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採集クエスト、炎
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俺はショウ達にまずはお嬢の審査から挑戦する事を告げると、ショウ達は「分かった」と言いお嬢1人を残し何処かへ行ってしまった。
お嬢曰く…
「わたくしの審査が終わったらまた合流しましょ」
との事だ。
このゲームはフレンドになるとフレンド同士で個人メールが出来る。
やはりよく出来たゲームだ。
俺はとりあえず酒場に貼り付けてある1枚のクエスト依頼を手に取った。
「それになさるのですか?」
「うん。ちょうど参加最低人数が2人だし」
俺は横目でお嬢をちらっと見た。
黒い長髪でアイロニーでは見たことも無いような和の服を身にまとっている。
顔は切れ長の目が特徴的で身長は俺より少し小さいくらいか。
お嬢。
ショウ曰く普段からお嬢様のロールプレイをしていて隙を一切見せなくて、たまに人を小馬鹿にしたような口ぶりをする毒舌キャラだそうだ。
こうやって自由に行動、発言出来るのもこのゲームの楽しみ方か...
俺はその依頼をアリサに手渡し、そのクエストの説明が始まった。
「はい!キレイキレイ草の採集ですね!数は50個です!それではこれをどうぞ!」
アリサに受諾というスタンプを押され、依頼の紙を返された。
キレイキレイ草とはドクドク茸同様とあるポイントに生えているダイヤ型の草らしい。
まぁドクドク茸と一緒で簡単だろ。
「それでは…行ってらっしゃい!」
アリサに見送られ俺たち2人はまた森へ向かった。
道中、やはり特に話す内容もないので俺はこの審査の意味を考察しようと思った。
そう。このお嬢の審査、少しおかしい点があるのだ。
それは2人で採集クエストをするという所。
なぜわざわざショウ達3人と別れる必要があったのか。
うーん…やっぱり何回考えても分からない。
まぁ直接聞いたらいい話なんだけど2人で今日会った女の人と話すのは緊張するんだよなー。
うん。やっぱり聞かなくていいや!あんまりクリアに関係ないしね。
気が付くともうアリサに教えられた採集ポイントに着いていた。
辺り一面キレイキレイ草がポツポツと生えている。
「じゃあ始めますか!!」
フゥと一息吐き、俺の足元に会ったキレイキレイ草を拾おうとしたその時だった。
「『ハイフレア』」
お嬢が何か叫んだと思ったら突然目の前が炎に包まれた。
「あ、熱っ…!!」
咄嗟にお嬢の方を振り向くとお嬢は手を俺の方に向けその先には魔法陣が展開されていた。
「な…何やってんの!?!?」
「ん?何って……"邪魔"ですわ?」
足元に生えていたキレイキレイ草は跡形もなく消し炭になっている。
ん?ん?何やってんのこいつ。
俺が困惑している中、お嬢は止まらない。
「わんさんね。少し疑問に思ってた事があるんじゃなくて?なぜわたくしの審査が5人ではなく"2人で"だったのか」
「……」
「実はわたくし…この魔法が使える事ショウ達には言ってないんですわ!だ・か・ら"2人で"にしたんですの。そもそもショウには「審査でしっかり見極めて」と伝えられてるんですわ。だからわたくしは一生懸命わんさんを邪魔させて頂きますわ。頑張ってくださいまし」
お嬢はにっこり笑いまた手を俺の方に向けた。
魔法陣が手の先に展開される。
「では…ご機嫌よう…『ハイフレア』」
また俺を巻き込み炎が燃えたった。
1番簡単だろって思ってたけど前言撤回!
……無理かも!!
俺は満面の笑みで燃え立つ業火の中、親指を立て沈んでいった。
--続く
お嬢曰く…
「わたくしの審査が終わったらまた合流しましょ」
との事だ。
このゲームはフレンドになるとフレンド同士で個人メールが出来る。
やはりよく出来たゲームだ。
俺はとりあえず酒場に貼り付けてある1枚のクエスト依頼を手に取った。
「それになさるのですか?」
「うん。ちょうど参加最低人数が2人だし」
俺は横目でお嬢をちらっと見た。
黒い長髪でアイロニーでは見たことも無いような和の服を身にまとっている。
顔は切れ長の目が特徴的で身長は俺より少し小さいくらいか。
お嬢。
ショウ曰く普段からお嬢様のロールプレイをしていて隙を一切見せなくて、たまに人を小馬鹿にしたような口ぶりをする毒舌キャラだそうだ。
こうやって自由に行動、発言出来るのもこのゲームの楽しみ方か...
俺はその依頼をアリサに手渡し、そのクエストの説明が始まった。
「はい!キレイキレイ草の採集ですね!数は50個です!それではこれをどうぞ!」
アリサに受諾というスタンプを押され、依頼の紙を返された。
キレイキレイ草とはドクドク茸同様とあるポイントに生えているダイヤ型の草らしい。
まぁドクドク茸と一緒で簡単だろ。
「それでは…行ってらっしゃい!」
アリサに見送られ俺たち2人はまた森へ向かった。
道中、やはり特に話す内容もないので俺はこの審査の意味を考察しようと思った。
そう。このお嬢の審査、少しおかしい点があるのだ。
それは2人で採集クエストをするという所。
なぜわざわざショウ達3人と別れる必要があったのか。
うーん…やっぱり何回考えても分からない。
まぁ直接聞いたらいい話なんだけど2人で今日会った女の人と話すのは緊張するんだよなー。
うん。やっぱり聞かなくていいや!あんまりクリアに関係ないしね。
気が付くともうアリサに教えられた採集ポイントに着いていた。
辺り一面キレイキレイ草がポツポツと生えている。
「じゃあ始めますか!!」
フゥと一息吐き、俺の足元に会ったキレイキレイ草を拾おうとしたその時だった。
「『ハイフレア』」
お嬢が何か叫んだと思ったら突然目の前が炎に包まれた。
「あ、熱っ…!!」
咄嗟にお嬢の方を振り向くとお嬢は手を俺の方に向けその先には魔法陣が展開されていた。
「な…何やってんの!?!?」
「ん?何って……"邪魔"ですわ?」
足元に生えていたキレイキレイ草は跡形もなく消し炭になっている。
ん?ん?何やってんのこいつ。
俺が困惑している中、お嬢は止まらない。
「わんさんね。少し疑問に思ってた事があるんじゃなくて?なぜわたくしの審査が5人ではなく"2人で"だったのか」
「……」
「実はわたくし…この魔法が使える事ショウ達には言ってないんですわ!だ・か・ら"2人で"にしたんですの。そもそもショウには「審査でしっかり見極めて」と伝えられてるんですわ。だからわたくしは一生懸命わんさんを邪魔させて頂きますわ。頑張ってくださいまし」
お嬢はにっこり笑いまた手を俺の方に向けた。
魔法陣が手の先に展開される。
「では…ご機嫌よう…『ハイフレア』」
また俺を巻き込み炎が燃えたった。
1番簡単だろって思ってたけど前言撤回!
……無理かも!!
俺は満面の笑みで燃え立つ業火の中、親指を立て沈んでいった。
--続く
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