ナミは何でもあり

チャロコロ

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夢の世界

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 「いってー!」
 あわてて膝小僧を確認するがケガはなさそうだ。というか、痛いと言ってみたものの、実際痛みはない。この世界は何なんだ。
 「私は結婚してないって言ったでしょ」
 失礼ね!と言いたげだ。口を尖らせている。一部始終を見ていた花子が口を開く。
 「美奈、私分かったよ」
 「何が分かったのよ」
 「ここはお母さんの夢の世界じゃないかな?」
 「どういうこと?」
 「思い出してみてよ!私達がここに来る時のこと」
 私はここに来る前、両親の寝室へ行き、お父さんを実験にとり憑く予定だった。
 しかし、現世のものに触れるころができずに悪戦苦闘していた。ここでの世界が衝撃すぎて遠い世界の話みたいだ。その後どうしたっけ?ええと……そうだ!
 「何故かバナナの皮があった!」
 私は革新を得た答えを導きだした。
 「違う!その後!」
 花子が一所懸命手を振る。
 「その後?その後はお母さんにぶつかりそうになっただけじゃん」
 「そこよ!私達はお母さんの体内に入ってしまったの。だからお母さんがここにい
 る。」
 「でもお母さん若いじゃん!結婚してないって言うし。それに自分の子供の顔も知
 らないなんておかしいでしょ?」
 お母さんは私と花子をを見比べながら「何?何?何なのこの子達?」と独り言をいっている。花子はお母さんを手で軽く制する。
 「ここはお母さんの夢の世界だと思うの。夢の世界って、小学生の時に戻ってたり
 するでしょ?お母さんの場合、結婚する前の記憶が夢の世界になっているのよ。」
 「私が生まれる前ってこと?」
 「そういうことになるわね」
 「私が生まれる前ってことは、ここにいるお母さんは14年以上前のお母さんって
 ことになるの?」
 「そうよ、何かおかしい?」
 「だって、その割に老けてるじゃん!」
 「何だとこのガキー!」
 私達のやりとりを黙って見ていたお母さんが私につっかかってくるが、バックステップでそれをかわす。大人げないぜ、お母さん!
 「お母さん、落ち着いてください!」
 「誰がお母さんだ!」
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