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学校大好き
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庭を走り抜けて道路に出ようとすると、見覚えのある顔を見かける。
「おっ、服部じゃん!おはよう」
走りながら隣に住む幼馴染に声を掛ける。
「朝から元気だなぁ」
服部はあくびをしながら伸びをする。
「もしかして、今の見てた?」
「ああ、余す所無く見せてもらったよ」
こいつは私の可憐な姿を見れたラッキーな男だ。
私は乙女のように俯くと、一所懸命に息を止めて顔を赤くする。
私を最上級に褒める形容詞を、音楽のように歌いなさい。……早くしろ、息がもたん。
「まるで座敷わらしのようだな」
……、カワイイという意味だろう。いや、そうに違いない。
私が通っている中学校に近付くにつれて見知った顔も増えてくる。
みんなの挨拶の声に朝のすがすがしさを感じながら学校に入る。
昇降口で靴を履き替えると、先生方が立って挨拶している。
私は、担任の顔を確認すると、内股で歩きながらカバンを前にして両手に持つ。
こんなか弱い中学生はどこを探してもいないだろう。
先生の前に立ちはだかると……、直立不動になって敬礼する。
「木村先生、おはようございます!!」
日本兵の方々が見たら、この完璧な角度と美しい手の伸ばし方を見て感涙するだろう。
私の敬礼を受けた30代半ばで黒のスーツを綺麗に着た長身の男は、私の腕を握るとゆっくり下に降ろす。
「内山、おはよう、今日も元気だな」
いつも通りの苦笑いを返してくれる。私のことを気に入ってくれていることは間違いない。
「いえーい」
テンションが上がった私がハイタッチを要求すると、それに応えてくれる。
戸惑っているようだが、敢えて私のフィールドで挑戦してくるその姿勢は褒めてあげたい。
多くの生徒の隙間をぬいながら全速力で階段を駆け上ると、親友の後ろ姿を確認する。
複数の男子に挨拶されている親友は、私と一緒で男子からモテモテだ。
私と彼女で人気を二分しているといっても過言ではない。スライディングをしてアキレス腱を狙うが、気配を感じて避けられる。
「綾乃、おはよう!」
チッ、という舌打ちと共に親友の間瀬綾乃(ませあやの)に挨拶する。
摩擦で足が痛い。朝から無茶をしすぎた。
「奈美、おはよう」
機敏な動きとは違い、のんびりした口調の返事が返ってくる。
私の動きをよく理解している。
相変わらず長くて綺麗な黒髪に、背が高くてモデルのような体型だ。顔は小さくて目もパッチリしている、私には勝てないが良い顔立ちだ。
私には勝てないが。
「おっ、服部じゃん!おはよう」
走りながら隣に住む幼馴染に声を掛ける。
「朝から元気だなぁ」
服部はあくびをしながら伸びをする。
「もしかして、今の見てた?」
「ああ、余す所無く見せてもらったよ」
こいつは私の可憐な姿を見れたラッキーな男だ。
私は乙女のように俯くと、一所懸命に息を止めて顔を赤くする。
私を最上級に褒める形容詞を、音楽のように歌いなさい。……早くしろ、息がもたん。
「まるで座敷わらしのようだな」
……、カワイイという意味だろう。いや、そうに違いない。
私が通っている中学校に近付くにつれて見知った顔も増えてくる。
みんなの挨拶の声に朝のすがすがしさを感じながら学校に入る。
昇降口で靴を履き替えると、先生方が立って挨拶している。
私は、担任の顔を確認すると、内股で歩きながらカバンを前にして両手に持つ。
こんなか弱い中学生はどこを探してもいないだろう。
先生の前に立ちはだかると……、直立不動になって敬礼する。
「木村先生、おはようございます!!」
日本兵の方々が見たら、この完璧な角度と美しい手の伸ばし方を見て感涙するだろう。
私の敬礼を受けた30代半ばで黒のスーツを綺麗に着た長身の男は、私の腕を握るとゆっくり下に降ろす。
「内山、おはよう、今日も元気だな」
いつも通りの苦笑いを返してくれる。私のことを気に入ってくれていることは間違いない。
「いえーい」
テンションが上がった私がハイタッチを要求すると、それに応えてくれる。
戸惑っているようだが、敢えて私のフィールドで挑戦してくるその姿勢は褒めてあげたい。
多くの生徒の隙間をぬいながら全速力で階段を駆け上ると、親友の後ろ姿を確認する。
複数の男子に挨拶されている親友は、私と一緒で男子からモテモテだ。
私と彼女で人気を二分しているといっても過言ではない。スライディングをしてアキレス腱を狙うが、気配を感じて避けられる。
「綾乃、おはよう!」
チッ、という舌打ちと共に親友の間瀬綾乃(ませあやの)に挨拶する。
摩擦で足が痛い。朝から無茶をしすぎた。
「奈美、おはよう」
機敏な動きとは違い、のんびりした口調の返事が返ってくる。
私の動きをよく理解している。
相変わらず長くて綺麗な黒髪に、背が高くてモデルのような体型だ。顔は小さくて目もパッチリしている、私には勝てないが良い顔立ちだ。
私には勝てないが。
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