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5話 村長からのお礼とトレント召喚!

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「旅人さんよ。今回は本当に助かった。なんとお礼をいったらよいのやら」


「いえ、僕はなにもしていませんよ。お礼ならこの子達にしてあげてください」


村のケガ人さん達を助けた後、僕たちはこの村の村長さんに招かれ、お礼を言われていた


そして、頭を下げられてしまった。
僕は思わずうろたえる。


だって、僕が感謝されるのは違うからだ。
ラナちゃんを助け、村の人達を救ったのはフェルとスラのおかげだ。


だから感謝は僕にではなく、この子達にしてほしいと。


「何を言いますか。モンスターの使役には多くの魔力が必要となります。そのような負担をしていただきながら、感謝をしないなどとんでもないことでございません」


そう言いながら再び村長は頭を下げてしまう。


モンスターの使役には魔力が必要?
村長の言葉に、思わず首を傾げる。


はて?そんな負担みたいなものは感じなかったけど。


そして、そこで思い出した。
首に下げた賢者の石の存在を。


そういえば神様は石がある限り無限に魔力が供給されると言っていた。


村長の話から推測するに、使役に必要な魔力はこの石が負担してくれているのだろう。


どうりで、僕自身は何も感じないわけだ。


そして、思う。


賢者の石と、召喚術のコンボ。
とんでもなく強いのでは、と。


「旅人さん。たいしたものは出せませんが、ぜひお礼をさせてください」


村長はそう言うと、奥の方へと声をかけた。
すると奥からラナちゃんがでてくる。


ラナちゃんの手には木を削って作った器が握られていた。


「旅人さん。どうぞ!」


ラナちゃんが僕とフェルとスラの前にその木の器を置いてくれる。


器の中にあるのは蒸かした小さな痩せたお芋であった。


「旅人さんよ。本当に申し訳ない。今、村ではこの程度のものしか取れんのです」


村長は再びもうしわけなさそうに頭をさげた。
そしてラナちゃんは木の器に入ったお芋を凝視している。


ゴクリと、生唾を飲み干しながら。


彼女からしてみれば、それほどのごちそうということなのだろう。


「いえ、かまいませんよ。それに、すごくおいしそうです」


せっかくもてなして貰っているのだ。
存分に味わうのが礼儀だろうと思い、そのお芋に手をつける。


うん。


正直にいうと、あまりおいしくはなかった。
小さくて、ぼそぼそしている。


でも、全力でお礼をしようとしてくれている気持ちだけで十分だった。


ここの村の人はみんな痩せている。
だから食料が不足しているのだろうということは容易に予想がついたから。


フェルもスラもそれを感じたのか、おいしそうに完食していた。


ラナちゃんにありがとうと伝えながら食器を返却する。


さて、それじゃあ、次にやることは決まったね。


「あの」


「なんですかな?」


「畑を見せていただいても、よろしいですか?」


「畑を?構いませぬが、本当になにもないところですよ?」


「はい。それでかまいません」


そうお願いして今度は村長さんに村の畑へと案内して貰った。


村の畑は畑と言うにははばかられるほど土地が痩せており、転々と草が生えているだけだった。


「私達はこの芋のツルを食べています。ツルならばまたすぐに生えてきますからね」


村長はそう説明をしてくれた。


なるほど。


芋ではなくてツルを食べるのか。
確かに芋を掘ってしまえば一度しか食べられないが、ツルならばすぐに伸びてきて、何度でも食べられる。


・・・決しておいしくはないだろうけど。


となると、お芋自体を出してくれたあの料理はこの村からしてみればとんでもないほどのごちそうであったのだろう。


ケガ人が治って、これからもっと食料が必要になるというのに。


・・・うん。


やっぱり、このままこの状況を放置したくはなかった。


召喚書を取り出してページをめくる。


何か、この食料難を解決できる子がいないだろうか?


お!トレント!


木におじいさんの顔が付いたモンスターだ。


なになに?


トレントは太陽の光によって栄養を作り、その栄養を蓄えた木の実を生やします、だって?


ちょうどいいじゃないか。
トレントのページを開いて、来い!と強く念じる。


「旅人さま?どうなされましたか?うわぁ!」


トレントが召喚された。
村長の目の前に。


あ、やば。
トレントの顔と村長の顔が、キスをしてしまいそうなくらい間近に。


チュ!


・・やだ。


トレントたら、大胆。


村長も驚いて腰を抜かせてしまったし。



ご、ごめんなさい。
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