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フロストハウル編
第125話 スペシャルゲストはあいつという期待外れ(人による)
体育館には等間隔にパイプ椅子が並べられていて、そのすべての席が観客で綺麗に埋め尽くされていた。
今ステージの上で話している冒険者を見るために、これだけの人が集まったということだ。
この学校の生徒だけではなく、アイドルを応援するようなうちわを持ったガチファンや、多くの保護者、小さい子供たちが集っていた。
これほどまでの人気とは。
正直に言うと、ちょっとだけ悔しい。
スペシャルゲストはステージの上に配置されているソファに腰掛け、その隣に座る放送部の女子生徒と対談するような形で話している。
講演会と宣伝されていたものの、実際はトークショーみたいな感じか。
「雷電だったか……」
俺の期待は一気に水の泡に。
スペシャルゲストの正体は俺と同じ【ウルフパック】所属のSランク冒険者、雷電舞姫だった。
それこそ、西園寺がスペシャルゲストって流れでも良かったんじゃないか?
「雷電がゲストって知ってましたか?」
一応西園寺に聞いてみる。
彼は雷電の上司だし、知っていてもおかしくはない。
スペシャルゲストの話題になった途端に何も言わなくなったので、もしやと思っていた。
だが――。
「初耳だ」
「え?」
「1ヶ月ほど前、私にスペシャルゲストの件でメールが来たんだが……重要な会議があると断ったもので……」
「それって、剣騎に丸投げしたっていう――」
「そうだ。剣騎には申し訳ないと思っている」
絶対思ってないだろ。
思ってるんだったら会議に参加してくれ。
それより、やっぱり西園寺にもスペシャルゲストの依頼が来てたのか。雷電が呼ばれるくらいだから、まずは有名人で超絶人気の西園寺に依頼するのは当然だな。
「依頼を断ってからは何も報告がなかったのでまったく気にしていなかったのだが……まさか雷電舞姫が……」
「普通は社長に連絡が入るんじゃないの? 会社宛てのメールはあんたが管理してるんでしょ?」
ここで真悠姉さんが凍り付く。
俺も一緒だ。
西園寺を「あんた」呼びできるほど度胸のあるアホはなかなかいない。佐藤はふにゃふにゃ西園寺を知らないはずなのに、やってのけた。
いろいろと無礼で生意気な小娘だとは思う。
だが、西園寺はそんなことまったく気にしない。
「おそらくDMで連絡を取ったんだろう。社長に一言いってくれてもいいような気もするが……」
それもそうだ。
だが、雷電にとってはこの講演会もちょっとしたおまけ活動という認識でしかないんだろう。社長に報告するまでもない、と。
テレビに出たりすることもよくあるし、これも芸能活動の一環という感じか。
「すみません、チケットは買われましたか?」
「……あ、いえ……」
実行委員が体育館入り口で立ち止まっている俺たちに話しかけてくる。
チケットを買うなんていうのは初耳なので、首を振った。
「でしたら、本校舎1階の下足室近くで販売しているので、ぜひ買われてからいらしてください。まだ立ち見席には空きがありますので」
この実行委員の少年は、俺たちが何者であるかわかっているんだろうか。
西園寺や真悠姉さんの存在に驚いた様子がまったくない。
「チケットはいくらですか?」
肝心な値段を聞く。
無料でもおかしくはないというか、だいたい無料でやっているようなイメージがあるが、ここでは違うらしいからな。
高校のちょっとしたイベントだし、せいぜい数百円くらいで――。
「2200円です」
「「「は!?」」」
俺、真悠姉さん、佐藤の3人が驚きのあまり声を上げる。
これは法外な値段だ。
中身スッカスカな雷電トークに振り回されている来客たちは、全員このためだけに2200円を払ったというのか……。
『あれ? しゃちょーと真悠っちじゃーん! ついでに黒瀬も。わざわざ来てくれるとかマジ神』
大声で反応してしまったせいか、雷電が俺たちに気付いた。
会場中の視線が体育館入り口に集まる。
視線は主に西園寺、真悠姉さん、俺の3人に向けられていた。
その瞬間、大歓声。
この学校の生徒である俺はともかく、まさか西園寺龍河と本波真悠を拝めるとは思わなかっただろう。
皮肉なことに、これで彼らの2200円が報われる形になったのかもしれないな。
今ステージの上で話している冒険者を見るために、これだけの人が集まったということだ。
この学校の生徒だけではなく、アイドルを応援するようなうちわを持ったガチファンや、多くの保護者、小さい子供たちが集っていた。
これほどまでの人気とは。
正直に言うと、ちょっとだけ悔しい。
スペシャルゲストはステージの上に配置されているソファに腰掛け、その隣に座る放送部の女子生徒と対談するような形で話している。
講演会と宣伝されていたものの、実際はトークショーみたいな感じか。
「雷電だったか……」
俺の期待は一気に水の泡に。
スペシャルゲストの正体は俺と同じ【ウルフパック】所属のSランク冒険者、雷電舞姫だった。
それこそ、西園寺がスペシャルゲストって流れでも良かったんじゃないか?
「雷電がゲストって知ってましたか?」
一応西園寺に聞いてみる。
彼は雷電の上司だし、知っていてもおかしくはない。
スペシャルゲストの話題になった途端に何も言わなくなったので、もしやと思っていた。
だが――。
「初耳だ」
「え?」
「1ヶ月ほど前、私にスペシャルゲストの件でメールが来たんだが……重要な会議があると断ったもので……」
「それって、剣騎に丸投げしたっていう――」
「そうだ。剣騎には申し訳ないと思っている」
絶対思ってないだろ。
思ってるんだったら会議に参加してくれ。
それより、やっぱり西園寺にもスペシャルゲストの依頼が来てたのか。雷電が呼ばれるくらいだから、まずは有名人で超絶人気の西園寺に依頼するのは当然だな。
「依頼を断ってからは何も報告がなかったのでまったく気にしていなかったのだが……まさか雷電舞姫が……」
「普通は社長に連絡が入るんじゃないの? 会社宛てのメールはあんたが管理してるんでしょ?」
ここで真悠姉さんが凍り付く。
俺も一緒だ。
西園寺を「あんた」呼びできるほど度胸のあるアホはなかなかいない。佐藤はふにゃふにゃ西園寺を知らないはずなのに、やってのけた。
いろいろと無礼で生意気な小娘だとは思う。
だが、西園寺はそんなことまったく気にしない。
「おそらくDMで連絡を取ったんだろう。社長に一言いってくれてもいいような気もするが……」
それもそうだ。
だが、雷電にとってはこの講演会もちょっとしたおまけ活動という認識でしかないんだろう。社長に報告するまでもない、と。
テレビに出たりすることもよくあるし、これも芸能活動の一環という感じか。
「すみません、チケットは買われましたか?」
「……あ、いえ……」
実行委員が体育館入り口で立ち止まっている俺たちに話しかけてくる。
チケットを買うなんていうのは初耳なので、首を振った。
「でしたら、本校舎1階の下足室近くで販売しているので、ぜひ買われてからいらしてください。まだ立ち見席には空きがありますので」
この実行委員の少年は、俺たちが何者であるかわかっているんだろうか。
西園寺や真悠姉さんの存在に驚いた様子がまったくない。
「チケットはいくらですか?」
肝心な値段を聞く。
無料でもおかしくはないというか、だいたい無料でやっているようなイメージがあるが、ここでは違うらしいからな。
高校のちょっとしたイベントだし、せいぜい数百円くらいで――。
「2200円です」
「「「は!?」」」
俺、真悠姉さん、佐藤の3人が驚きのあまり声を上げる。
これは法外な値段だ。
中身スッカスカな雷電トークに振り回されている来客たちは、全員このためだけに2200円を払ったというのか……。
『あれ? しゃちょーと真悠っちじゃーん! ついでに黒瀬も。わざわざ来てくれるとかマジ神』
大声で反応してしまったせいか、雷電が俺たちに気付いた。
会場中の視線が体育館入り口に集まる。
視線は主に西園寺、真悠姉さん、俺の3人に向けられていた。
その瞬間、大歓声。
この学校の生徒である俺はともかく、まさか西園寺龍河と本波真悠を拝めるとは思わなかっただろう。
皮肉なことに、これで彼らの2200円が報われる形になったのかもしれないな。
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