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友情 1
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基樹と更紗が誕生日を翌日に控えた4月21日。
真菜から話を訊いた後、僕達はそのまま基樹達の家へ向かった。
解決策など何も浮かばなかったが、どうにかしなければという衝動が僕の足を双子の家へと向けさせた。
この村にしては珍しい現代的な洋風の家に『KAMIYAMA』と書かれた表札。インターホンを押しても応答が無い。急かす思いから繰り返し何度も押して見るが変化はない。
いないのか?
強めにドアを叩きながら繰り返し呼びかけても反応は無い。ふと、隣りで黙って様子を見ていた真菜がドアノブを回す。
ドアの鍵は開いていた。
真菜は僕に向かって微かに頷くと、ドアをゆっくりと開けた。
ギイィ
比較的新しいはずの家とは思えない、軋んだ音。
中の様子を伺いながら、恐る恐る声を掛けてみる。
「基樹、更紗……いるか?」
心無しか、声も小さくなる。
玄関から右手には二階に通じる階段、左手には通路が真っ直ぐ通じているが、すぐに行き止まりになっている。どこにでもある今時の家だ。
4月とは思えないくらいの冷気が顔に当たり、思わず身震いする。
寒いなぁ、冷房でもつけているのか?
もう一度呼びかけてみても変化は無い。
ふと、靴箱の上にある写真に眼がいく。この家の玄関を背景に、おちゃらけた態度で笑っている基樹、それを冷たい表情で見る更紗、それに笑顔で立っている両親と思われる男女。家族写真だ。二人の同級生が若干幼い感じからすると、去年に越して来た時に撮影したものだろう。
まさか、その一年後にこんな事になるなんて思っていなかった……。
いや、この村に来た時点で覚悟をしていたのかも知れない。
「幸せそうだね」
髪を切ってショートヘアになった真菜も写真を見つめている。
「そうだな、基樹はまともに写真に写る気もないのかよ」
場を和ませるつもりで云ったが、それ以上会話は続かず、二人の間に思い沈黙が続く。
幸福そうな家族の姿に、叫びたくなるくらいに心が痛んだ。
くそっ!もっと早く気付くべきだった。自分がのんびりと構えている内に、二人は想像を絶する程に追い込まれていたんだ。
それに……。
「何?これ……」
真菜の言葉に我に返った。紫色に変色した唇がわなわなと震えている。
彼女の視線の先には家族写真……。
その写真が少しづつ曲がっている。フレームごとだ。
蝋燭の様に溶けていく写真。
その面積が大きくなるに連れて、大量の腐乱死体が転がっている中に自分の身を置いているかの如く強烈な腐臭が鼻腔をつき、激しい頭痛と共に意識が遠のいてきた。真菜も両手で顔を覆い、必死に吐き気を抑えている。
この臭い……、どこかで……。
如月家での体験が脳裏をよぎる。
玄関越しに僕を見つめる眼に、身体を掴む粘着質な手……。
「キャー」
切ったばかりの髪が激しく揺れた。只ならぬ真菜の表情。その視線の先は靴箱に向けられている。
どこにでもある両開き式の靴箱。
その扉が微かに開き、真っ赤に血走った眼が僕の方をじっと見つめていた。
真菜から話を訊いた後、僕達はそのまま基樹達の家へ向かった。
解決策など何も浮かばなかったが、どうにかしなければという衝動が僕の足を双子の家へと向けさせた。
この村にしては珍しい現代的な洋風の家に『KAMIYAMA』と書かれた表札。インターホンを押しても応答が無い。急かす思いから繰り返し何度も押して見るが変化はない。
いないのか?
強めにドアを叩きながら繰り返し呼びかけても反応は無い。ふと、隣りで黙って様子を見ていた真菜がドアノブを回す。
ドアの鍵は開いていた。
真菜は僕に向かって微かに頷くと、ドアをゆっくりと開けた。
ギイィ
比較的新しいはずの家とは思えない、軋んだ音。
中の様子を伺いながら、恐る恐る声を掛けてみる。
「基樹、更紗……いるか?」
心無しか、声も小さくなる。
玄関から右手には二階に通じる階段、左手には通路が真っ直ぐ通じているが、すぐに行き止まりになっている。どこにでもある今時の家だ。
4月とは思えないくらいの冷気が顔に当たり、思わず身震いする。
寒いなぁ、冷房でもつけているのか?
もう一度呼びかけてみても変化は無い。
ふと、靴箱の上にある写真に眼がいく。この家の玄関を背景に、おちゃらけた態度で笑っている基樹、それを冷たい表情で見る更紗、それに笑顔で立っている両親と思われる男女。家族写真だ。二人の同級生が若干幼い感じからすると、去年に越して来た時に撮影したものだろう。
まさか、その一年後にこんな事になるなんて思っていなかった……。
いや、この村に来た時点で覚悟をしていたのかも知れない。
「幸せそうだね」
髪を切ってショートヘアになった真菜も写真を見つめている。
「そうだな、基樹はまともに写真に写る気もないのかよ」
場を和ませるつもりで云ったが、それ以上会話は続かず、二人の間に思い沈黙が続く。
幸福そうな家族の姿に、叫びたくなるくらいに心が痛んだ。
くそっ!もっと早く気付くべきだった。自分がのんびりと構えている内に、二人は想像を絶する程に追い込まれていたんだ。
それに……。
「何?これ……」
真菜の言葉に我に返った。紫色に変色した唇がわなわなと震えている。
彼女の視線の先には家族写真……。
その写真が少しづつ曲がっている。フレームごとだ。
蝋燭の様に溶けていく写真。
その面積が大きくなるに連れて、大量の腐乱死体が転がっている中に自分の身を置いているかの如く強烈な腐臭が鼻腔をつき、激しい頭痛と共に意識が遠のいてきた。真菜も両手で顔を覆い、必死に吐き気を抑えている。
この臭い……、どこかで……。
如月家での体験が脳裏をよぎる。
玄関越しに僕を見つめる眼に、身体を掴む粘着質な手……。
「キャー」
切ったばかりの髪が激しく揺れた。只ならぬ真菜の表情。その視線の先は靴箱に向けられている。
どこにでもある両開き式の靴箱。
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