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4話
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ルーク視点
「おかえりなさい、ルーク様」
「ただいま、サリア」
家に帰る。
すると妻が出迎えてくれた。
帰ってきてくれてうれしい、という風に。
その姿をみると、思わず笑顔になってしまう。
馬鹿は都合がよくていい、と。
サリアは目が見えなかった。
そのおかげで多くの介助が必要だ。
一人での生活は厳しい。
彼女の両親はサリアの事を溺愛している。
そのため自分たちが死んだ後のことにご執心だ。
悪い人間にだまされないか。
とても不安がっている。
だからこそ、自分に縁談が回ってきた。
地域で評判の良かった、自分に。
「君なら安心してサリアを任せられるよ」
サリアの父が自信に満ちた顔で言う。
つい笑ってしまいそうになった。
だが、必死にこらえた。
娘が盲目なら、父の目は節穴だ。
人のことなど、何も見えていないのだ。
サリアの家は、代々の名家だ。
とてつもない権力と資金を持っている。
馬鹿な父親のおかげで、そんな家とつながれた。
サリアの代わりに資金の管理も任されている。
サリアは目が見えないのだ。
どれだけ悪用しようとも、簡単にごまかせた。
金と権力を持てば女はいくらでも寄ってくる。
サリアには適当に接しつつ、女達と楽しむ。
最高の生活だった。
複数の女達がいる。
さすがに覚え切れないので手帳にメモをしておく。
見られたらマズイ証拠だ。
だけど見られることはないのだ。
サリアには視力がないのだから。
適当に放置しておいても問題は無い。
侍女達は無理矢理黙らせた。
サリアを敬愛する者達だ。
今の彼女は幸せそうだろ?
それを君たちは壊したいのか?
と脅したら、悔しそうな顔をしながら黙った。
今でもあいつらはサリアに事実を言えていない。
言ってしまえばサリアは孤独になる。
幸せな生活を奪われて、お先すら真っ暗だ。
すべてが自分のために回っていた。
「ルーク様~」
「おはよう、フレデリカ」
女と共に一夜をすごす。
さて、そろそろサリアに挨拶に行かないと。
そう思っていると、何か音が聞こえた。
「誰だ!」
扉の外だ。
急いで扉を開けて、外を見る。
誰もそこにはいなかった。
確かに、人はいた。
誰かに女といたのを見られたのだ。
「まさか!」
すぐにサリアの所にいく。
一番ばれてはいけない女の元へと。
ありえない。
そんなことは分かっていた。
彼女は目が見えないのだ。
のぞけるわけも、逃走できるわけもない。
だが、胸がザワザワと騒いだ。
「サリア?」
扉を叩く。
妻の名を呼んだ。
「どうしましたか?」
部屋の中からはいつも通りの彼女の声が聞こえてきた。
扉を開く。
サリアはにこりと微笑んだ。
「・・・・いや、なんでもない。いい朝だね」
いつも通りの彼女だった。
不倫現場をみたら、普通は取り乱すはずだ。
それに目も見えていないのだから、ありえるはずがない。
おかしなことをした。
自分でもそう思った。
きっと侍女の誰かだろう。
あとで問いつめて、見つけてやる。
失うわけにはいかないのだ。
この甘美な生活を。
なんとしてでも。
「おかえりなさい、ルーク様」
「ただいま、サリア」
家に帰る。
すると妻が出迎えてくれた。
帰ってきてくれてうれしい、という風に。
その姿をみると、思わず笑顔になってしまう。
馬鹿は都合がよくていい、と。
サリアは目が見えなかった。
そのおかげで多くの介助が必要だ。
一人での生活は厳しい。
彼女の両親はサリアの事を溺愛している。
そのため自分たちが死んだ後のことにご執心だ。
悪い人間にだまされないか。
とても不安がっている。
だからこそ、自分に縁談が回ってきた。
地域で評判の良かった、自分に。
「君なら安心してサリアを任せられるよ」
サリアの父が自信に満ちた顔で言う。
つい笑ってしまいそうになった。
だが、必死にこらえた。
娘が盲目なら、父の目は節穴だ。
人のことなど、何も見えていないのだ。
サリアの家は、代々の名家だ。
とてつもない権力と資金を持っている。
馬鹿な父親のおかげで、そんな家とつながれた。
サリアの代わりに資金の管理も任されている。
サリアは目が見えないのだ。
どれだけ悪用しようとも、簡単にごまかせた。
金と権力を持てば女はいくらでも寄ってくる。
サリアには適当に接しつつ、女達と楽しむ。
最高の生活だった。
複数の女達がいる。
さすがに覚え切れないので手帳にメモをしておく。
見られたらマズイ証拠だ。
だけど見られることはないのだ。
サリアには視力がないのだから。
適当に放置しておいても問題は無い。
侍女達は無理矢理黙らせた。
サリアを敬愛する者達だ。
今の彼女は幸せそうだろ?
それを君たちは壊したいのか?
と脅したら、悔しそうな顔をしながら黙った。
今でもあいつらはサリアに事実を言えていない。
言ってしまえばサリアは孤独になる。
幸せな生活を奪われて、お先すら真っ暗だ。
すべてが自分のために回っていた。
「ルーク様~」
「おはよう、フレデリカ」
女と共に一夜をすごす。
さて、そろそろサリアに挨拶に行かないと。
そう思っていると、何か音が聞こえた。
「誰だ!」
扉の外だ。
急いで扉を開けて、外を見る。
誰もそこにはいなかった。
確かに、人はいた。
誰かに女といたのを見られたのだ。
「まさか!」
すぐにサリアの所にいく。
一番ばれてはいけない女の元へと。
ありえない。
そんなことは分かっていた。
彼女は目が見えないのだ。
のぞけるわけも、逃走できるわけもない。
だが、胸がザワザワと騒いだ。
「サリア?」
扉を叩く。
妻の名を呼んだ。
「どうしましたか?」
部屋の中からはいつも通りの彼女の声が聞こえてきた。
扉を開く。
サリアはにこりと微笑んだ。
「・・・・いや、なんでもない。いい朝だね」
いつも通りの彼女だった。
不倫現場をみたら、普通は取り乱すはずだ。
それに目も見えていないのだから、ありえるはずがない。
おかしなことをした。
自分でもそう思った。
きっと侍女の誰かだろう。
あとで問いつめて、見つけてやる。
失うわけにはいかないのだ。
この甘美な生活を。
なんとしてでも。
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