僕はモブである

ひなクラゲ

文字の大きさ
上 下
1 / 1

異世界転生(モブ)と異世界召喚(勇者)

しおりを挟む
 僕は転生者である

 役割などないただのモブである…


 僕が転生したこの世界では今日も異世界召喚が行われ、異世界から呼ばれた勇者達がやってくる…

 この国を脅かす魔王達を倒してもらう為に…
 

 僕はモブ…

 他の人々と一緒に召喚された勇者パーティーを見送る為に城の周りで、勇者パーティーが現れるのを待っている

 
 そうこうしている内に召喚された、年若い少年少女達選ばれし勇者パーティーが魔王退治に出発していった…

 皆に期待され、希望に満ちた表情で出て行く異世界召喚されし勇者パーティー…

 かたや、異世界転生した期待などされた事のないただのモブ…


 なんだろう…

 異世界転生と異世界召喚という違いだけなのに、えらく待遇が違う気がするんだけど…


 僕は異世界召喚された勇者パーティーを見送りながら、世界の不条理を感じていた…



 ーー数日後

 異世界召喚された勇者パーティーが全滅したと報告された…

「ああ… またか~」

「また異世界から誰か召喚しないとだね~」

「次は

「さっさと魔王倒してくれないかな~」


 この世界は残酷なまでに異世界召喚者に冷たい…

 魔王を倒して欲しいと嘆願するわりに、大した装備も与えず…
 魔王達のなどの情報も与えず、ただただ願い、送り出すだけ…

 何故ならこの世界の人々は異世界召喚者なんて、使
 魔王と戦ってくれる便利な道具としてしか思っていないから…

 今日も異世界から召喚された何も知らない少年少女を言いくるめて、魔王の元へ送り出す…

 そう遠くない内に彼等も全滅するだろう…

 そして再びこの国は異世界召喚を行うのだろう…

 魔王を倒すその時まで何回も何回も…



 かたや異世界転生したモブの子は平凡だけど、平和な生涯を過ごすだろう…

 何故ならこの世界はには優しいのだから……

    ~~完~~

 
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...