conspiracy intrigue plot 〜こんすぺらしーんとりっくぱぁー、って何ですか?〜

中谷 獏天

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27 旅立ち。

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 皇太子妃教育が厳しくなり、2号ちゃんがルーイ氏に傾き始めた直後。
 新しい護衛を紹介された。

「どうもー、スミス・ケントです、25になりました」

「あ、門番」
「そうっす、良く覚えてますね、あざす」

《何か、知り合いに、似てる》
「あー、世には3人の似た者が居るみたいですし。来訪者様ともなると、その何倍もっすよね」

《あー、そっか、私だと9人は見てるかもなのか》
「3世界も渡るとかパないっすね」
「凄い軽くてラフ、良い意味で」

「サーセン、何分庶民なんで」
「ご結婚は」

「あ、はい、昨年にしましたけど」
「周りに良い独身は居ませんか」

「あー、居るには居ますけど、18っすよ?」
「結婚適齢期について」

「んー、早けりゃ良いってもんじゃないと思ってたんで、俺の年で丁度良いんじゃないかって感じっすね」
「成程、ありがとうございます」

《あ、成程、平均寿命が短いと早婚がちだもんね》
「それ全体のバランスを無意識に人が察してる結果だと思う」

「あぁ、成程、流石っす」

「末永く宜しくお願いします」
《します》

「うっす」

 その顔合わせから数日後、ユノちゃんとケント氏とレオンハルト氏と共に、黒の強欲の国へ。
 以降、ココを本拠地として過ごす事になる。

「ご報告が遅れました、無事に得る事が出来ました」
《私も、ありがとうございました》
『そう、良かったわ、ふふふ』

「つきましては、コチラの書庫を利用させて頂こうかと」
《です》
『その前に、恋バナしましょう?ね?』

「暗いモノなら可能ですが」
『良いわ、お願い』

 ココで、ふと何故聞きたがるのかを、改めて考えた。
 1つにはコチラの中身を知る為、ただ、他には無いのかどうか。

 有るなら、どんな理由なのか。

「改めてお伺いしますが、何故、お知りになりたいんでしょうか」

『ふふふ、果ては侵略する為、かも知れないわね』
「成程」
《どう侵略して、どう制するんですかね?》

『それは勿論、恋バナを聞いてから、ね』

 時に魔獣は契約した者の苦痛を欲する場合も有る、そして人も、時に相手の苦痛を喜ぶ者も居る。
 ココも、向こうも同じ。

 そしてギブアンドテイク、聞かせなければ聞かせてくれないのだろう。

「分かりました」



 無表情のまま、凄い詳しく喋っちゃってるけど、大丈夫かなネネちゃん。

『そう、もしウチにアナタの元恋人が現れたなら、死なない程度にあらゆる被験体にさせ続けるから心配しないで』

 良かった、分かってくれる方で。

「ありがとうございます」
『もう、さぞあの場所は苦痛だったでしょう』

「彼女が来てくれたお陰で、今は、マシです」
『殿下に目を付けられてしまっているのだものね、ふふふ』
《古くからお付き合いが?》

『各国の王族に連なる者は、帝国へ見習いとしてお伺いするのが、慣習なの。そして友となれば、時に側近に取り立てられる事も、侍女や婚約者となる事も有るのだけれど。殿下とは顔見知り程度よ、きっと私が最高位となる事を見抜いてらしたのね、ふふふ』

「成程」
《そうした見習いの事って、書庫で知れますか?》
『いいえ、ぁあ、そうね。侵略と制する方法、ね』

「その前に、1つお伺いしたい事が有ります」
『あら、何かしら』

「私の元恋人も、もしかすれば誰かの大切な人、場合によっては良い人なのかも知れません」

『そうね、確かにそうかも知れない、そして時に清廉潔白には生きられない場合も有るわね。でも、だからと言って、許す必要は無いと思うの』
《そうだよ、クズこそ外面が良い時も有るんだし。他人に大切にされたり必要とされてるからって、無罪放免はおかしくない?》

『例え虐待されていたにせよ、だからと言って無関係な第三者を、ましてや好意を寄せてくれている者を蔑ろにして良いワケが無いでしょう』
《そうそう。例えどんなに慈善活動をしようとも、どんな名医だろうと、非道な行為を何も無しに許さなきゃいけないのって逆に横暴だと思う》

「それは、そうだけど」
『例え愚かな害虫を気にしても、羽虫達は恩を感じる事は出来ない、そうした性質なの。だからこそ、何処かで害虫と益虫を区別しなくては、美しい蝶が可哀想だわ』
《うん、聞く限りは改心しなさそうだし、どうせ擁護するのも同じ害虫だよ》

「結構、言うのね」
《勉強とは違う頭の良さとか悪さって、どうにもならないと思う》
『そうよ、それこそ性格は生まれ付きが殆ど、分からない者が何処で育とうとも分からないままに終わるものなの』

「まるで、実例が有る様ですが」
『有るわよ、そうね、アナタに渡した鍵とは別の書庫へ行きましょう』

 そうして向かった先には、思わずココには人権が無いんじゃないかと疑ってしまいそうになる程、悪人を改心させる為の膨大な実験記録が有って。
 ちょっとだけ、いきなりココだったら違う不安が有ったかなって思った。

「記録が正しいなら、本当に性根の問題なんですね」
『若しくは、生まれ変わりの来訪者の影響が現れたか、ね』
《あぁ、そうした記録も有るんですね》

『ふふふ、それでも更に記憶を消した場合、どちらに影響を受けると思う?』

「体の本来の持ち主、では」
『そうなの、知識を一通り引き出した後、一時的に記憶消去が行われたそうなのだけれど。結局は、記憶の無かった間の行動へと、戻ろうとしていたそうよ』

「それは、途中で入れ替わった者の場合も、含まれていますか」

『そうした者は存在していないわ、必ずや魂は宿った時から存在し、交代や入れ替わりは無いとされているの。魂と肉体の繋がりが途切れたなら、確かに一時的に違うモノが入る事も有る、けれど結局は一時的な事。定着はしないの』

「どうして言い切れるのでしょう」
『記録を読めば分かる筈よ、ココの鍵も渡しておくわ、ゆっくりしてらして』

「はい、ありがとうございます」



 魔獣や精霊って、本当に便利。
 黒蛇に、窓辺の長椅子で資料を朗読して貰ったんだけれど。

《人は、時に魔獣よりも残酷になるとは、どうやら本当らしいな》
「復讐にしても手段が豊富ですから」
《ネネちゃん、その、抱え込まれた状態で読んで貰わないとダメ?》

「出来るなら字を覚えたいので」
《なんだ、嫉妬か》
《いや、いやー、確かにそこは心配してるけど。もしかして試してる?》

「ううん、寧ろ接触に慣れようかと」
《あぁ、成程》
《なら夜伽の相手もするぞ》

「それは別に良いです」
《イケメンに手厳しい?》
《どうやら顔が良いと不安らしい》

「競争相手が少な過ぎても多過ぎても不安にはなりますからね」
《確かに》
《では中程度の顔に変えるか》

「勿体無い」
《分かる、また別系統だもんね》

 黒蛇こと影ちゃんの容姿は、黒髪に黒い目で浅黒い肌で、アラビアンナイトも真っ青の美丈夫。
 尋常じゃない色気が溢れ出て常に周囲は洪水状態、ミステリアスだとか蠱惑的、そうした文言の権化としか思えない。

 良くコレと出来たなと思う。
 知り合いの彼氏がコレで、且つ相手の容姿が平凡だったら、間違い無く名器持ちか何かかと。

《見るだけで良いのか》

「こうした誘い文句にも免疫を付ける為なんです」
《成程》
《寧ろ私に落ちた方が楽だろうに》

「間違い無くアナタを置いて先に死ぬ事になるので、寧ろ以降は過去の女扱いで結構なんですが」
《私の毒で長生きも可能だぞ》
《凄い情報をサラッと言ってますけど》

《単なる若返りの毒に過ぎない、不死の効能は無く病にも罹る、そして摂取しなければ老いる代物。私の様なモノには有りがちな能力だ、珍しくも無い事よ》
「各国で蛇は洪水や知恵の象徴は勿論、生と死も司ってると思われてますからね」
《不思議だよねぇ、離れた大陸でも同じ様な伝承が有るのって》

《我々に洪水を察知するのは容易いからな》
《となると地震の場合は?》

《気になるかネネ》

 魔獣は、しっかりとした主従関係を好むのは事実だった。
 重要で有れば有る程、部外者からの問い掛けには答えず、こうしてコチラが知りたいかどうか様子を伺ってくる。

 忠蛇だ。

「ですね」
《地震なら人魚か、アガレスだな》

「あの72柱の?」
《あぁ、ネネは物知りだな》
《教えて物知り先生》

「お兄ちゃんに、そうした本を面白可笑しく読んで貰っただけで。ゴエティアって悪魔の本に載ってる、軍団を統率するかなり上位の悪魔」
《領民を軍団と言えば、確かに軍団だろうな》
《領主様なんだ》

「何処の?」

《尊厳を破壊する悪魔と恐れられているが、まさか力を借りるワケではあるまいな》
「《尊厳を破壊する悪魔》」

《身体、物理的な破壊は勿論、精神的であり超自然的な破壊も可能だそうだ》

《人種にとって、最早天敵では?》
「確かに」
《領域を侵さなければ何も無いが、踏み荒らせばさぞ蹂躙されるだろうな》

《こわっ》
「不可侵領域としとこう」
《その方が良いだろう、強大な力は制御が難しい。容易く近寄るべきでは無い、ましてや向こう方に気に入られてしまってはどうなる事か、想像に容易いだろう》

「君子危うきに、で」
《だね》

「そうした情報への対価は?」
《こうしている事だな》

「ほう、コレがご褒美になりますか」
《私の象徴は他にも有るからな》

 その言葉と共に視線が動くと、その先にはレオンハルト氏が。

《あ、嫉妬、成程》
《そろそろ狐と交代してやるとしよう、アレも似た象徴を持つからな》
「あぁ、七つの大罪、強欲ですね」

《あぁ、ではまたな、ネネ》

 嫉妬を煽るフェチなんだろうか、頬にキスをすると逃げる様に影へと消えていた。

「余計な事を」
《遊び心の有る方だねぇ》

「だとしても、煽らんで欲しいですがね」
《それか、ネネちゃんが受け入れ易い様に促してくれてる、とか?》

「良い様に受け取りますね」
《そうした才能も有るんですよぉ》
『交代って言われたんだけど、何をしたら良いの?』



 ネネちゃんとじゃれてると、赤毛のイケメンさんが影から現れた。
 毛色からして多分、狐さんかな。

《コレまた毛色の違うイケメンさんだぁ》
「本を読んで下さい」
『あ、うん』

 色気って言うより、寧ろ少し甘めの爽やか系イケメン、人懐っこい感じって言うか。
 皆のお兄さん、若しくは優しそうなイケメンって言うか。

「何で皆そうなるんでしょうね、後ろから抱っこ」
『ネネ字も覚えたいんだよね?コレしか無くない?』

「嫌なら他の方法を考えますが」
『ううん、暖かいしコレで良い』

《モテモテ》
「何故か地味好きに恵まれたらしい」
『ネネは地味じゃないよ、我が強いし魔力もいっぱいだし、モテない理由が無いし』

「外見無視の評価らしい」
《そうなの?》
『毛艶が良いって外見の事だよね?好きだよネネの髪の毛、ツルツルで丈夫で良い毛艶だし、肉付きも良いし』

「そこはかとなく漂う野性味溢るる評価」
《人用の褒め方は影さん優勢だね》

『ネネは誰でも良いワケじゃないのが良い』
「その評価は好意的に受け入れたいと思います」
《うん、アリで》

『けどもう少し狡い方法を覚えた方が良いとは思う、正直だけが正義じゃ無いんだし』
「肝に銘じます」
《ナイス名言来たね》

「もし何か有益な情報をくれた場合、何が対価になりますか」

『んー、またエッチしたいかも?』
「それは10段階評価の10ですね」

『例えば10になれる情報って何?』

「帰還方法」
《あー、確かに良いかも》
『帰りたい?』

「時と事情によりますが、今はまだ様子見中ですね」
『そっか、向こうは知らないけど。ココも良いと思える様に、撫でながら読んであげようか』

「それは、撫でられるのが好きだからこそですかね」
『勿論、自分がされて嫌な事をする趣味無いし』

「なら、追々で」
『うん』

 何か、情愛の示し方が獣的、それこそ犬っぽい。
 コレがワンコ系男子なんですかねぇ、実に親しみを覚え易いですけど、こうした人間程実は要注意だったりするんですよね。

 少なくとも自分の特性や特徴を良く把握してて、全て計算しての行動で、善意と言うより利益追求型のサイコパスと紙一重だって。
 ガチの教授がお店で真剣に話してくれて、まるで講義みたいで一瞬大学に通ってみたいなって思ったんだけど、オンライン講習で十分だよって色々と教えてくれて。

 あぁ、元気かなぁ教授。

《今度、撫でさせて貰えます?》
『ネネが良いって言って、偶になら良いよ』
「今晩にも存分にモフらせて貰えませんか」

『まぁ、少しなら』
「だそうで」
《やったー》

 ネネちゃん大好きな所が、やっぱり良いよねぇ。
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