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コンティニュー ※犯罪行為&犯罪被害&流血&グロ表現あり
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私は、飲食店に勤務していた。
「あーあ、来週から学生さん達テスト期間だから、シフト表大変な事になってるよ~」
閉店間近、いらついた口調で店長が言ったが、私は後片付けに集中しているふりをして、発言を無視した。
店長は何回目か分からない溜息をついた。
(この後、店長は椅子から立ち上がり、流しへ水を飲みに行く)
店長は頭を掻きながら立ち上がると、愛用のコップで水を汲み飲み干した。
(店長のスマホに本社からの通知が来る)
『ピコン』と音がして、スマホが一瞬明るくなる。
(『よりによって来週から新企画だもんな』と店長が言う)
「よりによって来週から、新企画だもんな…」
店長は私が言った通りに、言葉を発した。
私は、今日のこの日をもう4回も繰り返している。理由は不明。何故かそんなループに陥っているのだ。私は壁の時計をチェックする。
(21時40分。22時前に、この店を2人組の強盗が襲う。私と店長はそのまま刺し殺される)
2回目でループしている事に気づいた私は、色々悪あがきした。時間に合わせトイレに立て籠もったり、閉店前に早退したり。
難を逃れ逃げ出しても、就寝するとまた『今日』が始まるのだ。
(どうすればいい。どうすれば今日を脱する事が出来る?)
片付けながら外をふと見ると、黒い軽自動車が駐車場に1台。客は全員退店してるので、つまり…。
(犯人の車だ。着いちゃった)
私は絶望に襲われる。
(逃げても無駄という事は…)
車から、黒づくめの男が2人降りて来る。
(『死ぬ』しかないのか…?)
私は柳刃包丁を収納場所からそっと引き出す。
「沢木さん、これハイター消毒に漬けた? …沢木さん?」
店長の声と共に、裏口の窓ガラスが割られた音が響く。
「動くな! 金は何処だ!!」
程なく入って来た強盗は、刃物とエコバッグを振りかざして叫ぶが、立ち竦む。床には大量の血。倒れている男の姿があったからだ。
「えっ、ええ?」
「なんな…ぐあっ!!」
強盗の1人が首筋を押さえ倒れる。相方が倒れるのに一瞬気づくのが遅れたもう1人は、衝撃と共に右脇腹に激痛を感じ、あり得ないものを目にする。
「逃げても無駄という事は…」
返り血を浴びた私は、言いながら腹部を抉る様に包丁を引き抜く。
「死ぬしかないのか…?」
私は包丁を引き抜くと、3人分の血を浴びながら強盗らを見下ろした。強盗2人は、血塗れで命乞いする。
「うぁ…、や、やめて!」
「ま、待って!」
私は首を負傷した強盗の腹に蹴りを入れ、丸めた身体に包丁を一突きすると、新しい包丁を掴む。
「ああ…、あ、あっ」
声にならない強盗を前に、私は呟く。
「逃げても無駄なら、死ぬしかないね。…私以外」
「あーあ、来週から学生さん達テスト期間だから、シフト表大変な事になってるよ~」
閉店間近、いらついた口調で店長が言ったが、私は後片付けに集中しているふりをして、発言を無視した。
店長は何回目か分からない溜息をついた。
(この後、店長は椅子から立ち上がり、流しへ水を飲みに行く)
店長は頭を掻きながら立ち上がると、愛用のコップで水を汲み飲み干した。
(店長のスマホに本社からの通知が来る)
『ピコン』と音がして、スマホが一瞬明るくなる。
(『よりによって来週から新企画だもんな』と店長が言う)
「よりによって来週から、新企画だもんな…」
店長は私が言った通りに、言葉を発した。
私は、今日のこの日をもう4回も繰り返している。理由は不明。何故かそんなループに陥っているのだ。私は壁の時計をチェックする。
(21時40分。22時前に、この店を2人組の強盗が襲う。私と店長はそのまま刺し殺される)
2回目でループしている事に気づいた私は、色々悪あがきした。時間に合わせトイレに立て籠もったり、閉店前に早退したり。
難を逃れ逃げ出しても、就寝するとまた『今日』が始まるのだ。
(どうすればいい。どうすれば今日を脱する事が出来る?)
片付けながら外をふと見ると、黒い軽自動車が駐車場に1台。客は全員退店してるので、つまり…。
(犯人の車だ。着いちゃった)
私は絶望に襲われる。
(逃げても無駄という事は…)
車から、黒づくめの男が2人降りて来る。
(『死ぬ』しかないのか…?)
私は柳刃包丁を収納場所からそっと引き出す。
「沢木さん、これハイター消毒に漬けた? …沢木さん?」
店長の声と共に、裏口の窓ガラスが割られた音が響く。
「動くな! 金は何処だ!!」
程なく入って来た強盗は、刃物とエコバッグを振りかざして叫ぶが、立ち竦む。床には大量の血。倒れている男の姿があったからだ。
「えっ、ええ?」
「なんな…ぐあっ!!」
強盗の1人が首筋を押さえ倒れる。相方が倒れるのに一瞬気づくのが遅れたもう1人は、衝撃と共に右脇腹に激痛を感じ、あり得ないものを目にする。
「逃げても無駄という事は…」
返り血を浴びた私は、言いながら腹部を抉る様に包丁を引き抜く。
「死ぬしかないのか…?」
私は包丁を引き抜くと、3人分の血を浴びながら強盗らを見下ろした。強盗2人は、血塗れで命乞いする。
「うぁ…、や、やめて!」
「ま、待って!」
私は首を負傷した強盗の腹に蹴りを入れ、丸めた身体に包丁を一突きすると、新しい包丁を掴む。
「ああ…、あ、あっ」
声にならない強盗を前に、私は呟く。
「逃げても無駄なら、死ぬしかないね。…私以外」
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