ルカ様が怒ったー」
そう言いながら、ジーヴェルは楽しそうに逃げ回る。そんなジーヴェルを追いかけながら、俺は嬉しい気持ちで一杯だった。
「幸せだなぁ……」
「ルカ様!? どうしたんですか? 何だか目が潤んでるような気がしますが……」
「否、何、大したことじゃないよ。今までの事を思い出していただけなんだ。ありがとう。心配はいらないよ」
「そうですか。なら良いのですが……ルカ様、一人で抱え込んでしまうこともあるので、少し心配です」
そういうジーヴェルの目は本当に、心配そうに俺を見ていた。
「大丈夫だよ。ありがとうな? ずっと側に居てくれて。本当、感謝してる」
そう、数ヶ月前までは、こんなこと誰が想像できただろう。仲間に落ちこぼれと言われ続けて、挙げ句突き落とされて……人間不信になっても可笑しくなかった俺をジーヴェルや、カイオス、ギルドの皆、それにカティエル陛下まで救ってくれた。スローライフは送ってみたいけど、カティエル陛下の望んでいるこの国の平和を守るためなら、俺は喜んで使命を全うしようと心に誓った。
「そんな、当たり前ですよ! 俺もルカ様と一緒に居られて嬉しいです」
「ああ。本当、お前って奴は……」
「ん? 何か言いました?」
「否、何も。さぁっ! 祭り楽しむぞー!」
俺は、このしんみりとした気持ちを悟られないように、はしゃぎまくった。そうしているうちに楽しい事だけ考えられるようになり、祭りも心から楽しめた。
「ルカ様、お土産いっぱいになりましたね。これはギルドの皆に?」
「そうだよ。皆にはいっぱいお世話になったからな。それにカイオスは、忙しくて祭りに行けてなかったらしいから、お土産だけでもって思って」
「きっと喜びますね」
笑顔のジーヴェルと、いっぱいのお土産を持って、ギルドに帰った。ギルドの皆は温かく迎えてくれて、お土産も凄く喜んでくれた。食べ物も多かったので、受付けのミレーさんがまとめてくれて、料理長が手を加えて、立食パーティーみたいになった。
「何だかお土産が凄いことに。ミレーさん、料理長ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ、色々なお料理をありがとう。イカやタコの姿焼きとか、小麦粉の野菜やお肉が入ったお焼きに、フルーツの飴……どれもお祭りでしか食べられないもの。嬉しいわ」
「そうだぞ。皆を見てみろ、少年に戻ったみたいにはしゃいでいる。それと名乗るのが遅れたが、俺の名前はイワカムだ。カイオスと同じ様に呼び捨てで構わない」
そう言って、右手を差し出す。俺はそれに答え、右手を力強く握り返し、真っ直ぐに見つめた。
「イワカム、ありがとう! これからよろしく」
イワカムは、満面の笑みでニカッと笑い、肩を組んできた。それを見たギルドの仲間たちが、集まってきて、俺を胴上げする。恥ずかしかったけど、すごく嬉しい。胴上げされながら、ふと、カイオスの事を思い出し周りを見渡す。しかし、カイオスの姿は無い。俺は近くに居たギルド員に聞く。
「カイオス知らない?」
「カイオス様は、ずっと下の事務所で誰かと話し込んでおられました。もう少しで来ると思いますよ」
「そうか。ありがと」
しばらく食べながら待っていると、カイオスがやって来た。
「ルカ、待ったか? 悪かったな、一緒にいられなくて。楽しかったか?」
「祭りも、帰ってからも楽しかったです。皆さんのお陰ですね」
「そうか。なら、良かった。……ルカ、言い難いんだが、ルカに会いたいという人が来ててな」
カイオスはかなり、言い難そうにしている。
(カイオス、何だか困った顔をしているな。誰だろう?)
「俺に会いに来たって、誰、ですか?」
「それが、ルナなんだ」
「え!? ルナが? それで、今、ルナは?」
「ルカは会いたくないだろうと思って、一度帰ってもらった。かなりゴネてたがな。また、明日来ると言っていたが……」
「そう、ですか……ありがとうございます……」
「やっぱり、会いたくないか?」
「はい、あのイグニのパーティーメンバーには会いたくないです。また明日も来るというのでしたら、俺はもう、ジーヴェルと一緒に家に帰ります」
「そうか……なら、無理にとは言わないが……あ、これだけは伝えておく。ルナに聞いたが、パーティーは解散したそうだ。イグニは国外追放だと言っていた。ルナはDランクに降格、エマとラミアは冒険者を辞めたらしい」
(イグニが国外追放か。カティエル陛下、処刑はしないでくれたんだな。俺が自分を責めないように。それにしても、解散……か。ルナもBからDランクに降格したんだな)
俺は少し考えてから、カイオスに伝えた。
「そうなんですね……俺、また、陛下に会いに行きます。ルナの事はそれから考えます」
そう言うと、カイオスは少しホッとした顔をした。
「そうすると良い。陛下には俺から伝えようか?」
「大丈夫です。用がある時は、少し待つ事になっても良いんだったら、直接来ても構わないと言っていただいているので」
そう言うと、カイオスはかなり驚いた顔をしたが、直ぐに優しい表情に戻った。
「流石ルカだな。陛下との仲もそこまで良いとは。じゃあ、心配いらないな」
「ああ。大丈夫だ。カイオス、いつも気にかけてくれてありがとう。それで、一つお願いがあるんだけど」
「礼には及ばないよ。それで、頼みごととは何だ? 遠慮なく何でも言ってくれ」
「その、ルナに連絡先聞いておいてくれないか? それで、会う時はこっちから連絡するから待っていてくれと」
「分かった。必ず伝えるな!」
そうして俺は次の日、早速王宮へ向かうことにした————。
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