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ラウンド7

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 ボン=クラー家はボンクラ~
 そして王子もボンクラ~ 

 大事な事なので2度言いましたが、ボンクラなのです… (3度目…)
 ボン=クラー家については後でお話したいと思います

 王子については、学園に入学してからも色々しでかしていて、王子に言い寄ろうとしていた令嬢達すらどん引き…
 イケメンも地位も全てが吹っ飛んび、ついたあだ名が 〝ポンコツ王子〟 や 
〝ボンクラ王子〟 ←そのまんまだ…
 

 私の中では、卒業式の最中に大勢の前で婚約破棄をし、付き合ってもいない私に対して恋仲という妄想を言う時点でボンクラですけど
 そんなこんなで色々しでかしているので、現在王子に言い寄ろうとする野心家な令嬢はいません


「どうしたスミレ? 嬉しくて放心したのか… 返事は?」
 私が現実逃避し呆けていると、王子が当然返事は〝はい〟 だろうみたいな爽やかな顔で聞いてきた…

 答えは〝いいえ〟 だ!
 と、言いたい所だけど言っていいものか…
 この大勢人がいる中でお断りの返事なんてしたら、私、死刑にならないよね……?
 でもこのままだと結婚する事になっちゃう
 どうしよう…


「失礼します、王子
 わたしはスミレの父でございます! ハァハァ……」
 あっ、お父様! 
 後ろの家族の席から飛んで来てくれたのね
 この学園人数が多いから、かなり遠くから走ってきてくれたみたいで息が上がっているけど…
 助けに来てくれたのかな


「スミレの父上か… どうした?」
 王子もお父様を見ている

「ハァハァ…
 王子、娘への求婚とても嬉しく思いますが… ハァハァ…」
 お父様! 私が困っているのを見て断ってくれるのね

 お父様は息を整え、王子を見つめる…
 そして

「実は家の娘は結婚しているのです!!」

「!!!!!」
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