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第16章 愛と貴族と王族候補。
拾われた女。
夫に離婚を切り出され、職場には何故か私が不貞を働いたと噂され。
もう、どうでも良い、そんな自暴自棄な時でした。
《こんな所で、アナタの様に可愛らしい方が、不用意に涙を見せてはいけないよ》
「あ、アナタは」
《僕は、この地で子爵を賜っている者。トゥーリア様の城に送る事も出来るけれど、先ずは、私の屋敷へ来てみないかい》
「あの」
《あぁ、着の身着のまま逃げ出して来たんだね、可哀想に。先ずは仕立て屋に向かおうか》
「でも、私」
《大丈夫、お金の事は気にしないでおくれ。君には私の屋敷に、遠慮せす入って欲しいから、ね》
「いえ、そんな」
《そう、まだ自由には動けないのだね》
「はい、ありがとうございます、お気遣い頂きまして」
《構わないよ、もし本当に逃げ出したくなった時は、ココでこのハンカチを持って待っていておくれ。直ぐに駆け付けるよ》
赤い刺繍で縁取りされた、上質なハンカチ。
「あ、あの」
《それは君にあげるよ、じゃあね》
「あ、はい」
それから暫くして、私は本当に家を出た。
《やっと自由になれたんだね》
「いえ、実は、まだで」
《けれど逃げ出す心積もりは出来たんだね》
「はい」
《そう、では気晴らしの為にも、服を仕立てに行こうか》
「あ、いえ」
《大丈夫、さ、行こう》
楽しかった。
自分のお給金では買えない様な服を着て、仕立ての良い靴を履けて。
今まで悩んでいた事が、嘘の様に思えた。
とても楽しかった。
嬉しかった。
「何故、庶民の私に、ココまで」
《君の事を考えると、どうしても放っておく事が出来なくてね》
それからも、カフェでお茶をし。
街を見て周り。
嬉しかった。
楽しかった。
「あ、あの」
《コレで、僕のお屋敷に来る決心が付いたかな》
貴族の方にこんなにも大切に扱われるだなんて、思いもしなかった。
けど、でも、まさかと何度も悩んだ。
けれど、この幸運を逃したくは無かった。
「はい」
私は、彼のお屋敷に行く事に決めた。
《さ、どうぞ》
「お邪魔、しま、す」
お屋敷の中には、大勢の侍女が。
しかも、何だか雰囲気が。
《皆も分かっている通り、彼女を歓迎してあげておくれね。分からない事は侍女長に尋ねる様に、じゃあ、また後で》
「あ、はい」
私も、最初は同じだった。
だからこそ、良く分かる。
《コレをお願いね》
「はい」
お屋敷の中に入るまでは、もしかしたら、お付き合い出来るんじゃないかって。
でも、それは酷い勘違いだった。
ご主人様は、ただ困っている女性を拾った、だけ。
まるで捨て猫を拾うみたいに、似た様な女を拾っては雇い、拾っては雇い。
惨めさより、恥ずかしさが勝った。
貴族の方と万が一にも付き合えるかも知れない、だなんて。
思い上がりも甚だしい。
恥ずかしい。
あの引き攣った笑顔も全く同じ、まるで過去の自分を見ている様だった。
本当に、恥ずかしい。
『次は、このお皿、お願い』
「はい」
また、坊ちゃまは女性を拾って来られました。
『また』
《婆や、コレは慈善活動だよ。望まぬ妊娠をし相手に逃げられるか、若しくは、足元を見ら》
『はいはい、そこではありません。もう、分かってらっしゃるでしょうに』
《さぁ、何の事かな》
坊ちゃまは、全く女性に興味は御座いません。
女性に何かされたワケでも、家庭内に問題が有るワケでも無い。
単に、女性をそうした目で見れない、だけだと。
最初は誰もが疑問に思いました、何故、どうしてと。
そして様々な助言が齎されました。
女性を良く知れば、きっと何処かに合う女性が、長く居ればきっといつかと。
坊ちゃまは、忠実に助言に従いました。
様々の女性と出会い、拾い、長く居る。
ですが、女性として、全く興味を示す事は御座いません。
『はぁ、暫くはご勘弁を、もう人手は』
《なら、城に置こう、向こうも人手が増えてしまったからね》
『ですが』
《選定はトゥーリア様がなさるから問題は無いよ、さ、直ぐに声を掛けて来ておくれ》
また一体、何を企んでいらっしゃるのか。
『分かりました』
《宜しく頼むよ》
婆やは何故、私が男色家になったのかを理解していない。
けれど、それは私とて同じ事。
いつからか、男にばかり目が行く様になってしまっていた。
ただ、それだけ。
「あ、クローディアス様、お帰りなさいませ」
《ただいまエノク、また、書簡が凄い事になっているね》
「あ、はい、ですので僕の独断と偏見で勝手に分類させて頂きました」
《助かるよ、いつもありがとう》
「いえいえ、では、先ずはお茶をお淹れ致しますね」
《あぁ、ありがとう》
いつからか、女性とは僕の同族なのかも知れない、そう思っていた。
女性のどんな態度も、大変だろうに、そうとしか思えなかった。
寧ろ男性に好意的な態度を取られると、心の底から嬉しかった。
そうしていつしか、自身は女性に近く、だからこそ同情的なのだろうと考えた。
身体への違和感は、今も無い。
けれども酷く女性の体が羨ましく感じる時が有る、それは男性が好意的な目で女性を見ている時。
今だけでも、女性になれないか、と。
自身の身体にそう不満は無い。
けれども圧倒的な違いを前に、不意に絶望を感じる時が有る。
好意を抱いている者の子を、孕めない。
「どうぞ」
《ありがとう》
幸福を分かち合いながら、微笑み合いたい。
子を胸に抱きながら、幸せを嚙み締め合いたい。
けれど、それは出来無い。
「あ、淹れ方を間違えてしまいましたか?」
《忙しかっただろう、確認してご覧》
「いえ、ですが。はい、失礼致します」
《ほらね、問題は無いよ》
「お気遣い、感謝致します」
《構わないよ》
単なる逃避による錯覚かも知れない。
叶わぬ願いを持つ事で、家を継ぐ事や子を持つ事を拒絶しているのかも知れない。
けれど、もし女性になれなかったとしても。
私は家を継ぎ、トゥーリア様にお仕えしながら後代を育てるつもりで居る、いや既にそうしている。
なら、私は一体、何なのだろうか。
単に恋に臆病なだけ、の者なのだろうか。
「お疲れですか?少し休まれますか?」
《そうだね、そうさせて貰うよ》
以前には婚約者が居た。
そして今の様に優しさを向けられた時、私は嬉しさより申し訳無さが勝った。
義務としか思えない。
心から、そう慮る事が出来無い、と。
何とか穏便に破談に持ち込み、それ以降も、出来るだけ女性と関わる様にはしているけれど。
婆やは、それが特に気に入らないらしい。
恋心を弄んで、と。
けれど、私は1度も好意を示した事は無い。
同情しただけで好意を寄せる方が、寧ろ、おかしな話なのだから。
「大丈夫ですよ、急ぎの用件は有りませんでしたから」
《ありがとう、いつも助かっているよ、本当にありがとう》
今日も彼は、女性を拾う。
この国の為、トゥーリア様の為に。
《こんな所で、アナタの様に可愛らしい方が、不用意に涙を見せてはいけないよ》
『あ、アナタは』
《僕は、この地で子爵を賜っている者だよ。トゥーリア様の城に送る事も出来るけれど、先ずは、私の屋敷へ来てみないかい》
『あの、でも』
《あぁ、着の身着のまま逃げ出して来たんだね、可哀想に。先ずは、仕立て屋に向かおう》
『でも私』
《大丈夫、お金の事は気にしないでおくれ。君には私の屋敷に、遠慮せす入って欲しいから、ね》
『は、はい』
そうしていつもの仕立て屋に行き、幾ばくか採寸を直させ、靴も合わせて着用させ屋敷へと向かう。
そこでやっと、彼女は気付く。
自分は、特別では無いのだ、と。
《さ、もし分からない事が有れば、侍女長に》
『ひ、酷い、こんなっ』
《何が酷いのかな?》
出迎えの為に待っていた侍女達は、其々に様々な顔色をしている。
赤くなるモノ、苦々しい表情を浮かべるモノ、またかと呆れを浮かべるモノ。
『わ、私』
《私?》
だが、殆どの侍女は呆れている。
決して好意だと勘違いをせず、寧ろ同情だろう、何と慈悲深い貴族なのだろうと感謝しながら屋敷を訪れたからだ。
大概は、そうなのだ。
『てっ、てっきり』
《てっきり?》
『も、もう良いです!』
《何を不満に思っているのか、良く分からないのだけれど。もし良ければ、トゥーリア様の城へ送ってあげるよ》
以前、幾人か届けた事も有るが。
訴状を書く前に城を出ると、何処かへと消えているのが殆ど。
『いえ、結構です』
《そう、じゃあね》
彼女の着ている服も靴も、本来であれば血税、税金ですが。
コレで、暫くは体を売る事も無いかと。
《当主様、本日は冷えます、湯に致しますか》
《そうだね、そうさせて貰うよ》
この屋敷には、寧ろ男は少ない。
だが、殆ど揉める事も無く、寧ろ一帯では最も治安の良い屋敷かと。
何故なら、俺もまた、女性には興味が無いですから。
もう、どうでも良い、そんな自暴自棄な時でした。
《こんな所で、アナタの様に可愛らしい方が、不用意に涙を見せてはいけないよ》
「あ、アナタは」
《僕は、この地で子爵を賜っている者。トゥーリア様の城に送る事も出来るけれど、先ずは、私の屋敷へ来てみないかい》
「あの」
《あぁ、着の身着のまま逃げ出して来たんだね、可哀想に。先ずは仕立て屋に向かおうか》
「でも、私」
《大丈夫、お金の事は気にしないでおくれ。君には私の屋敷に、遠慮せす入って欲しいから、ね》
「いえ、そんな」
《そう、まだ自由には動けないのだね》
「はい、ありがとうございます、お気遣い頂きまして」
《構わないよ、もし本当に逃げ出したくなった時は、ココでこのハンカチを持って待っていておくれ。直ぐに駆け付けるよ》
赤い刺繍で縁取りされた、上質なハンカチ。
「あ、あの」
《それは君にあげるよ、じゃあね》
「あ、はい」
それから暫くして、私は本当に家を出た。
《やっと自由になれたんだね》
「いえ、実は、まだで」
《けれど逃げ出す心積もりは出来たんだね》
「はい」
《そう、では気晴らしの為にも、服を仕立てに行こうか》
「あ、いえ」
《大丈夫、さ、行こう》
楽しかった。
自分のお給金では買えない様な服を着て、仕立ての良い靴を履けて。
今まで悩んでいた事が、嘘の様に思えた。
とても楽しかった。
嬉しかった。
「何故、庶民の私に、ココまで」
《君の事を考えると、どうしても放っておく事が出来なくてね》
それからも、カフェでお茶をし。
街を見て周り。
嬉しかった。
楽しかった。
「あ、あの」
《コレで、僕のお屋敷に来る決心が付いたかな》
貴族の方にこんなにも大切に扱われるだなんて、思いもしなかった。
けど、でも、まさかと何度も悩んだ。
けれど、この幸運を逃したくは無かった。
「はい」
私は、彼のお屋敷に行く事に決めた。
《さ、どうぞ》
「お邪魔、しま、す」
お屋敷の中には、大勢の侍女が。
しかも、何だか雰囲気が。
《皆も分かっている通り、彼女を歓迎してあげておくれね。分からない事は侍女長に尋ねる様に、じゃあ、また後で》
「あ、はい」
私も、最初は同じだった。
だからこそ、良く分かる。
《コレをお願いね》
「はい」
お屋敷の中に入るまでは、もしかしたら、お付き合い出来るんじゃないかって。
でも、それは酷い勘違いだった。
ご主人様は、ただ困っている女性を拾った、だけ。
まるで捨て猫を拾うみたいに、似た様な女を拾っては雇い、拾っては雇い。
惨めさより、恥ずかしさが勝った。
貴族の方と万が一にも付き合えるかも知れない、だなんて。
思い上がりも甚だしい。
恥ずかしい。
あの引き攣った笑顔も全く同じ、まるで過去の自分を見ている様だった。
本当に、恥ずかしい。
『次は、このお皿、お願い』
「はい」
また、坊ちゃまは女性を拾って来られました。
『また』
《婆や、コレは慈善活動だよ。望まぬ妊娠をし相手に逃げられるか、若しくは、足元を見ら》
『はいはい、そこではありません。もう、分かってらっしゃるでしょうに』
《さぁ、何の事かな》
坊ちゃまは、全く女性に興味は御座いません。
女性に何かされたワケでも、家庭内に問題が有るワケでも無い。
単に、女性をそうした目で見れない、だけだと。
最初は誰もが疑問に思いました、何故、どうしてと。
そして様々な助言が齎されました。
女性を良く知れば、きっと何処かに合う女性が、長く居ればきっといつかと。
坊ちゃまは、忠実に助言に従いました。
様々の女性と出会い、拾い、長く居る。
ですが、女性として、全く興味を示す事は御座いません。
『はぁ、暫くはご勘弁を、もう人手は』
《なら、城に置こう、向こうも人手が増えてしまったからね》
『ですが』
《選定はトゥーリア様がなさるから問題は無いよ、さ、直ぐに声を掛けて来ておくれ》
また一体、何を企んでいらっしゃるのか。
『分かりました』
《宜しく頼むよ》
婆やは何故、私が男色家になったのかを理解していない。
けれど、それは私とて同じ事。
いつからか、男にばかり目が行く様になってしまっていた。
ただ、それだけ。
「あ、クローディアス様、お帰りなさいませ」
《ただいまエノク、また、書簡が凄い事になっているね》
「あ、はい、ですので僕の独断と偏見で勝手に分類させて頂きました」
《助かるよ、いつもありがとう》
「いえいえ、では、先ずはお茶をお淹れ致しますね」
《あぁ、ありがとう》
いつからか、女性とは僕の同族なのかも知れない、そう思っていた。
女性のどんな態度も、大変だろうに、そうとしか思えなかった。
寧ろ男性に好意的な態度を取られると、心の底から嬉しかった。
そうしていつしか、自身は女性に近く、だからこそ同情的なのだろうと考えた。
身体への違和感は、今も無い。
けれども酷く女性の体が羨ましく感じる時が有る、それは男性が好意的な目で女性を見ている時。
今だけでも、女性になれないか、と。
自身の身体にそう不満は無い。
けれども圧倒的な違いを前に、不意に絶望を感じる時が有る。
好意を抱いている者の子を、孕めない。
「どうぞ」
《ありがとう》
幸福を分かち合いながら、微笑み合いたい。
子を胸に抱きながら、幸せを嚙み締め合いたい。
けれど、それは出来無い。
「あ、淹れ方を間違えてしまいましたか?」
《忙しかっただろう、確認してご覧》
「いえ、ですが。はい、失礼致します」
《ほらね、問題は無いよ》
「お気遣い、感謝致します」
《構わないよ》
単なる逃避による錯覚かも知れない。
叶わぬ願いを持つ事で、家を継ぐ事や子を持つ事を拒絶しているのかも知れない。
けれど、もし女性になれなかったとしても。
私は家を継ぎ、トゥーリア様にお仕えしながら後代を育てるつもりで居る、いや既にそうしている。
なら、私は一体、何なのだろうか。
単に恋に臆病なだけ、の者なのだろうか。
「お疲れですか?少し休まれますか?」
《そうだね、そうさせて貰うよ》
以前には婚約者が居た。
そして今の様に優しさを向けられた時、私は嬉しさより申し訳無さが勝った。
義務としか思えない。
心から、そう慮る事が出来無い、と。
何とか穏便に破談に持ち込み、それ以降も、出来るだけ女性と関わる様にはしているけれど。
婆やは、それが特に気に入らないらしい。
恋心を弄んで、と。
けれど、私は1度も好意を示した事は無い。
同情しただけで好意を寄せる方が、寧ろ、おかしな話なのだから。
「大丈夫ですよ、急ぎの用件は有りませんでしたから」
《ありがとう、いつも助かっているよ、本当にありがとう》
今日も彼は、女性を拾う。
この国の為、トゥーリア様の為に。
《こんな所で、アナタの様に可愛らしい方が、不用意に涙を見せてはいけないよ》
『あ、アナタは』
《僕は、この地で子爵を賜っている者だよ。トゥーリア様の城に送る事も出来るけれど、先ずは、私の屋敷へ来てみないかい》
『あの、でも』
《あぁ、着の身着のまま逃げ出して来たんだね、可哀想に。先ずは、仕立て屋に向かおう》
『でも私』
《大丈夫、お金の事は気にしないでおくれ。君には私の屋敷に、遠慮せす入って欲しいから、ね》
『は、はい』
そうしていつもの仕立て屋に行き、幾ばくか採寸を直させ、靴も合わせて着用させ屋敷へと向かう。
そこでやっと、彼女は気付く。
自分は、特別では無いのだ、と。
《さ、もし分からない事が有れば、侍女長に》
『ひ、酷い、こんなっ』
《何が酷いのかな?》
出迎えの為に待っていた侍女達は、其々に様々な顔色をしている。
赤くなるモノ、苦々しい表情を浮かべるモノ、またかと呆れを浮かべるモノ。
『わ、私』
《私?》
だが、殆どの侍女は呆れている。
決して好意だと勘違いをせず、寧ろ同情だろう、何と慈悲深い貴族なのだろうと感謝しながら屋敷を訪れたからだ。
大概は、そうなのだ。
『てっ、てっきり』
《てっきり?》
『も、もう良いです!』
《何を不満に思っているのか、良く分からないのだけれど。もし良ければ、トゥーリア様の城へ送ってあげるよ》
以前、幾人か届けた事も有るが。
訴状を書く前に城を出ると、何処かへと消えているのが殆ど。
『いえ、結構です』
《そう、じゃあね》
彼女の着ている服も靴も、本来であれば血税、税金ですが。
コレで、暫くは体を売る事も無いかと。
《当主様、本日は冷えます、湯に致しますか》
《そうだね、そうさせて貰うよ》
この屋敷には、寧ろ男は少ない。
だが、殆ど揉める事も無く、寧ろ一帯では最も治安の良い屋敷かと。
何故なら、俺もまた、女性には興味が無いですから。
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