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52 東洋編。
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期日の少し前に、ユノちゃんとケント氏と共に、東の国にお伺いしたんですが。
時代は江戸でした。
いや、意外と安土桃山時代とか室町なのかも知れないけれど。
そこまで詳しく無いので、多分、江戸時代。
いきなりお城に魔法陣で転移して、今は応接間的な場所に居る。
城下町が幻影で無いなら、やっぱり江戸、江戸城。
そして応対して下さる方は、何故かバリバリの関西弁。
《さぞ大変やったでしょう、不慣れな異国で》
『せやせや、少し前まで手食いしてはった国の近くやなんて、ホンマに下品だったと違はりますの?』
《首切りの本場は向こうや言うてるのに、コッチにまで飛び火させようとしてはる国と、どう違はりますのやろかねぇ》
『奴隷を普及させようとしはる、それ血筋やと思いません?』
《せやせや、この兵隊さんも、実は何処ぞの奴隷と違はりますのん》
『黒髪に染めて、適度に肌を焼くやなんて、もしかして東洋人に憧れてはるのかしら』
途中までは、平気だった。
また、策略のウチかも知れない、試されているのかも知れないと。
けれど、多分、キレ易くなっていたのだと思う。
魔獣は入国禁止で、魔道具のみ。
心細さも有ったのだと思う。
「黒髪にした他の人種全てが東洋人に憧れている、だなんて妄想を、良く平気で恥ずかしげも無く垂れ流せますね」
共感性羞恥による恥ずかしさ。
恥、恥辱に耐えられなかった。
『なっ』
「高貴な血とは、時に非実働労働者階級の者を指す言葉だと教えられました。色白は七難隠す、とはソレと同じ事、陽射しの強い中で労働せずに済んでいた証明。所謂、大事に育てられた娘だ、と示す1つの文言に過ぎない。だからこそ、ソレが全てでは無い、その事と同じです。黒い髪に染めた程度で東洋人への憧れだ、と思う方が偏見しか無く、知識と多様性の無い感想でしかない。どうか矮小な固定観念を恥じて下さい、恥ずかし過ぎて同じ人種とは思いたくもない、出来ればどうか異星人だと白状して下さい」
私は、過剰に自尊心を高める害悪について、両親と兄夫婦が話している場面に遭遇した事が有る。
もし浴衣を着た程度で、東洋人になりたがっているに違いない。
などと言い出す様な子に育てたくは無い、国を離れる気は無い、と兄が珍しく怒り狂っていた。
そして兄嫁は、私の育った国でそんな事は有り得ない、と。
けれども兄はプリントアウトした用紙を見せ、兄嫁は絶句し、話は終わった。
後から読ませて貰ったが、酷く肥大化した自尊心を持つ者のコメントがプリントアウトされたモノで、発信元は兄嫁の国。
冗談にしてもコチラの感性からは出ない文言に、私も思わず呆れた。
それと同時に恐ろしかった。
だから差別が無くならないのか、平気で見下げるのか、と納得してしまったからだ。
それ以来、海外への憧れは完全に消えた。
私は、あの国で生まれて良かったと今でも思っている。
洗濯物が外に干せて、銃と薬物が厳しく規制され、異常なまでの生徒内序列も無い。
それにもし合わなければ、選択肢が他に有る、親の出生に関係無く結婚相手も職業も選べる。
それなのに。
なのに、ココが、こんな風に。
『ふふふ、エラい剣幕やったし、もうエエやんな?』
「まさか」
《そのまさかや、すんませんな、試さして貰いましたわ》
ネネちゃんが、膝から崩れ落ちた。
「ココでも」
《せやかて試さんと、悪い子かどうか分からへんし》
『化けの皮剥ぐんのは早い方がエエやんな?お互いに』
多分、ルーイさんやレオンハルトさんの事でずっと悩んだままだから、沸点が低くなっちゃってるんだと思う。
だって、2人からは何も無いまま、だったし。
「ぅう、また、煽られて怒って」
《そこはホンマに褒めたる、うん、ワシらと同じで安心しましたわ》
『そやね、熱い大和魂持ってはる大和撫子はん、言う事が分かったんやし。今日から自由に見学してもエエんやし、ね?』
《いやー、私に言われましても。彼女は滅多に怒らないので、私は対処法を知りませんよ?》
《そこはほら、うん、すんまへん》
『堪忍ね?』
「はぁあああ、思い出し怒りも含んでいます。以後、似たような事をマジで思ってる方に遭遇した際、どの様に対処すべきか教えて下さい」
《鏡見なはれ、やろか》
『曇りも歪みも無い、万国共通の基準を満たした鏡と辞書、使こうてはります?って付け足さんと通じひんとちゃうかしら』
《井の中の蛙、コレで終わるんは楽やな》
『せやね』
「井の中の蛙、大海を知らず。この文言が理解出来るまで、永遠に関わらないで下さい、お願いします」
《実体験?》
「初手の文言に似たモノが大量に書かれたモノを、兄が。全てが真実では無いにしても、同一人物が幾つか混ざっているにしろ、数が多過ぎてドン引きした」
《うへぇあ、マジで居るんだ》
「実際に本人に尋ねたら冗談だ、とか言いそうだけど、じゃあそれが真実かどうか不明なら同じ事。コッチが冗談でも思わない事を、向こうは平気で思える証明、それ自体は変わらない」
《確かに》
『少し確認なんやけど、何処まで知ってはるん?』
《どう思ってはるん?》
《マジで勉強出来る子はダサいって思われてる》
「学校への危険物持ち込みの回数がヤバい、それだけ生徒内序列が何処ででも酷い状態のままだとも言える。なのに、差別を無くす、とか無理かと」
《音楽で、〇〇なのに〇〇を聞かないなんておかしい、✕✕を聞くなんて〇〇じゃない。高身長で運動能力高い陽気な男に惚れないと、ダサい女か変人扱い》
「私服なのに服装を合わせないとハブられる」
《先取りし過ぎたり被ってもハブられる》
「制服は実は子供を守るものです」
《確かに、制服が有る分だけ楽だよね、毎日ご機嫌取りの為に服装を整えるとか無理》
「あ、外での飲み会だけじゃなく、休日は常に人付き合いで潰れる、それが大人になっても続く。音楽や服装、趣味も合わせないと異常者と思われる。最近は騒がしいから、今は表立って非難しなくなっただけ、前は嫌味風差別が凄かったってお母さんが言ってた」
《同調圧力、凄い所は凄い、何処も似たようなもんだよねぇ》
「コッチが思う以上に程度が低い、何処も酷い不良高校だと思いなさい、銃や薬物が想像以上に身近に有る。平和に過ごせた、巻き込まれ無かった子は、寧ろ特別で幸運だったのだと思った方が良い。外国語の先生が、僕が家族とココに居続けている事を理解して欲しいって、他の人も呼んで実態を教えてくれた」
《凄い、有るんだそう言う授業》
「うん、塾だったけど。低賃金層は上の実態を知れる余地も無いから知らないだろうけど、自由を求めて行く様な場所じゃない、そう言う子とは疎遠にする。って帰国子女の子達も話してて、納得した。しかも、未だに学校での事件が虐めのせいだと思って無い親世代が居る、とも聞いたから」
《それに問題を表面化させないだけで、チクリ予防の為にも、他の人種には情報を与えない。とかしてるって、でそこに銃と薬物が平気で絡んじゃうんだよねぇ、異次元過ぎる》
「あ、ごめん、良い所も有るとは思うんだけど」
『そやの?』
《ホンマに有りますのん?》
「賭博、とか、様々な人種が見れる。です、かね」
《そやなくて》
『こう、独特な事はあらしまへんの?』
「又聞きなので良く分からないんですが、気軽に話し掛けても許される風潮だとか、気軽で自由な雰囲気。だそうです」
《あぁ、私も聞いた事が有る。気軽に親切にしてくれたり、気軽に話し掛けられたり話し掛けられるのが良い、って聞くけど。戦前なら何処でも当たり前の事だったし、地元でも、田舎は未だにそうだし》
「ぶっちゃけますと、我が国でも長く住めば味わえる事だと思うので、必ず他で無ければならないとは思いません」
《まぁ、うん。って言うか、銃社会だからこそ、迂闊に殺されない様にしてるだけ。に見えちゃうんだよねぇ》
「あぁ、敵じゃない、異常者では無いから殺さないで」
《うん》
「成程、確かに」
《他は》
『あらしまへんの?』
「私には、関わる損が大きく思えて。はい、私には特に無いです」
『どう、損やの?』
「身内の経験談からなんですが。郷に行っては郷に従えない、どうしてか自然に見下す、被害妄想が強い。コレに関しては何処の誰でも嫌ですし、コチラの国に似たのが居るにしても、向こうの母数が圧倒的ですから関わりたくない」
『今は随分と違うんやろ?』
「今、だけ、少数派が変わるだけなら、実態に大差は無いかと」
《あー、差別する色が変わっただけ、だもんねぇ》
《ほな、あんさんは?》
『どないなん?』
「あ、ごめん」
《良いの良いの、実際そうだもん》
「でも」
《嫌なら逃げる、何処でも同じ、早いんだ逃げ足》
「うん、先ずは聞かないが1番だけど」
《タダで八つ当たりされるとか損しか無いし、実際に助けてー、って言いながら逃げた事も有るし》
「有るんだ、実際」
《仕返しにね、英語で道を尋ねたら、この国の言葉も喋れないのかってキレられて唾吐かれて。警察官が見えたから助けてー、って動画付けながら駆け寄ったら、親切にしてくれた》
「やる」
《えへへ。不本意だけど差別主義者が多いから気を付けてって、切符を買い終えるまで付き添ってくれたんだよね。ちょっと罪悪感だったけど、次の場所でも警察官に道を尋ねた方が良いって、名刺をくれたんだ。ほら、商売女かもって思われたのかもって》
「あぁ、成程」
《うん、だからまぁ、良いかなって》
「ヤバいオッサンは何処でもヤバい」
《オバサンだったんだよねぇ》
「あぁ」
『女の敵は女やし』
《大方、東洋人の女に旦那を取られはったんやろ》
《そうそう、そうかも知れないから許す事も考えてくれって、許せって押し付けない良い人だったんですよ》
『エラい差が激しい国やね?』
《せやな、体制が何遍も変わってはるんやろ》
《ですねぇ、王族が居ないと特に。昨今は思想も何もかもが入り乱れて、混乱の極地ですから》
「あぁ、あの淀川の何倍もの汚水川で大会した国?」
《そうそう、正解》
「はぁ、アレも苛立つ情報ばかりで、流石の私も思わず異世界に憧れましたからね」
《憧れちゃうよねぇ、無双出来るなら、だけど》
「でもそこで急に冷めちゃうんですよね、私に無双される世界とか脆弱過ぎて長生き出来る気がしない、って」
《冷静さが降って湧いてくる》
「実力も自信も無いですから」
『お2人さんは、そこらは詳しい人なん?』
「いえ、上澄みしか知りません」
《うん、ですね、詳しくは無いです》
《それでも構へんのでお伺いしたいんやけど、何で無双出来る、思うて来はるんやろか》
「変身が、無意識に要素に加わっているのかと」
《変身、変身言うんは姿形が変わる事、でエエんやろか》
「はい。異次元、又は異世界に行く、と言う事は時に変身も同時に成立してる場合が多いそうです。兄の考えなので詳しい解説は難しいんですが、少なくとも今までとは違う場所、違う立場になる事で役割が変化する。その事を当たり前に捉えている、らしいです」
《あ、いつもは意地悪なのに、世界が変わると良い子になるアレ?》
「うん、そして人が変身する時、背景が異次元を連想させる場合が多い」
《あぁ、確かに》
「そして恵まれたのだから、もっと恵まれるだろう、と言う希望的観測が下地に含まれる事になる。境遇の変化、つまり過去より良い要素が1つでも加われば、それは最悪では無い」
《つまりは無双出来るかも知れない、成程》
《いや、せやかて逆境からて、無茶やろ》
「はい、人は究極に絶望すると無気力になります、それが鬱です。ですが、それでは物語は閉じてしまう」
《自分は鬱になりそうも無いなー、と思ってて良く分からないんだけど、やっぱりそうなっちゃうのかな?》
「例外は有るそうです、ですが、無共感者でなければ有り得ない。と兄が言っていました」
《無共感者、とは、何でっしゃろ》
「私が先程キレたのは、共感性羞恥の過剰供給からです。要は同郷の恥ずべき発言に恥じ、恥辱と感じた。その逆に、指先を紙で切ってしまった、その文言に全く動じない者が」
『無共感者、あぁ、偉い冷たそうやわ』
「他者が酷い目に遭っている、どう足掻いても、いつか自らも酷い目に遭うだろう。そう身に沁みている場合、大概の者は先ず思考停止し、苦痛から逃れる為に改めて模索する。そして大抵は都合良く何かが起こらないと理解し、諦める」
《そっか、前にも酷い目に遭ってたらそうなるよね、何も信用出来ないと何も動けないし》
「弱さ、と表現される事の中には学習を経て、経験値が生かされている場合も有る。だからこそ、何度も刃物を指でなぞる者は居ない」
《痛い痛い》
「そう、コレです。ですが、中には無痛症の方も存在する、それが心理的に無痛症だった場合」
『痛みを知らへんなら、無茶もしはる』
「どれだけ無共感なのか、向こうでは外側からは分かりませんが、そうである可能性が高い、と特定出来る段階では有ります」
《そないな事になったら、差別やなんや激化しそうやけど》
「はい、科学の進歩に人がついていけていません」
《嫌やわホンマ、そない怖い場所に帰りたいんですのん?》
《ですねぇ、故郷は何処よりマシですから》
「うん、情報からでもそう思う」
《それ、情報だけでも十分だよ、経験が全てじゃないもん。私だって思いっきり差別されたり、道端でいきなり殴り掛かられたり暴言吐かれたくない、しなくて良い経験だっていっぱい有るよ》
《せやけど、旅、しはるんでっしゃろ?》
『何でしはるの?』
《楽しく勉強したいなー、みたいな?最初は楽観視し過ぎたなって思いましたけど、こうして得てるモノが私には凄い多くて大きくて。それに、いつでも帰れる場所が有るから出来る事なんですよね、安心出来る場所が有るから楽しめる》
逃げ出す為に海外へ行く人って、何処にでも居て。
けど、それでもダメで戻ったり、更に移動したり。
それが悪い事だとは微塵も思わ無いけど、居場所の為に時間も労力も割くのが、私には全く意味が分からなくて。
でも、私には良い居場所が有るからそう思えるだけで、ずっと居心地が悪かった人には凄く重要な事なんだなんて。
じゃあ私に何が出来るかって言うと、正直、私に何が出来るんだって思う。
それに、どうにかしたいかどうか、も。
大人なら好きにすれば良い。
でも、好きに逃げられない子供は?
で、やっぱり子供の事に回帰するんだけど。
そこでも同じ問答になる。
じゃあ、私に何が出来るんだって。
そこまで頭が良くないせいか、未だに良く分からないんだけど。
旅をしてたら、そのウチ分かるかな、って。
「私より立派だと思う」
《いや、まだ何もしてないし、意外と何もしないかもだし》
「しようとも思わなかった、結局は大人世代の責任を子の世代に押し付ける可能性が高い問題が多いし。全体の制度がクソ過ぎて、どうして私達の代で何とかしなきゃいけないんだって思って。変えなきゃいけない事が多過ぎて、無理だろうなって、何かしたいとも思えなかったから」
《そこはほら、私はまだ全体を見てないし、出来る範囲でって自分で制限を掛けてるし。最悪は自分の子だけでも、だから》
「いや、悪い国じゃないんだけどね」
《どんなに島国でも周りがね、酷いとね、鎖国して無いから》
《何でして無いんやろ》
『せやせや』
「資源です、内需を疎かにしてましたし、燃料は他国により厳しく規制を受けてますから」
《鎖国気味にはなったけど、それで変わったかと聞かれると、まだっぽいしね》
《炭も、アカン聞いてますけど》
「他国より大気汚染度は遥かに低いのに、はい、先進国だからと厳しく縛り付けられています」
『何でそないに縛られてはるん?』
「ここからは陰謀論ですが、怖いので、常に付け入る隙を模索しているのかと。大国を何ヶ所も追い詰めた国ですから、何処も台頭される事を、血が、恐れているのかと」
《あー、だからどんな大会でも常に不利な規則が加わるんだ》
「時計、運動競技、道具の速さを競う競技でも。上位を独占する様な事が有れば、時には大会自体が無くなる事も有ります」
《何なんやその、足の引っ張り合いは》
「拝金主義だからかと」
『嫌やわホンマ、お金は使うモノ、それやとお金に使われる世界みたいやないの』
「まぁ、ですね。科学が発達しているにも関わらず、敢えて道具に頼らず、人にのみ審判をさせている状態ですから」
《しかも誤審の抗議は殆ど無意味だから、子供に習い事させたくないなって思うよね、お金で努力が踏み躙られるんだし》
《そないな事を当たり前にしたら、いつか、自分の子孫が困る事になると違うんかいな》
「愚かだからこそ賄賂に応じ、愚かだからこそ誤審を認めない、因果応報の概念を教育されていない可哀想な方々だからかと。そして一貫性だとか論拠、因果の意味が本気で分からないからこそ、悪い事が出来てしまう」
《せやのに、まだ審判させはるん?》
「はい、人員が少ないと言い訳し、続行。そして審判の選別も人、ですから。選別に第三者機関が絡んでいるかどうかは調べてません、それに審判の監視も、無いかと」
《裁判で言うたら、裁判の陪審員すら買収し放題やないかい》
「はい」
《はぁ》
『やっぱり帰るんは早計やない?』
《でも家族も守りたいので、そうした闇も有る、と教えるしか無いですよねぇ》
「そうすると、私みたいな子が出来上がるかと」
《あ、いや、でも教えるのは私だし》
「あぁ、確かに、もっと軽やかに穏やかに教えてくれそうですもんね」
《でも、そう考えると過不足無しって難しいよねぇ、其々なんだし》
「ですね」
《ホンマに、良う育ちはったな》
『せやせや、闇に落ちひんでエラいわ』
「こうした情報を、何故、知らないのでしょうか」
《ガッカリさせるかも知れへんけど、どうか怒らんといてくれへんやろか》
『ウチらはウチらで国を、世界を守りたいんよ、堪忍ね』
時代は江戸でした。
いや、意外と安土桃山時代とか室町なのかも知れないけれど。
そこまで詳しく無いので、多分、江戸時代。
いきなりお城に魔法陣で転移して、今は応接間的な場所に居る。
城下町が幻影で無いなら、やっぱり江戸、江戸城。
そして応対して下さる方は、何故かバリバリの関西弁。
《さぞ大変やったでしょう、不慣れな異国で》
『せやせや、少し前まで手食いしてはった国の近くやなんて、ホンマに下品だったと違はりますの?』
《首切りの本場は向こうや言うてるのに、コッチにまで飛び火させようとしてはる国と、どう違はりますのやろかねぇ》
『奴隷を普及させようとしはる、それ血筋やと思いません?』
《せやせや、この兵隊さんも、実は何処ぞの奴隷と違はりますのん》
『黒髪に染めて、適度に肌を焼くやなんて、もしかして東洋人に憧れてはるのかしら』
途中までは、平気だった。
また、策略のウチかも知れない、試されているのかも知れないと。
けれど、多分、キレ易くなっていたのだと思う。
魔獣は入国禁止で、魔道具のみ。
心細さも有ったのだと思う。
「黒髪にした他の人種全てが東洋人に憧れている、だなんて妄想を、良く平気で恥ずかしげも無く垂れ流せますね」
共感性羞恥による恥ずかしさ。
恥、恥辱に耐えられなかった。
『なっ』
「高貴な血とは、時に非実働労働者階級の者を指す言葉だと教えられました。色白は七難隠す、とはソレと同じ事、陽射しの強い中で労働せずに済んでいた証明。所謂、大事に育てられた娘だ、と示す1つの文言に過ぎない。だからこそ、ソレが全てでは無い、その事と同じです。黒い髪に染めた程度で東洋人への憧れだ、と思う方が偏見しか無く、知識と多様性の無い感想でしかない。どうか矮小な固定観念を恥じて下さい、恥ずかし過ぎて同じ人種とは思いたくもない、出来ればどうか異星人だと白状して下さい」
私は、過剰に自尊心を高める害悪について、両親と兄夫婦が話している場面に遭遇した事が有る。
もし浴衣を着た程度で、東洋人になりたがっているに違いない。
などと言い出す様な子に育てたくは無い、国を離れる気は無い、と兄が珍しく怒り狂っていた。
そして兄嫁は、私の育った国でそんな事は有り得ない、と。
けれども兄はプリントアウトした用紙を見せ、兄嫁は絶句し、話は終わった。
後から読ませて貰ったが、酷く肥大化した自尊心を持つ者のコメントがプリントアウトされたモノで、発信元は兄嫁の国。
冗談にしてもコチラの感性からは出ない文言に、私も思わず呆れた。
それと同時に恐ろしかった。
だから差別が無くならないのか、平気で見下げるのか、と納得してしまったからだ。
それ以来、海外への憧れは完全に消えた。
私は、あの国で生まれて良かったと今でも思っている。
洗濯物が外に干せて、銃と薬物が厳しく規制され、異常なまでの生徒内序列も無い。
それにもし合わなければ、選択肢が他に有る、親の出生に関係無く結婚相手も職業も選べる。
それなのに。
なのに、ココが、こんな風に。
『ふふふ、エラい剣幕やったし、もうエエやんな?』
「まさか」
《そのまさかや、すんませんな、試さして貰いましたわ》
ネネちゃんが、膝から崩れ落ちた。
「ココでも」
《せやかて試さんと、悪い子かどうか分からへんし》
『化けの皮剥ぐんのは早い方がエエやんな?お互いに』
多分、ルーイさんやレオンハルトさんの事でずっと悩んだままだから、沸点が低くなっちゃってるんだと思う。
だって、2人からは何も無いまま、だったし。
「ぅう、また、煽られて怒って」
《そこはホンマに褒めたる、うん、ワシらと同じで安心しましたわ》
『そやね、熱い大和魂持ってはる大和撫子はん、言う事が分かったんやし。今日から自由に見学してもエエんやし、ね?』
《いやー、私に言われましても。彼女は滅多に怒らないので、私は対処法を知りませんよ?》
《そこはほら、うん、すんまへん》
『堪忍ね?』
「はぁあああ、思い出し怒りも含んでいます。以後、似たような事をマジで思ってる方に遭遇した際、どの様に対処すべきか教えて下さい」
《鏡見なはれ、やろか》
『曇りも歪みも無い、万国共通の基準を満たした鏡と辞書、使こうてはります?って付け足さんと通じひんとちゃうかしら』
《井の中の蛙、コレで終わるんは楽やな》
『せやね』
「井の中の蛙、大海を知らず。この文言が理解出来るまで、永遠に関わらないで下さい、お願いします」
《実体験?》
「初手の文言に似たモノが大量に書かれたモノを、兄が。全てが真実では無いにしても、同一人物が幾つか混ざっているにしろ、数が多過ぎてドン引きした」
《うへぇあ、マジで居るんだ》
「実際に本人に尋ねたら冗談だ、とか言いそうだけど、じゃあそれが真実かどうか不明なら同じ事。コッチが冗談でも思わない事を、向こうは平気で思える証明、それ自体は変わらない」
《確かに》
『少し確認なんやけど、何処まで知ってはるん?』
《どう思ってはるん?》
《マジで勉強出来る子はダサいって思われてる》
「学校への危険物持ち込みの回数がヤバい、それだけ生徒内序列が何処ででも酷い状態のままだとも言える。なのに、差別を無くす、とか無理かと」
《音楽で、〇〇なのに〇〇を聞かないなんておかしい、✕✕を聞くなんて〇〇じゃない。高身長で運動能力高い陽気な男に惚れないと、ダサい女か変人扱い》
「私服なのに服装を合わせないとハブられる」
《先取りし過ぎたり被ってもハブられる》
「制服は実は子供を守るものです」
《確かに、制服が有る分だけ楽だよね、毎日ご機嫌取りの為に服装を整えるとか無理》
「あ、外での飲み会だけじゃなく、休日は常に人付き合いで潰れる、それが大人になっても続く。音楽や服装、趣味も合わせないと異常者と思われる。最近は騒がしいから、今は表立って非難しなくなっただけ、前は嫌味風差別が凄かったってお母さんが言ってた」
《同調圧力、凄い所は凄い、何処も似たようなもんだよねぇ》
「コッチが思う以上に程度が低い、何処も酷い不良高校だと思いなさい、銃や薬物が想像以上に身近に有る。平和に過ごせた、巻き込まれ無かった子は、寧ろ特別で幸運だったのだと思った方が良い。外国語の先生が、僕が家族とココに居続けている事を理解して欲しいって、他の人も呼んで実態を教えてくれた」
《凄い、有るんだそう言う授業》
「うん、塾だったけど。低賃金層は上の実態を知れる余地も無いから知らないだろうけど、自由を求めて行く様な場所じゃない、そう言う子とは疎遠にする。って帰国子女の子達も話してて、納得した。しかも、未だに学校での事件が虐めのせいだと思って無い親世代が居る、とも聞いたから」
《それに問題を表面化させないだけで、チクリ予防の為にも、他の人種には情報を与えない。とかしてるって、でそこに銃と薬物が平気で絡んじゃうんだよねぇ、異次元過ぎる》
「あ、ごめん、良い所も有るとは思うんだけど」
『そやの?』
《ホンマに有りますのん?》
「賭博、とか、様々な人種が見れる。です、かね」
《そやなくて》
『こう、独特な事はあらしまへんの?』
「又聞きなので良く分からないんですが、気軽に話し掛けても許される風潮だとか、気軽で自由な雰囲気。だそうです」
《あぁ、私も聞いた事が有る。気軽に親切にしてくれたり、気軽に話し掛けられたり話し掛けられるのが良い、って聞くけど。戦前なら何処でも当たり前の事だったし、地元でも、田舎は未だにそうだし》
「ぶっちゃけますと、我が国でも長く住めば味わえる事だと思うので、必ず他で無ければならないとは思いません」
《まぁ、うん。って言うか、銃社会だからこそ、迂闊に殺されない様にしてるだけ。に見えちゃうんだよねぇ》
「あぁ、敵じゃない、異常者では無いから殺さないで」
《うん》
「成程、確かに」
《他は》
『あらしまへんの?』
「私には、関わる損が大きく思えて。はい、私には特に無いです」
『どう、損やの?』
「身内の経験談からなんですが。郷に行っては郷に従えない、どうしてか自然に見下す、被害妄想が強い。コレに関しては何処の誰でも嫌ですし、コチラの国に似たのが居るにしても、向こうの母数が圧倒的ですから関わりたくない」
『今は随分と違うんやろ?』
「今、だけ、少数派が変わるだけなら、実態に大差は無いかと」
《あー、差別する色が変わっただけ、だもんねぇ》
《ほな、あんさんは?》
『どないなん?』
「あ、ごめん」
《良いの良いの、実際そうだもん》
「でも」
《嫌なら逃げる、何処でも同じ、早いんだ逃げ足》
「うん、先ずは聞かないが1番だけど」
《タダで八つ当たりされるとか損しか無いし、実際に助けてー、って言いながら逃げた事も有るし》
「有るんだ、実際」
《仕返しにね、英語で道を尋ねたら、この国の言葉も喋れないのかってキレられて唾吐かれて。警察官が見えたから助けてー、って動画付けながら駆け寄ったら、親切にしてくれた》
「やる」
《えへへ。不本意だけど差別主義者が多いから気を付けてって、切符を買い終えるまで付き添ってくれたんだよね。ちょっと罪悪感だったけど、次の場所でも警察官に道を尋ねた方が良いって、名刺をくれたんだ。ほら、商売女かもって思われたのかもって》
「あぁ、成程」
《うん、だからまぁ、良いかなって》
「ヤバいオッサンは何処でもヤバい」
《オバサンだったんだよねぇ》
「あぁ」
『女の敵は女やし』
《大方、東洋人の女に旦那を取られはったんやろ》
《そうそう、そうかも知れないから許す事も考えてくれって、許せって押し付けない良い人だったんですよ》
『エラい差が激しい国やね?』
《せやな、体制が何遍も変わってはるんやろ》
《ですねぇ、王族が居ないと特に。昨今は思想も何もかもが入り乱れて、混乱の極地ですから》
「あぁ、あの淀川の何倍もの汚水川で大会した国?」
《そうそう、正解》
「はぁ、アレも苛立つ情報ばかりで、流石の私も思わず異世界に憧れましたからね」
《憧れちゃうよねぇ、無双出来るなら、だけど》
「でもそこで急に冷めちゃうんですよね、私に無双される世界とか脆弱過ぎて長生き出来る気がしない、って」
《冷静さが降って湧いてくる》
「実力も自信も無いですから」
『お2人さんは、そこらは詳しい人なん?』
「いえ、上澄みしか知りません」
《うん、ですね、詳しくは無いです》
《それでも構へんのでお伺いしたいんやけど、何で無双出来る、思うて来はるんやろか》
「変身が、無意識に要素に加わっているのかと」
《変身、変身言うんは姿形が変わる事、でエエんやろか》
「はい。異次元、又は異世界に行く、と言う事は時に変身も同時に成立してる場合が多いそうです。兄の考えなので詳しい解説は難しいんですが、少なくとも今までとは違う場所、違う立場になる事で役割が変化する。その事を当たり前に捉えている、らしいです」
《あ、いつもは意地悪なのに、世界が変わると良い子になるアレ?》
「うん、そして人が変身する時、背景が異次元を連想させる場合が多い」
《あぁ、確かに》
「そして恵まれたのだから、もっと恵まれるだろう、と言う希望的観測が下地に含まれる事になる。境遇の変化、つまり過去より良い要素が1つでも加われば、それは最悪では無い」
《つまりは無双出来るかも知れない、成程》
《いや、せやかて逆境からて、無茶やろ》
「はい、人は究極に絶望すると無気力になります、それが鬱です。ですが、それでは物語は閉じてしまう」
《自分は鬱になりそうも無いなー、と思ってて良く分からないんだけど、やっぱりそうなっちゃうのかな?》
「例外は有るそうです、ですが、無共感者でなければ有り得ない。と兄が言っていました」
《無共感者、とは、何でっしゃろ》
「私が先程キレたのは、共感性羞恥の過剰供給からです。要は同郷の恥ずべき発言に恥じ、恥辱と感じた。その逆に、指先を紙で切ってしまった、その文言に全く動じない者が」
『無共感者、あぁ、偉い冷たそうやわ』
「他者が酷い目に遭っている、どう足掻いても、いつか自らも酷い目に遭うだろう。そう身に沁みている場合、大概の者は先ず思考停止し、苦痛から逃れる為に改めて模索する。そして大抵は都合良く何かが起こらないと理解し、諦める」
《そっか、前にも酷い目に遭ってたらそうなるよね、何も信用出来ないと何も動けないし》
「弱さ、と表現される事の中には学習を経て、経験値が生かされている場合も有る。だからこそ、何度も刃物を指でなぞる者は居ない」
《痛い痛い》
「そう、コレです。ですが、中には無痛症の方も存在する、それが心理的に無痛症だった場合」
『痛みを知らへんなら、無茶もしはる』
「どれだけ無共感なのか、向こうでは外側からは分かりませんが、そうである可能性が高い、と特定出来る段階では有ります」
《そないな事になったら、差別やなんや激化しそうやけど》
「はい、科学の進歩に人がついていけていません」
《嫌やわホンマ、そない怖い場所に帰りたいんですのん?》
《ですねぇ、故郷は何処よりマシですから》
「うん、情報からでもそう思う」
《それ、情報だけでも十分だよ、経験が全てじゃないもん。私だって思いっきり差別されたり、道端でいきなり殴り掛かられたり暴言吐かれたくない、しなくて良い経験だっていっぱい有るよ》
《せやけど、旅、しはるんでっしゃろ?》
『何でしはるの?』
《楽しく勉強したいなー、みたいな?最初は楽観視し過ぎたなって思いましたけど、こうして得てるモノが私には凄い多くて大きくて。それに、いつでも帰れる場所が有るから出来る事なんですよね、安心出来る場所が有るから楽しめる》
逃げ出す為に海外へ行く人って、何処にでも居て。
けど、それでもダメで戻ったり、更に移動したり。
それが悪い事だとは微塵も思わ無いけど、居場所の為に時間も労力も割くのが、私には全く意味が分からなくて。
でも、私には良い居場所が有るからそう思えるだけで、ずっと居心地が悪かった人には凄く重要な事なんだなんて。
じゃあ私に何が出来るかって言うと、正直、私に何が出来るんだって思う。
それに、どうにかしたいかどうか、も。
大人なら好きにすれば良い。
でも、好きに逃げられない子供は?
で、やっぱり子供の事に回帰するんだけど。
そこでも同じ問答になる。
じゃあ、私に何が出来るんだって。
そこまで頭が良くないせいか、未だに良く分からないんだけど。
旅をしてたら、そのウチ分かるかな、って。
「私より立派だと思う」
《いや、まだ何もしてないし、意外と何もしないかもだし》
「しようとも思わなかった、結局は大人世代の責任を子の世代に押し付ける可能性が高い問題が多いし。全体の制度がクソ過ぎて、どうして私達の代で何とかしなきゃいけないんだって思って。変えなきゃいけない事が多過ぎて、無理だろうなって、何かしたいとも思えなかったから」
《そこはほら、私はまだ全体を見てないし、出来る範囲でって自分で制限を掛けてるし。最悪は自分の子だけでも、だから》
「いや、悪い国じゃないんだけどね」
《どんなに島国でも周りがね、酷いとね、鎖国して無いから》
《何でして無いんやろ》
『せやせや』
「資源です、内需を疎かにしてましたし、燃料は他国により厳しく規制を受けてますから」
《鎖国気味にはなったけど、それで変わったかと聞かれると、まだっぽいしね》
《炭も、アカン聞いてますけど》
「他国より大気汚染度は遥かに低いのに、はい、先進国だからと厳しく縛り付けられています」
『何でそないに縛られてはるん?』
「ここからは陰謀論ですが、怖いので、常に付け入る隙を模索しているのかと。大国を何ヶ所も追い詰めた国ですから、何処も台頭される事を、血が、恐れているのかと」
《あー、だからどんな大会でも常に不利な規則が加わるんだ》
「時計、運動競技、道具の速さを競う競技でも。上位を独占する様な事が有れば、時には大会自体が無くなる事も有ります」
《何なんやその、足の引っ張り合いは》
「拝金主義だからかと」
『嫌やわホンマ、お金は使うモノ、それやとお金に使われる世界みたいやないの』
「まぁ、ですね。科学が発達しているにも関わらず、敢えて道具に頼らず、人にのみ審判をさせている状態ですから」
《しかも誤審の抗議は殆ど無意味だから、子供に習い事させたくないなって思うよね、お金で努力が踏み躙られるんだし》
《そないな事を当たり前にしたら、いつか、自分の子孫が困る事になると違うんかいな》
「愚かだからこそ賄賂に応じ、愚かだからこそ誤審を認めない、因果応報の概念を教育されていない可哀想な方々だからかと。そして一貫性だとか論拠、因果の意味が本気で分からないからこそ、悪い事が出来てしまう」
《せやのに、まだ審判させはるん?》
「はい、人員が少ないと言い訳し、続行。そして審判の選別も人、ですから。選別に第三者機関が絡んでいるかどうかは調べてません、それに審判の監視も、無いかと」
《裁判で言うたら、裁判の陪審員すら買収し放題やないかい》
「はい」
《はぁ》
『やっぱり帰るんは早計やない?』
《でも家族も守りたいので、そうした闇も有る、と教えるしか無いですよねぇ》
「そうすると、私みたいな子が出来上がるかと」
《あ、いや、でも教えるのは私だし》
「あぁ、確かに、もっと軽やかに穏やかに教えてくれそうですもんね」
《でも、そう考えると過不足無しって難しいよねぇ、其々なんだし》
「ですね」
《ホンマに、良う育ちはったな》
『せやせや、闇に落ちひんでエラいわ』
「こうした情報を、何故、知らないのでしょうか」
《ガッカリさせるかも知れへんけど、どうか怒らんといてくれへんやろか》
『ウチらはウチらで国を、世界を守りたいんよ、堪忍ね』
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