9 / 18
十二単の女の子
しおりを挟む
白いワンピースの女の子を見てから
一ヶ月経つか経たないかくらいの頃だった。
その日は、私ひとりで二階の部屋で寝ていた。
夜中、ふと目の前で
何かが動くような気配がして目を覚ました。
視界に入ってきたのは
豆電球のついた小さなオレンジ色の光。
その薄暗い部屋の中に――
女の子が立っていた
いや、正確には、浮かんでいる…
十二単を着た女の子だった。
前に見たときと同じように
体は少し透けていて
そしてやっぱり……
顔だけが、なぜかはっきり見えない
でも、私はなぜだかすぐに思った。
――あ、あの子だ
不思議と怖いとは感じなかった
それよりも頭に浮かんだのは
まったく別の疑問だった。
〈なぜこの子は、十二単を着てきたんだろう?〉
そんなことを考えながら
私はしばらくその子を見つめていた。
すると女の子は
まるで{見て見て}と言いたそうに
ふわり、ふわりと
ゆっくり宙で揺れ始めた。
その様子を見て
ふとこんなことが頭をよぎった。
〘……あれ?
もしかして、褒めてほしいのかな?〙
私は思わず笑って
「似合ってるよ、可愛いじゃん」
そう声をかけてみた。
すると女の子は
それに応えるみたいに
ふわふわと嬉しそうに揺れて――
そのまま、すっと消えていった。
私はしばらく
女の子がいたはずの空間を見つめていた。
そして頭の中では
ひとつの疑問だけがぐるぐると回っていた。
〈なぜ……十二単だったんだろう?〉
十二単は
平均で十二~十五キロほどあるという
いくら幽霊とはいえ
着るのも脱ぐのも大変だろうに。
どうしても見せたい理由があったのか
それともただ単に着てみたかっただけなのか……。
頑張って着ているあの子を想像すると
怖さよりも
思わずクスッと笑えてきてしまった。
一ヶ月経つか経たないかくらいの頃だった。
その日は、私ひとりで二階の部屋で寝ていた。
夜中、ふと目の前で
何かが動くような気配がして目を覚ました。
視界に入ってきたのは
豆電球のついた小さなオレンジ色の光。
その薄暗い部屋の中に――
女の子が立っていた
いや、正確には、浮かんでいる…
十二単を着た女の子だった。
前に見たときと同じように
体は少し透けていて
そしてやっぱり……
顔だけが、なぜかはっきり見えない
でも、私はなぜだかすぐに思った。
――あ、あの子だ
不思議と怖いとは感じなかった
それよりも頭に浮かんだのは
まったく別の疑問だった。
〈なぜこの子は、十二単を着てきたんだろう?〉
そんなことを考えながら
私はしばらくその子を見つめていた。
すると女の子は
まるで{見て見て}と言いたそうに
ふわり、ふわりと
ゆっくり宙で揺れ始めた。
その様子を見て
ふとこんなことが頭をよぎった。
〘……あれ?
もしかして、褒めてほしいのかな?〙
私は思わず笑って
「似合ってるよ、可愛いじゃん」
そう声をかけてみた。
すると女の子は
それに応えるみたいに
ふわふわと嬉しそうに揺れて――
そのまま、すっと消えていった。
私はしばらく
女の子がいたはずの空間を見つめていた。
そして頭の中では
ひとつの疑問だけがぐるぐると回っていた。
〈なぜ……十二単だったんだろう?〉
十二単は
平均で十二~十五キロほどあるという
いくら幽霊とはいえ
着るのも脱ぐのも大変だろうに。
どうしても見せたい理由があったのか
それともただ単に着てみたかっただけなのか……。
頑張って着ているあの子を想像すると
怖さよりも
思わずクスッと笑えてきてしまった。
1
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる