忘れられない劇団

keiko

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恋子の記憶2

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恋子が春達の家に住み始めて1ヶ月がたった
恋子の体も回復していた。恋子は自分が誰なのか分からないまま時間が過ぎるのに焦っていた。
恋子「このままではダメよね、手掛かりを探さないと」と思いながら2階の奥の部屋を見ていた。
恋子「もし、私が劇団翔のファンだとしたら奥の部屋に手掛かりがあるのかもしれないわ。」
恋子は春の言ってた事を思い出していた。
恋子「少しだけなら見ても大丈夫よね、手掛かりがみつかれば、ここで世話にならなくても済むかも」と考え2階の奥の部屋に向かっていた。奥の部屋に恋子は足を踏み入れた。
そこには、劇団翔だった頃に使っていた衣装や台本、売れ残った商品等が置かれていた。
恋子「私、この人達知ってる、前に会った事がある気がする」と立て掛けていた写真を見てそう思った。
恋子「どこで会ったのかな」と考えているうちに酷い頭痛に襲われ恋子は意識を失ってしまう。
ガラガラと玄関の戸が開いた。
春「ただいま」
慎二「春さんお帰り、あれ恋子ちゃんは一緒じゃないのですか?」
春「あ、オレ一人だけど」
慎二「広大と雅也は舞台稽古で遅くなると言ってたけど、恋子ちゃんはどこ出掛けたんやろ」
慎二「春、恋子ちゃんから何も聞いてないですか」
春「今日はオレも忙しかったから朝から恋子ちゃんの顔みてない」
慎二「そうですか、でもこんな時間まで帰ってこないなんて」
春「恋子ちゃんの部屋見てくるわ」と言い恋子の部屋を見に行った。
春「やっぱりいない」と恋子の部屋から出た時、奥の部屋の戸が開いてる事に気づいた。
春は奥の部屋に行き灯りを点けると床に倒れてる恋子を発見する。
春「恋子ちゃん、恋子ちゃん、慎二奥の部屋にきてくれ恋子ちゃんが倒れてる」と大声を出し1階におる慎二を呼んだ。
慎二「え、恋子ちゃん、大丈夫ですか?」
春「慎二、恋子ちゃんの部屋へ運ぼう手伝ってくれ」
慎二「はい」
春と慎二は恋子を担いで部屋に運んだ。
春「恋子ちゃん、恋子ちゃん」と何度も名前を呼んでいた。
慎二「すぐに、医者を呼んで来ます。」
医者「貧血で倒れたようですな、2、3日もしたら回復するでしょう、お薬出しときますので患者さんに飲ませて上げて下さい。」と医者は診察を終え帰って行った。
次の日の朝、春が恋子の様子を見に行った。
恋子は目を覚ましていた。春の顔を見るなり恋子は驚いた顔で「春さん、春さんなの
戻ってきてくれたのね」と声を震わせながら春に近づいた。
春「恋子ちゃん、大丈夫、何か記憶を思い出した?」
恋子「記憶って何?」
恋子「意味分からないけど、でも春さん、劇団に戻ってきてくれたのよね」
春「劇団、恋子ちゃん何か思い出したんだね」
恋子「春さん、なんの事かわかんない」
春「君は昨日、奥の部屋で倒れてたんだ」
恋子「そんな冗談言わないで、それよりか銀さん、まだ台本出来てないの」と春に聞いた。
春「え、恋子ちゃん銀さんの事、覚えてるの」
恋子「覚えてるって私と同じ劇団翔のメンバーじゃないですか?」
春「同じ劇団翔のメンバー?」何か恋子に異変が起きたと思った春は次の日、病院で恋子に診察を受けさせた。
医者「患者さん、記憶を取り戻そうと強い思いが空回りして別の記憶を脳にインプットしたんでしょうな」
医者「何か自分の中に嫌な記憶などがあると自然に封印してしまう事は例外ではありません。たぶん患者さん自分のいいように記憶を変えたんでしょう。気長に治療をするしか方法はありません。」
春は皆に恋子の状態を説明しある決意を話した。
春「皆、オレの頼みを聞いてくれ」
広大「何、何」
雅也「春が頼み事をするなんて珍しいな」
春「実は恋子ちゃんの記憶がおかしな事になってるんだ。」
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