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12話
あれから数年の月日がたった。
私は両親達に復讐するために、その数年間をすべて費やした。
ポルコは自身の潤沢なお金と資金を渡しに貸してくれた。
それらを使って、私も事業をはじめる。
目的は簡単だ。
あいつらのやる事業を叩き潰してやるためだ。
そのためならいくらでも頑張れた。
睡眠時間を削ってでも事業に打ち込んでいく。
「最近、フレデリカちゃんがかまってくれないの」
「今は忙しいようです。旦那様はお静かにしていてください」
ポルコはよくさみしがって私の元にくる。
だがそんな彼をいつもメイド長さんが止めてくれていた。
おかげで私は自分のことに集中することができた。
札束を使って、父さんの工場から労働者を引き抜いていった。
技術力の高い人を中心に。
最初はいろいろと苦戦した。
事業などやったことがないから知らないことでいっぱいだった。
でもいろいろな人に教えてもりながら、進んでいった。
しばらくすると事業がきちんと回り始める。
すこしずつ私が関わっていなくても動くようになっていった。
今は父の会社と顧客を奪い合っている。
でもこちらの方が資金は豊富だ。
持久力ならばこちらの方が高い。
きっと勝つことができるだろう。
「フレデリカちゃ~ん」
「はいはい」
夜。
さみしがりながら抱きついてくる豚の頭をなでる。
あれだけ怖かった彼が、なんだか最近は普通の豚に見えてきた。
頭をなでてやるとブヒブヒと喜んでくれる。
案外、単純な人のようだ。
彼には多くの借りがある。
だから一緒にいる時間は必ず確保した。
万が一、愛想を尽かされてしまったら困るのは私だから。
でも最近はその心配もしなくてよさそうだ。
一人でいるとポルコの方がさみしがってやってくる。
完全に骨抜きになっていた。
他のメイド達では満足できないらしい。
理由はわからなけれど。
彼は太りすぎなのと、匂いがひどいのと、変態なのが欠点だ。
妻として徹底的に彼の尻をはたいてやった。
豚が外を走った。
ブヒブヒと叫びながら。
毎日風呂に入れて、歯も磨いてやる。
食事も健康的なモノを無理矢理食べさせてやる。
「ああ!こういうのも悪くない!」
・・・変態は、治らなそうだ。
というより悪化した。
親と子くらいは年の離れた少女に命令されると興奮するようになった。
ただ代わりにずいぶんとポルコは痩せた。
無駄な贅肉が落ちて、匂いもかなりましになった。
もう豚とは呼べないだろう。
見た目だけみれば、そこそこいい人間になったのではないだろうか。
「ずいぶんと、お変わりになられましたね」
「やっと人くらいにはなりました」
「旦那様のことではありません。奥様のことです。たくましくなられました」
メイド長さんが私に告げた。
すこし微笑みながら。
最近は私にまで敬語を使うようになっている。
前の口調のほうがしっくりくるのに。
旦那さまの奥様にため口など聞けませんと断られてしまう。
メイド長さんは、唯一私のために泣いてくれたのだ。
だから、その恩返しもしたかった。
すべてが終わった後、必ず。
「フレデリカ様、今月の売上です」
「ありがとう。いい調子ですね」
「当然ですよ。こっちの方がいい職人が多いんです。あいつらなんかに負けやしません」
彼の言う通り、父の会社はすでに弱くなってきていた。
日に日に売上が下がっていっている。
優秀な労働者を引き抜かれ、品質が落ちているのだ。
逆にこちらは売上は右肩上がり。
優秀な人材もたくさん抱えている。
日に日に差が開くばかりだ。
(今、お父様はどんな顔をしているのかな)
資料に目を等しながら、思う。
存分に慌ててくれているだろうか。
必死に抗ってくれているだろうか。
そうでなくては困る。
そうであってほしい。
人を裏切った報いを。
存分に受け取ってくださいな。
人を裏切った罪の重さを、間違った選択を選んだ後悔を、存分にしてください。
それが今の私の願いですので。
私は両親達に復讐するために、その数年間をすべて費やした。
ポルコは自身の潤沢なお金と資金を渡しに貸してくれた。
それらを使って、私も事業をはじめる。
目的は簡単だ。
あいつらのやる事業を叩き潰してやるためだ。
そのためならいくらでも頑張れた。
睡眠時間を削ってでも事業に打ち込んでいく。
「最近、フレデリカちゃんがかまってくれないの」
「今は忙しいようです。旦那様はお静かにしていてください」
ポルコはよくさみしがって私の元にくる。
だがそんな彼をいつもメイド長さんが止めてくれていた。
おかげで私は自分のことに集中することができた。
札束を使って、父さんの工場から労働者を引き抜いていった。
技術力の高い人を中心に。
最初はいろいろと苦戦した。
事業などやったことがないから知らないことでいっぱいだった。
でもいろいろな人に教えてもりながら、進んでいった。
しばらくすると事業がきちんと回り始める。
すこしずつ私が関わっていなくても動くようになっていった。
今は父の会社と顧客を奪い合っている。
でもこちらの方が資金は豊富だ。
持久力ならばこちらの方が高い。
きっと勝つことができるだろう。
「フレデリカちゃ~ん」
「はいはい」
夜。
さみしがりながら抱きついてくる豚の頭をなでる。
あれだけ怖かった彼が、なんだか最近は普通の豚に見えてきた。
頭をなでてやるとブヒブヒと喜んでくれる。
案外、単純な人のようだ。
彼には多くの借りがある。
だから一緒にいる時間は必ず確保した。
万が一、愛想を尽かされてしまったら困るのは私だから。
でも最近はその心配もしなくてよさそうだ。
一人でいるとポルコの方がさみしがってやってくる。
完全に骨抜きになっていた。
他のメイド達では満足できないらしい。
理由はわからなけれど。
彼は太りすぎなのと、匂いがひどいのと、変態なのが欠点だ。
妻として徹底的に彼の尻をはたいてやった。
豚が外を走った。
ブヒブヒと叫びながら。
毎日風呂に入れて、歯も磨いてやる。
食事も健康的なモノを無理矢理食べさせてやる。
「ああ!こういうのも悪くない!」
・・・変態は、治らなそうだ。
というより悪化した。
親と子くらいは年の離れた少女に命令されると興奮するようになった。
ただ代わりにずいぶんとポルコは痩せた。
無駄な贅肉が落ちて、匂いもかなりましになった。
もう豚とは呼べないだろう。
見た目だけみれば、そこそこいい人間になったのではないだろうか。
「ずいぶんと、お変わりになられましたね」
「やっと人くらいにはなりました」
「旦那様のことではありません。奥様のことです。たくましくなられました」
メイド長さんが私に告げた。
すこし微笑みながら。
最近は私にまで敬語を使うようになっている。
前の口調のほうがしっくりくるのに。
旦那さまの奥様にため口など聞けませんと断られてしまう。
メイド長さんは、唯一私のために泣いてくれたのだ。
だから、その恩返しもしたかった。
すべてが終わった後、必ず。
「フレデリカ様、今月の売上です」
「ありがとう。いい調子ですね」
「当然ですよ。こっちの方がいい職人が多いんです。あいつらなんかに負けやしません」
彼の言う通り、父の会社はすでに弱くなってきていた。
日に日に売上が下がっていっている。
優秀な労働者を引き抜かれ、品質が落ちているのだ。
逆にこちらは売上は右肩上がり。
優秀な人材もたくさん抱えている。
日に日に差が開くばかりだ。
(今、お父様はどんな顔をしているのかな)
資料に目を等しながら、思う。
存分に慌ててくれているだろうか。
必死に抗ってくれているだろうか。
そうでなくては困る。
そうであってほしい。
人を裏切った報いを。
存分に受け取ってくださいな。
人を裏切った罪の重さを、間違った選択を選んだ後悔を、存分にしてください。
それが今の私の願いですので。
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