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フロストハウル編
第121話 メイド服姿をお披露目して発情する淫乱ピーチ
10月末の文化祭が迫ってきた。
2年3組の出し物はメイド喫茶。
それも、ダンジョン冒険者を絡めた、他のクラスにはできないであろうオリジナルのメイド喫茶だ。
実は2年1組と5組もメイド喫茶をするらしいのだが、俺のクラスが抜けていることは間違いない。それは他と差別化できているという点に加え、女性スタッフの見た目の華やかさというのも関係してくる。
圧倒的エースは楓香だ。
それに匹敵する美人の佐藤勝海、そして最近よく話すようになった椎名奈菜。
ちなみに、事後報告にはなるが、もう椎名のことは「さん」付けしていない。
「黒瀬、どう?」
「似合ってる」
「別に、あんたに聞いたわけじゃないから。調子に乗らないでよね」
明らかに俺の名前を呼んでいたような気がするが。
きっと気のせいだったんだろう。
佐藤は隣の空き教室でメイド服に着替えてくると、顔を赤くしながらその可愛い姿をお披露目してきた。
他のクラスメイトはかなり喜んでいる様子だ。
佐藤は友達がいないので、可愛い~とか言って近寄ってくる女子はいない。だが、遠目で佐藤さん可愛いと称賛している女子生徒もいたし、男子は……言うまでもない。
佐藤がメイド服姿で戻ってきて3分くらいすると、今度は楓香がドヤ顔で教室に入ってきた。
もちろんメイド服を着ている。
「才斗くん、興奮します? メイドといったらエロですよね」
「せめてもっと健全な言葉を選んでくれ」
「それが……できないんです。メイド服を着たら、どうしてもそういう気分になっちゃって……ムラムラが止まらないんですよぅ。わたしの性欲を受け止めてくれますか?」
「断る。ていうか、楓香はメイド服着る必要ないだろ」
文化祭当日、楓香はスーツ姿だ。
冒険者として、メイド喫茶のマスコット的存在になる必要がある(一応俺も)。
正直に言うと、楓香のメイド服姿はとても似合っていて、今回見る価値は大いにあった。だが、そんなことを告白してしまえば、楓香の下ネタはどんどんエスカレートしていくだろう。
これがクラス全体の前での会話であることを思い出してほしい。
さっきの暴走気味の会話は全てクラスメイトに聞かれているわけだ。
男子の大半はドン引きしていたが、意外と女子にはウケていた(とはいえ一部だけ)。もしかしたら、こういう生々しい下ネタは女子の方が好きなのかもしれないな。まあ、俺には関係のないことだが。
「ちょっと楓香、スカート上げすぎ! そんな破廉恥な格好が許されると思ってるわけ?」
「そういう勝海さんだって、胸のところをわざときつく締めてるような気がするけど~?」
犬猿の仲っぽかった2人も、とうとう下の名前で呼び合う仲に……。
気付かないうちに、女同士の友情を育んでいた2人。
過酷な状況を経験し、一緒に乗り越えたおかげで、楓香と佐藤は親友と言ってもいいくらいに仲良くなっていた。
本人たちは絶対に認めないだろうが。
少なくとも、冒険者同士理解し合える同性の仲間がいると気が楽になる。それを知っている俺としては、嬉しい変化だ。
佐藤が無理やり楓香のスカートを下に引っ張り、そんな佐藤の胸を楓香が揉んでいる。
俺の彼女のしていることはよくわからんが、とりあえず目に優しいイチャイチャの光景だった。
大輔がこっそり写真を撮っていたことも確認済みだ。
「見て、やっぱり椎名さん可愛い~」
「それな! 奈菜ちゃん尊すぎ」
「ヤバーい」
ガールズイチャイチャを楽しんでいた間に、男子生徒の新たなどよめきと、女子生徒の甲高い称賛の言葉が教室中に広がっていた。
その称賛の的は椎名だ。
メイド服の着こなし自体は健全そのもの。
むしろスカート丈をより長くしているような気がする。
だが、だからこそ、そこには純粋なメイドさんが存在していた。ご主人様の命令には何でも従います、と言わんばかりの立ち居振る舞い――もしかしたらメイド喫茶に潜入調査したことがあるのかもな、と勝手に思った。
「文句の付けどころがないくらい似合ってますね……」
楓香でさえも呆気に取られていた。
降参とでもいうように両手を挙げる。
「別に似合ってるとか思ってないけど、可愛いんじゃないの」
結局褒めているような気もするが、佐藤のツンデレは今に始まったことじゃないしな。
つまりはそれだけ、椎名のメイド服姿がクリティカルヒットだったということだ。もうダンジョン冒険者とかいうコンセプトをなくして、メイドの可愛さだけで勝負してもいいような気がする。
***
「今日は急に呼び出してすまない。重要なことだ。どうしても助言が欲しかった」
「西園寺さん、まずは氷室澪奈のことを詳しく聞きたいんだけど。特に、どうして一ノ瀬君のことは教えていたのに、僕のことは教えていなかったのか、とかそういうことを」
山口は西園寺リバーサイドの最上階に来ていた。
活動が忙しかったこともあり、西園寺リバーサイドに顔を出すのは10月15日以来である(地下の訓練所はカウントしない)。
「悪いが、その件は今、それほど肝心なことではない」
「その件こそ、まさに今話し合うべきことだと思うけど……」
山口の質問の答えは得られなさそうだ。
しかし、ここで山口は警戒する。
隠れSランク冒険者や超人の件より、さらに肝心なことを西園寺は話そうとしているのだ。わざわざ呼び出してまで、あの西園寺が助言を求めるとは何事か……。
「……実は、才君の文化祭の件なんだが……」
「え?」
「最悪なことに、文化祭のある土日は重要なミーティングがある。それも、2日間。完全に拘束されてしまうほどの」
「……えーっと?」
「――うぁぁぁあああ! どーしても行きたいんだっ! 上手くサボって行きたいなーなんて、社長失格なことを考えているわけだけど……剣騎様、どうかオレの代わりに会議に出席してくれませんでしょうか?」
【ウルフパック】の社長はもう、完全に開き直っていた。
2年3組の出し物はメイド喫茶。
それも、ダンジョン冒険者を絡めた、他のクラスにはできないであろうオリジナルのメイド喫茶だ。
実は2年1組と5組もメイド喫茶をするらしいのだが、俺のクラスが抜けていることは間違いない。それは他と差別化できているという点に加え、女性スタッフの見た目の華やかさというのも関係してくる。
圧倒的エースは楓香だ。
それに匹敵する美人の佐藤勝海、そして最近よく話すようになった椎名奈菜。
ちなみに、事後報告にはなるが、もう椎名のことは「さん」付けしていない。
「黒瀬、どう?」
「似合ってる」
「別に、あんたに聞いたわけじゃないから。調子に乗らないでよね」
明らかに俺の名前を呼んでいたような気がするが。
きっと気のせいだったんだろう。
佐藤は隣の空き教室でメイド服に着替えてくると、顔を赤くしながらその可愛い姿をお披露目してきた。
他のクラスメイトはかなり喜んでいる様子だ。
佐藤は友達がいないので、可愛い~とか言って近寄ってくる女子はいない。だが、遠目で佐藤さん可愛いと称賛している女子生徒もいたし、男子は……言うまでもない。
佐藤がメイド服姿で戻ってきて3分くらいすると、今度は楓香がドヤ顔で教室に入ってきた。
もちろんメイド服を着ている。
「才斗くん、興奮します? メイドといったらエロですよね」
「せめてもっと健全な言葉を選んでくれ」
「それが……できないんです。メイド服を着たら、どうしてもそういう気分になっちゃって……ムラムラが止まらないんですよぅ。わたしの性欲を受け止めてくれますか?」
「断る。ていうか、楓香はメイド服着る必要ないだろ」
文化祭当日、楓香はスーツ姿だ。
冒険者として、メイド喫茶のマスコット的存在になる必要がある(一応俺も)。
正直に言うと、楓香のメイド服姿はとても似合っていて、今回見る価値は大いにあった。だが、そんなことを告白してしまえば、楓香の下ネタはどんどんエスカレートしていくだろう。
これがクラス全体の前での会話であることを思い出してほしい。
さっきの暴走気味の会話は全てクラスメイトに聞かれているわけだ。
男子の大半はドン引きしていたが、意外と女子にはウケていた(とはいえ一部だけ)。もしかしたら、こういう生々しい下ネタは女子の方が好きなのかもしれないな。まあ、俺には関係のないことだが。
「ちょっと楓香、スカート上げすぎ! そんな破廉恥な格好が許されると思ってるわけ?」
「そういう勝海さんだって、胸のところをわざときつく締めてるような気がするけど~?」
犬猿の仲っぽかった2人も、とうとう下の名前で呼び合う仲に……。
気付かないうちに、女同士の友情を育んでいた2人。
過酷な状況を経験し、一緒に乗り越えたおかげで、楓香と佐藤は親友と言ってもいいくらいに仲良くなっていた。
本人たちは絶対に認めないだろうが。
少なくとも、冒険者同士理解し合える同性の仲間がいると気が楽になる。それを知っている俺としては、嬉しい変化だ。
佐藤が無理やり楓香のスカートを下に引っ張り、そんな佐藤の胸を楓香が揉んでいる。
俺の彼女のしていることはよくわからんが、とりあえず目に優しいイチャイチャの光景だった。
大輔がこっそり写真を撮っていたことも確認済みだ。
「見て、やっぱり椎名さん可愛い~」
「それな! 奈菜ちゃん尊すぎ」
「ヤバーい」
ガールズイチャイチャを楽しんでいた間に、男子生徒の新たなどよめきと、女子生徒の甲高い称賛の言葉が教室中に広がっていた。
その称賛の的は椎名だ。
メイド服の着こなし自体は健全そのもの。
むしろスカート丈をより長くしているような気がする。
だが、だからこそ、そこには純粋なメイドさんが存在していた。ご主人様の命令には何でも従います、と言わんばかりの立ち居振る舞い――もしかしたらメイド喫茶に潜入調査したことがあるのかもな、と勝手に思った。
「文句の付けどころがないくらい似合ってますね……」
楓香でさえも呆気に取られていた。
降参とでもいうように両手を挙げる。
「別に似合ってるとか思ってないけど、可愛いんじゃないの」
結局褒めているような気もするが、佐藤のツンデレは今に始まったことじゃないしな。
つまりはそれだけ、椎名のメイド服姿がクリティカルヒットだったということだ。もうダンジョン冒険者とかいうコンセプトをなくして、メイドの可愛さだけで勝負してもいいような気がする。
***
「今日は急に呼び出してすまない。重要なことだ。どうしても助言が欲しかった」
「西園寺さん、まずは氷室澪奈のことを詳しく聞きたいんだけど。特に、どうして一ノ瀬君のことは教えていたのに、僕のことは教えていなかったのか、とかそういうことを」
山口は西園寺リバーサイドの最上階に来ていた。
活動が忙しかったこともあり、西園寺リバーサイドに顔を出すのは10月15日以来である(地下の訓練所はカウントしない)。
「悪いが、その件は今、それほど肝心なことではない」
「その件こそ、まさに今話し合うべきことだと思うけど……」
山口の質問の答えは得られなさそうだ。
しかし、ここで山口は警戒する。
隠れSランク冒険者や超人の件より、さらに肝心なことを西園寺は話そうとしているのだ。わざわざ呼び出してまで、あの西園寺が助言を求めるとは何事か……。
「……実は、才君の文化祭の件なんだが……」
「え?」
「最悪なことに、文化祭のある土日は重要なミーティングがある。それも、2日間。完全に拘束されてしまうほどの」
「……えーっと?」
「――うぁぁぁあああ! どーしても行きたいんだっ! 上手くサボって行きたいなーなんて、社長失格なことを考えているわけだけど……剣騎様、どうかオレの代わりに会議に出席してくれませんでしょうか?」
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