*最強最悪なアイドル様!!

英人

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 「ごめんね、待った?」



 そう言ってスルリと俺の左腕に右腕を絡めてきたのは、1年のA~Dクラスは勿論、全学年のアイドル的存在で俺とは同じ1年生ってだけの他には何の接点も無い人物だった。




     だから。。。




 「人違いですよ」と、素っ気なく言って腕を抜いて離れようとしたら、小柄で細身の外見にそぐわない力で腕を引き戻されて危うく転けそうなった。



 「途中まででいいから一緒に歩いて。。しつこい先輩に絡まれちゃって、やっとここまで逃げて来たんだ」



 更に密着してきた身体は微かに震えている。他人との過度な接触は、普段なら絶対にしないが。。流石にこんなに怯えている人間を見捨てられる程に非道にはなれない。。。けど。。。



 「あ、あのさ。。せめてチョット離れてくれるかな。こんなとこを誰かに見られたらお互い困るだろ?」

「あ、そっか。。。でも。。。もう遅いかも」



 慌てて周りを見ると、結構な人数の生徒が信じられないモノを見るような顔をしている。俺は瞬時に安寧の終わりを知った。。。




 「先輩に見つかる前に早く行こうよぉ」



 俺の絶望感を丸っと無視して脳天気に見上げてくる茶髪のマッシュヘア、色白の小顔に収まった鼻は小ぶりながらも鼻筋が通っていて、二重の瞳はスコティッシュフォールドを思わせた。唇は小さく、高級さくらんぼのように艶めいてる。。。。確かに男どもを魅了する見た目だ。。。。だがしかし。。。。



 この学校は、校長と教師を含め、全生徒が男だ。故に、今俺にへばり付いている奴も男なんだ!!!



















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