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美少女、怒り

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-次の日

「さ!やりますか!」

今日も昨日と同じく朝からゴーグルを装着した。
目の前が現実から引き離されていく。

『イクシード』

俺はアイロニーの時と同じように探索を始めた。
イクシードはアイロニーの西洋風とは別で日本の平安時代のような風景だ。
そんな街並みを見つつ外周を回った。

俺にとって1番重要なのはイクシードから出られるのか…という事だ。
イクシードもアイロニー同様森に囲まれている。
その境の柵に沿って歩いて行った。

「え!?あれは……」

歩き始めて数分、とある看板を見つけた。

『出口』

あるじゃん出口!!
まだイクシードが何なのか分かってないとこだがそれは後でもう1回来たらいい事だ。
とりあえず先に進もう。

俺は看板の横の道に足を出した……が、やはり謎の壁があり阻まれてしまった。

やはり無理か……

アイロニーであんなに苦労したのに次の街で簡単に行ける訳ないんだ。
ゆっくり手がかり探していくか~

「ひとまず街を探索して……と」
「イクシード来たばっかなの?私が案内してあげよっか?」
「ヒョッ!?!?」

俺の背後から突然女の子が話しかけてきた。
ぱっちりな目にツインテールの美少女だった。

「え…あ…あん……」

キョドる俺に彼女は手を引っ張り歩き出した。

「遠慮しなくていいよ!!行こ!!!」

ニコッと笑う彼女に俺は心を打たれた。

…こういうのも悪くないかも……

それから俺たちはイクシードを歩き回った。

「ここは酒場!アイロニーにもあったよね。それと見た目以外はほぼ一緒だから大丈夫」

酒場…

「ここは武器屋!これもアイロニーとほぼ一緒!」

武器屋……

基本的にアイロニーがマイナーチェンジした感じか…
外見が全く違うから同じ場所でも新鮮味がある。

「さっき私たちがあった場所が出口!とあるクリア条件を達成したら通れるようになるよ!」
「クリア条件って……」
「もちろん教えてあげるよ!



……私の言う事聞いてくれたらね?」

またこのパターンかぁ!!
何?このゲームはクズしかいない訳?
すっごい不穏なんですけどぉ!!

「ちなみになんだけどキミの名前聞いていい?」

まだ大丈夫だ。まだきっしょいショウ…きっショウと同じ人種だと決まった訳じゃない。
大丈夫だ。大丈夫。

「わんです。あなたは?」
「私は王子って名前!よろしくね!」

王子か…またすごい名前だ……
名前からヤバさが滲み出てる。
もうこれきっショウリーチかかってんぞ!

「でさぁ。聞いて欲しいことなんだけど……これから私と一緒に行動しない?」

何だそんな事か……
…って違う違う!!
嫌だよ!これも嫌だけどきっショウのせいで感覚がバグっちゃってるんだ。
でも王子はきっショウとは違うと信じてやんわり断ろう!
うん。それがいい。

「あの~それはちょっと厳し…」
「なんで?私イクシード案内してあげたよね??こんな恩も返せないの?じゃあ私がしたことなんだったの?責任取ってよ!」

……ん~。
オワタ\(^ω^)/
いやでももしかしたら間違いなんてことあるかも~…

「責任取れよ!!」
「ヒョッ!?!?!?」

--続く
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