118 / 178
フロストハウル編
第118話 決闘の後に大人げない張り合いをするソードナイト
西園寺リバーサイドの地下にある、冒険者訓練所。
その地下15階にある『地獄』と称されるほどの過酷な施設で、2人のSランク冒険者が剣を交えていた。
「最初は少し疑っていたけど、実力は確かみたいだね」
「ここまでの実力の相手と戦ったのは久しぶりだよ。才斗に剣術を教えたというのも納得できる」
「昔の話さ」
ソードナイトこと山口剣騎。
そしてフロストハウルこと氷室澪奈。
強者同士が出会うと、やることはひとつだ。
まずは実力試し。
これが最も手っ取り早い。
ほぼ互角に剣をぶつけ合っていた2人は、5分ほど戦うと満足したかのように動きを止めた。氷室には切り傷が2ヶ所。山口には1ヶ所。
「西園寺さんもやってくれるよねぇ。こんな強い冒険者を隠してたなんて。あのふにゃふにゃな一面は僕にだけ見せてくれてたのに」
「ふにゃふにゃな一面?」
「あ、そこはスルーしてくれていいよ」
ほんの少し不貞腐れたように唇を尖らせる山口。
氷室は西園寺のふにゃふにゃな一面とやらに興味を示した。
――この反応、もしかして西園寺さんの本当の姿は知らないのかぁ……。
西園寺の名誉のために伏せたものの、山口は氷室の反応に満足する。少なくとも自分の方が西園寺のことを知っていると。
――って、なに子供みたいな張り合いをしてるんだ僕は……。
表情を引き締め、咳払いをする。
「君が隠れSランクだっていう話も、ダンジョンに行かない冒険者の話も全部信じるとして……問題は君がどこから来たのか、という話さ」
氷室は美容室で山口の髪を整え終わると、黒瀬の時と同様に山口を地下の隠し部屋に案内し、自分が隠しSランクであるということと超人のことを軽く説明した。
それから山口が実力試しをしようと言い出し、今の訓練所での決闘に至る。
山口はまだ、氷室の出身については聞いていなかった。
「ぼくはイギリスの冒険者養成施設から――」
「……」
氷室が話し始めたところで、訓練フィールドの門が開く。
この15階に好んで訓練しにくるようなクレイジーな冒険者はほぼいない。
だからこそ山口は内密な決闘及び会話ができると踏んだわけだが、今回は数少ない例外に当たってしまったようだ。
「貴様は誰だ?」
門の前には、【ウルフパック】の副社長、ストームファングこと一ノ瀬信長が立っていた。
どこまでも強さを求める一ノ瀬は、ダンジョンと訓練所に交互に足を運んでいる。
彼の視線は山口ではなく、その正面の麗人に注がれていた。
あまりの美しさに息を呑んだ、なんてことは一ノ瀬に限ってあるはずもない。
ただ単に、これまで見たこともない女性冒険者がこの地下15階にいるのが不快だっただけだ。
「山口の女か?」
細い糸目をピクリとも動かさず言う一ノ瀬だが、本気でそう思っているわけではない。
冒険者ならば誰もが感じる強者のオーラ。
銀髪の麗人はすぐ近くにいる山口に劣らないほどの、絶大なオーラを放っている。
「もしかして、きみがミスター・一ノ瀬かな?」
「……」
「ミスター・西園寺から聞いているよ。【ウルフパック】の副社長だと」
「まずは俺の質問に答えろ。貴様は何者だ?」
一ノ瀬は譲らなかった。氷室に対して敵意は向けていないものの、明らかに警戒している。
「ぼくは氷室澪奈。何者だ、というきみの質問に簡潔に答えるなら、隠れSランク冒険者ということになるね」
その自己紹介に、顔をしかめる一ノ瀬。
驚いた様子はない。
オーラを感じた時点で、彼女がSランク並みの実力者であることは予測できていた。
目の前にいる、初対面のSランク冒険者。
彼の思考は、山口とまったく同じであった。
「ちょうどいい。俺と戦え」
一ノ瀬にとって、隠れSランク冒険者がどうとか、西園寺が今まで隠していたとか、そういった細かいことはどうでもいい。
すぐそこに強者がいるのなら、戦うだけだ。
少しでも自分の実力を高めるために。
「これで一ノ瀬君が負けたら面白いけどね」
「黙れアホ。首から血を流している奴がよく言う」
「かすっただけだよ。ちょっとしたお遊びさ……って……」
ここで、山口があることに気付く。
「氷室君、さっき、西園寺さんから一ノ瀬君のことを聞いた、とか言ってなかったっけ?」
「ミスター・西園寺から聞かされていたのは、ミスター・一ノ瀬と才斗のことだけだよ」
「西園寺さん、なんで僕のことは教えなかったんだ……」
氷室と一ノ瀬の決闘が始まろうとしている中、山口は純粋にショックを受けていた。
***
「才斗くーん、えっちしーましょ」
「ダメ。才斗は姉である私と寝る」
寝室ではちょっとした小競り合いが起きていた。
パジャマを半分脱いだ状態で現れた淫乱ピーチと、ジャージ姿の姉さんの戦いだ。
俺のベッドに横になった姉さんはスリムな体で優しく俺を抱き締め、そのまま頭を撫でてくる。息を荒らげながら接近してくる楓香には軽い蹴りを入れているようだ。
楓香が吹っ飛んで壁に激突することはないので本気ではないと思う。
「そういえば今夜はあの人との約束ないんですか? 変な意味じゃないですよ。仕事の話です」
そんなこと、いちいち言われなくてもわかってる。
「今日は忙しいらしい。少し前に連絡があった」
「へぇ。えっちなことでもしてるんですかね?」
「毎回そっち系に路線変更するのはやめてくれ」
下ネタ大好きな楓香には毎回困る。
だが、ふと考えてみた。
ゼロナは女好きだし、楓香にも椎名さんにもかなりガツガツアプローチしようとしていた。
だとすると、そういう関係の相手がいてもおかしくはないな。
「氷室澪奈は高潔主義者。ちょっとでも曲がったことは許さない」
どうやら裏社会でのゼロナを知るらしい姉さん。
そんな姉さんからの救いの一言。なんだか安心した……。
「体には手を出さなくても、キス魔としては有名だった」
それは聞かない方が良かった。
その地下15階にある『地獄』と称されるほどの過酷な施設で、2人のSランク冒険者が剣を交えていた。
「最初は少し疑っていたけど、実力は確かみたいだね」
「ここまでの実力の相手と戦ったのは久しぶりだよ。才斗に剣術を教えたというのも納得できる」
「昔の話さ」
ソードナイトこと山口剣騎。
そしてフロストハウルこと氷室澪奈。
強者同士が出会うと、やることはひとつだ。
まずは実力試し。
これが最も手っ取り早い。
ほぼ互角に剣をぶつけ合っていた2人は、5分ほど戦うと満足したかのように動きを止めた。氷室には切り傷が2ヶ所。山口には1ヶ所。
「西園寺さんもやってくれるよねぇ。こんな強い冒険者を隠してたなんて。あのふにゃふにゃな一面は僕にだけ見せてくれてたのに」
「ふにゃふにゃな一面?」
「あ、そこはスルーしてくれていいよ」
ほんの少し不貞腐れたように唇を尖らせる山口。
氷室は西園寺のふにゃふにゃな一面とやらに興味を示した。
――この反応、もしかして西園寺さんの本当の姿は知らないのかぁ……。
西園寺の名誉のために伏せたものの、山口は氷室の反応に満足する。少なくとも自分の方が西園寺のことを知っていると。
――って、なに子供みたいな張り合いをしてるんだ僕は……。
表情を引き締め、咳払いをする。
「君が隠れSランクだっていう話も、ダンジョンに行かない冒険者の話も全部信じるとして……問題は君がどこから来たのか、という話さ」
氷室は美容室で山口の髪を整え終わると、黒瀬の時と同様に山口を地下の隠し部屋に案内し、自分が隠しSランクであるということと超人のことを軽く説明した。
それから山口が実力試しをしようと言い出し、今の訓練所での決闘に至る。
山口はまだ、氷室の出身については聞いていなかった。
「ぼくはイギリスの冒険者養成施設から――」
「……」
氷室が話し始めたところで、訓練フィールドの門が開く。
この15階に好んで訓練しにくるようなクレイジーな冒険者はほぼいない。
だからこそ山口は内密な決闘及び会話ができると踏んだわけだが、今回は数少ない例外に当たってしまったようだ。
「貴様は誰だ?」
門の前には、【ウルフパック】の副社長、ストームファングこと一ノ瀬信長が立っていた。
どこまでも強さを求める一ノ瀬は、ダンジョンと訓練所に交互に足を運んでいる。
彼の視線は山口ではなく、その正面の麗人に注がれていた。
あまりの美しさに息を呑んだ、なんてことは一ノ瀬に限ってあるはずもない。
ただ単に、これまで見たこともない女性冒険者がこの地下15階にいるのが不快だっただけだ。
「山口の女か?」
細い糸目をピクリとも動かさず言う一ノ瀬だが、本気でそう思っているわけではない。
冒険者ならば誰もが感じる強者のオーラ。
銀髪の麗人はすぐ近くにいる山口に劣らないほどの、絶大なオーラを放っている。
「もしかして、きみがミスター・一ノ瀬かな?」
「……」
「ミスター・西園寺から聞いているよ。【ウルフパック】の副社長だと」
「まずは俺の質問に答えろ。貴様は何者だ?」
一ノ瀬は譲らなかった。氷室に対して敵意は向けていないものの、明らかに警戒している。
「ぼくは氷室澪奈。何者だ、というきみの質問に簡潔に答えるなら、隠れSランク冒険者ということになるね」
その自己紹介に、顔をしかめる一ノ瀬。
驚いた様子はない。
オーラを感じた時点で、彼女がSランク並みの実力者であることは予測できていた。
目の前にいる、初対面のSランク冒険者。
彼の思考は、山口とまったく同じであった。
「ちょうどいい。俺と戦え」
一ノ瀬にとって、隠れSランク冒険者がどうとか、西園寺が今まで隠していたとか、そういった細かいことはどうでもいい。
すぐそこに強者がいるのなら、戦うだけだ。
少しでも自分の実力を高めるために。
「これで一ノ瀬君が負けたら面白いけどね」
「黙れアホ。首から血を流している奴がよく言う」
「かすっただけだよ。ちょっとしたお遊びさ……って……」
ここで、山口があることに気付く。
「氷室君、さっき、西園寺さんから一ノ瀬君のことを聞いた、とか言ってなかったっけ?」
「ミスター・西園寺から聞かされていたのは、ミスター・一ノ瀬と才斗のことだけだよ」
「西園寺さん、なんで僕のことは教えなかったんだ……」
氷室と一ノ瀬の決闘が始まろうとしている中、山口は純粋にショックを受けていた。
***
「才斗くーん、えっちしーましょ」
「ダメ。才斗は姉である私と寝る」
寝室ではちょっとした小競り合いが起きていた。
パジャマを半分脱いだ状態で現れた淫乱ピーチと、ジャージ姿の姉さんの戦いだ。
俺のベッドに横になった姉さんはスリムな体で優しく俺を抱き締め、そのまま頭を撫でてくる。息を荒らげながら接近してくる楓香には軽い蹴りを入れているようだ。
楓香が吹っ飛んで壁に激突することはないので本気ではないと思う。
「そういえば今夜はあの人との約束ないんですか? 変な意味じゃないですよ。仕事の話です」
そんなこと、いちいち言われなくてもわかってる。
「今日は忙しいらしい。少し前に連絡があった」
「へぇ。えっちなことでもしてるんですかね?」
「毎回そっち系に路線変更するのはやめてくれ」
下ネタ大好きな楓香には毎回困る。
だが、ふと考えてみた。
ゼロナは女好きだし、楓香にも椎名さんにもかなりガツガツアプローチしようとしていた。
だとすると、そういう関係の相手がいてもおかしくはないな。
「氷室澪奈は高潔主義者。ちょっとでも曲がったことは許さない」
どうやら裏社会でのゼロナを知るらしい姉さん。
そんな姉さんからの救いの一言。なんだか安心した……。
「体には手を出さなくても、キス魔としては有名だった」
それは聞かない方が良かった。
あなたにおすすめの小説
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活
シン
ファンタジー
世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。
大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。
GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。
ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。
そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。
探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。
そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。
たまに有り得ない方向に話が飛びます。
一話短めです。
洗脳機械で理想のヒロインを作ったら、俺の人生が変わりすぎた
里奈使徒
キャラ文芸
白石翔太は、いじめから逃れるため禁断の選択をした。
財閥令嬢に自作小説のヒロインの記憶を移植し、自分への愛情を植え付けたのだ。
計画は完璧に成功し、絶世の美女は彼を慕うようになる。
しかし、彼女の愛情が深くなるほど、翔太の罪悪感も膨らんでいく。
これは愛なのか、それとも支配なのか?
偽りの記憶から生まれた感情に真実はあるのか?
マッチポンプ(自作自演)の愛に苦悩する少年の、複雑な心理を描く現代ファンタジー。
「愛されたい」という願いが引き起こした、予想外の結末とは——