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フロストハウル編
第114話 あのサブキャラが超人だったというまさかの展開
新しい任務は遠征が始まる1ヶ月後まで続く。
今夜もまた、俺は新しいバディと共に夜の街に繰り出していた。
「超人の数は思っているよりも多い。気付かないだけで、実はいつも会っているあの人が……なんてこともあるんだよ」
大輔が実は超人であることを想像してみる。
――うん、あり得ないな。
だが、これが大輔だったから「ない」と決め付けてしまっただけで、つい最近でいえば佐藤だって超人になっていたわけだ。
佐藤は【選別の泉】に入って力を得ながらも、ダンジョンに潜っている様子はないから、間違いなく超人だよな。
「東京の夜は新鮮だろう? ぼくも初めて日本に来て、東京の夜を探索した時はわくわくしたよ」
「ゼロナは日本出身じゃないのか?」
それを暗示するような言い回しだった。
あの言い方だと、それなりに成長してから日本に来たってことになる。
「ぼくが日本に来たのは3年前のことだ。最近のことだよ」
「3年前!?」
珍しく声を上げて驚いてしまう。
近くを歩いている通行人がぎょっとしていた。
3年前に初めて日本に来たということは、それまで海外で生まれ育ったということになる。それにしては、日本語上手すぎないか? 変な訛りも一切感じない。
「ぼくの存在が内密なのは、ぼくが英国で強化された超人で、ミスター・西園寺に買収されたからなんだ」
「西園寺さんに?」
「買収というか、契約だったんだが……ぼくの両親とミスター西園寺には繋がりがあって、娘であるぼくをSランク並みに鍛えてから日本に内密に送るっていう計画があったらしい」
「……日本語はどうやって……?」
「ぼくは親の顔を知らない。冒険者養成施設【ニューオーダー】で育ち、所謂エリート教育を受けたからね」
だからこんなに強いのか。
「日本語は授業で学んだ。英語、フランス語、スペイン語は自由に使えるかな」
まさにエリートの中のエリートだな。
横にいる美人がとんでもない存在に思えてきた。
西園寺の計画とか、内密な契約とかはいろいろ気になるところではあるものの、そういったことは西園寺本人に聞くべきなのかもしれない。
というか……。
「そんな大事なこと、俺に話しても良かったのか?」
俺は剣騎や楓香との繋がりが特に深い。
うっかり口を滑らせてしまうかもしれない。
もちろん、昨日知った超人のことや詳しいゼロナの強さに関しては楓香にさえも話してなかった。だが、誰かにしゃべりたい気はしなくもない。
「ぼくたちはタッグを組んでいるんだよ、才斗。お互いを信頼し合うためにも、きみにはぼくのことを知ってほしかったんだ」
すぐ隣には魅力的な微笑みが。
ゼロナはやはり上手だなと、改めて思った。
***
深夜11時。
午後9時から始まった見回りだが、もう2時間。特に何も起きていない。
それなりに平和でいいことなんだろうが、ダンジョンという常にモンスターが襲ってくる環境に慣れていると、なんだか物足りなく感じてしまう。
「飽きてきてるね」
ゼロナにはお見通しだった。
「どれくらいの頻度で事件が起こるんだ? 毎日毎日事件ってわけでもないと思うが……」
「面白い質問だね。超人の起こす事件は不定期だが……毎日何かしら起きている。もう少しすれば、闇超人が動き出すよ」
本当だろうかと疑っていたが、経験者の言葉はだいたい正しい。
俺がいつも通う高校の近くで、一般人とは思えない速度で走る超人を発見。その超人を、同じくらいの速度で追いかける超人をまた発見。
「どっちが悪い奴なんだ……?」
「どっちも悪い奴なのかもしれないし、そうではないのかもしれない。ついてきたまえ」
ゼロナの初動はとにかく早い。
こっちも全力で走らないと、すぐに彼女の姿を見失ってしまう。だが幸いなことに、ターゲットの超人たちの速度はCランク並みだった。
ダッシュすればすぐに追いつく。
「ぼくが前を捕まえる。才斗には後ろを任せた」
「了解!」
ゼロナの指示に従い、前の奴を追いかける超人にターゲットを絞る。
暗くてよく見えないが、女性っぽかった。
捕まえた時に変なところを触ったりしないように気を付けないと、訴えられたりするからな。
細心の注意を払って任務を遂行しよう。
「止まれ」
加速して超人の女性を追い抜かし、一瞬で彼女の前に立つ。
「――え!?」
急に現れた俺に驚きつつも、素早い判断で足を止める女性超人。ここでようやく、女性の顔がはっきりと見えた。
「……君は……」
「……黒瀬君?」
「椎名さん?」
ゼロナが言っていたのは予言だったんだろうか。
なんと、夜の街でクラスメイトの椎名さんに遭遇してしまった。しかも……彼女は超人だ。
今夜もまた、俺は新しいバディと共に夜の街に繰り出していた。
「超人の数は思っているよりも多い。気付かないだけで、実はいつも会っているあの人が……なんてこともあるんだよ」
大輔が実は超人であることを想像してみる。
――うん、あり得ないな。
だが、これが大輔だったから「ない」と決め付けてしまっただけで、つい最近でいえば佐藤だって超人になっていたわけだ。
佐藤は【選別の泉】に入って力を得ながらも、ダンジョンに潜っている様子はないから、間違いなく超人だよな。
「東京の夜は新鮮だろう? ぼくも初めて日本に来て、東京の夜を探索した時はわくわくしたよ」
「ゼロナは日本出身じゃないのか?」
それを暗示するような言い回しだった。
あの言い方だと、それなりに成長してから日本に来たってことになる。
「ぼくが日本に来たのは3年前のことだ。最近のことだよ」
「3年前!?」
珍しく声を上げて驚いてしまう。
近くを歩いている通行人がぎょっとしていた。
3年前に初めて日本に来たということは、それまで海外で生まれ育ったということになる。それにしては、日本語上手すぎないか? 変な訛りも一切感じない。
「ぼくの存在が内密なのは、ぼくが英国で強化された超人で、ミスター・西園寺に買収されたからなんだ」
「西園寺さんに?」
「買収というか、契約だったんだが……ぼくの両親とミスター西園寺には繋がりがあって、娘であるぼくをSランク並みに鍛えてから日本に内密に送るっていう計画があったらしい」
「……日本語はどうやって……?」
「ぼくは親の顔を知らない。冒険者養成施設【ニューオーダー】で育ち、所謂エリート教育を受けたからね」
だからこんなに強いのか。
「日本語は授業で学んだ。英語、フランス語、スペイン語は自由に使えるかな」
まさにエリートの中のエリートだな。
横にいる美人がとんでもない存在に思えてきた。
西園寺の計画とか、内密な契約とかはいろいろ気になるところではあるものの、そういったことは西園寺本人に聞くべきなのかもしれない。
というか……。
「そんな大事なこと、俺に話しても良かったのか?」
俺は剣騎や楓香との繋がりが特に深い。
うっかり口を滑らせてしまうかもしれない。
もちろん、昨日知った超人のことや詳しいゼロナの強さに関しては楓香にさえも話してなかった。だが、誰かにしゃべりたい気はしなくもない。
「ぼくたちはタッグを組んでいるんだよ、才斗。お互いを信頼し合うためにも、きみにはぼくのことを知ってほしかったんだ」
すぐ隣には魅力的な微笑みが。
ゼロナはやはり上手だなと、改めて思った。
***
深夜11時。
午後9時から始まった見回りだが、もう2時間。特に何も起きていない。
それなりに平和でいいことなんだろうが、ダンジョンという常にモンスターが襲ってくる環境に慣れていると、なんだか物足りなく感じてしまう。
「飽きてきてるね」
ゼロナにはお見通しだった。
「どれくらいの頻度で事件が起こるんだ? 毎日毎日事件ってわけでもないと思うが……」
「面白い質問だね。超人の起こす事件は不定期だが……毎日何かしら起きている。もう少しすれば、闇超人が動き出すよ」
本当だろうかと疑っていたが、経験者の言葉はだいたい正しい。
俺がいつも通う高校の近くで、一般人とは思えない速度で走る超人を発見。その超人を、同じくらいの速度で追いかける超人をまた発見。
「どっちが悪い奴なんだ……?」
「どっちも悪い奴なのかもしれないし、そうではないのかもしれない。ついてきたまえ」
ゼロナの初動はとにかく早い。
こっちも全力で走らないと、すぐに彼女の姿を見失ってしまう。だが幸いなことに、ターゲットの超人たちの速度はCランク並みだった。
ダッシュすればすぐに追いつく。
「ぼくが前を捕まえる。才斗には後ろを任せた」
「了解!」
ゼロナの指示に従い、前の奴を追いかける超人にターゲットを絞る。
暗くてよく見えないが、女性っぽかった。
捕まえた時に変なところを触ったりしないように気を付けないと、訴えられたりするからな。
細心の注意を払って任務を遂行しよう。
「止まれ」
加速して超人の女性を追い抜かし、一瞬で彼女の前に立つ。
「――え!?」
急に現れた俺に驚きつつも、素早い判断で足を止める女性超人。ここでようやく、女性の顔がはっきりと見えた。
「……君は……」
「……黒瀬君?」
「椎名さん?」
ゼロナが言っていたのは予言だったんだろうか。
なんと、夜の街でクラスメイトの椎名さんに遭遇してしまった。しかも……彼女は超人だ。
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