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休日と大阪出張編
第37話 今日はとことん多すぎる意味深なセリフたち
「西園寺、貴様は今、何を考えている?」
「……」
沈黙。
西園寺リバーサイドの最上階。
豪勢な椅子に腰掛ける西園寺龍河には、まるで社長のような風格があった。いや、実際に彼はここの社長だった。
沈痛な面持ちをした西園寺の前に立っているのは、副社長の一ノ瀬。
冒険者仕様のスーツを着用し、戦う準備万端だ。
「剣騎に続き、黒瀬も大阪に向かった。君には東京で次の襲撃に備えてほしい」
「ここ、だと? 襲撃があったのは大阪だ。実行犯はおそらく大阪を動けていない。ならばそのうちに叩き潰すべきだ」
「これは組織的な犯行だと思っている。そのうち東京でも同じように仕掛けてくる可能性がある」
西園寺は威厳を放っていた。
一ノ瀬でなければ、その威厳で委縮してしまい、何も物申すことなどできなかっただろう。しかし、一ノ瀬は物怖じしない。西園寺を恐れていないからだ。
「あの馬鹿が殺されたのだ! ここで呑気に敵を待っていろとでも言うつもりか!?」
「青木真一の敵討ち、そういうことか? 普段あれだけ罵倒していても、君は彼を認めていた、ということだな」
「……」
一ノ瀬が拳を握り締める。
西園寺の態度はいけ好かない。
「貴様はどうするつもりだ? 社長として、部下が殺られたケジメはつけなくても良いのか?」
「殺られた、か……面白いことを言う」
「何がおかしい?」
「彼は君が思っているよりも有能な男だった、ということだ」
ここまで暗い表情を見せていた西園寺が、笑った。
***
大阪には1時間もせずに着いた。
さすがはプライベートジェット。無駄な手続きもないし、好きなだけ飛ばしていい。
剣騎が真一と別れた場所へと向かう。
僅か10分くらいだったらしい。真一はふらっといなくなったそうだ。
「昨日も1日中さがしたんだけど、手掛かりがないからどうしようもなかった。そこで切り札として才斗を呼んだわけさ」
「俺は別に捜索が得意ってわけじゃない」
「もちろん、才斗に捜索を頼んでるわけじゃない。才斗には敵の餌になってほしいんだ」
***
白桃は急に黒瀬がいなくなったことに対し、不安を覚えていた。
本当に体調不良で保健室に行ったのであれば心配だ。
しかし、その可能性が低いことも、冒険者として黒瀬才斗を知る彼女は理解していた。
――何か事件があった?
考えれられるのは幹部を駆り出さなければならないほどの大事件が起きたということ。
自分の力量はわかっている。
しかし、白桃は自分が蚊帳の外に置かれているという事実が嫌だった。
「ねえ、あんた黒瀬のこと何か知ってるんじゃないの?」
放課後になって話しかけてきたのは佐藤だ。
黒瀬のいないところで、2人だけで話すのは初めてだった。
「体調不良だとしか言われてないから……」
「ふーん、別に、黒瀬のこと心配してるわけじゃないんだけどねっ」
じゃあなんで聞いてきたのか、そんなツッコミはあえてしなかった。
その前に、佐藤に対して感じた違和感があったのだ。
「佐藤さん、そういえば雰囲気変わった?」
「べ、別に……どこも変えてないけど……」
――怪しい。
「んー」
じーっと見つめる白桃。
それに対抗して見つめ返す佐藤。
2人はクラスでトップ2の美少女だ。
お互いにその容姿端麗さは心の中では認めているため、女性同士でも少し照れてしまう。
綺麗な顔を突き合わせ、そして同時に頬を紅潮させる2人の美少女。
……。
……。
……。
「わかったから! 言えばいんでしょ言えば!」
何も言っていないのに、佐藤が我慢の限界を迎えた。
「わたし何も言ってないけど……」
「そんなに気になるなら教えてあげるわよ! 言っとくけど、絶対他の人に言わないでよね!」
「はぁ」
「私、冒険者になったの」
「……」
「だから、私、【選別の泉】に入って冒険者になったって言ってんの! 話聞いてる?」
「……はぁ?」
「……」
沈黙。
西園寺リバーサイドの最上階。
豪勢な椅子に腰掛ける西園寺龍河には、まるで社長のような風格があった。いや、実際に彼はここの社長だった。
沈痛な面持ちをした西園寺の前に立っているのは、副社長の一ノ瀬。
冒険者仕様のスーツを着用し、戦う準備万端だ。
「剣騎に続き、黒瀬も大阪に向かった。君には東京で次の襲撃に備えてほしい」
「ここ、だと? 襲撃があったのは大阪だ。実行犯はおそらく大阪を動けていない。ならばそのうちに叩き潰すべきだ」
「これは組織的な犯行だと思っている。そのうち東京でも同じように仕掛けてくる可能性がある」
西園寺は威厳を放っていた。
一ノ瀬でなければ、その威厳で委縮してしまい、何も物申すことなどできなかっただろう。しかし、一ノ瀬は物怖じしない。西園寺を恐れていないからだ。
「あの馬鹿が殺されたのだ! ここで呑気に敵を待っていろとでも言うつもりか!?」
「青木真一の敵討ち、そういうことか? 普段あれだけ罵倒していても、君は彼を認めていた、ということだな」
「……」
一ノ瀬が拳を握り締める。
西園寺の態度はいけ好かない。
「貴様はどうするつもりだ? 社長として、部下が殺られたケジメはつけなくても良いのか?」
「殺られた、か……面白いことを言う」
「何がおかしい?」
「彼は君が思っているよりも有能な男だった、ということだ」
ここまで暗い表情を見せていた西園寺が、笑った。
***
大阪には1時間もせずに着いた。
さすがはプライベートジェット。無駄な手続きもないし、好きなだけ飛ばしていい。
剣騎が真一と別れた場所へと向かう。
僅か10分くらいだったらしい。真一はふらっといなくなったそうだ。
「昨日も1日中さがしたんだけど、手掛かりがないからどうしようもなかった。そこで切り札として才斗を呼んだわけさ」
「俺は別に捜索が得意ってわけじゃない」
「もちろん、才斗に捜索を頼んでるわけじゃない。才斗には敵の餌になってほしいんだ」
***
白桃は急に黒瀬がいなくなったことに対し、不安を覚えていた。
本当に体調不良で保健室に行ったのであれば心配だ。
しかし、その可能性が低いことも、冒険者として黒瀬才斗を知る彼女は理解していた。
――何か事件があった?
考えれられるのは幹部を駆り出さなければならないほどの大事件が起きたということ。
自分の力量はわかっている。
しかし、白桃は自分が蚊帳の外に置かれているという事実が嫌だった。
「ねえ、あんた黒瀬のこと何か知ってるんじゃないの?」
放課後になって話しかけてきたのは佐藤だ。
黒瀬のいないところで、2人だけで話すのは初めてだった。
「体調不良だとしか言われてないから……」
「ふーん、別に、黒瀬のこと心配してるわけじゃないんだけどねっ」
じゃあなんで聞いてきたのか、そんなツッコミはあえてしなかった。
その前に、佐藤に対して感じた違和感があったのだ。
「佐藤さん、そういえば雰囲気変わった?」
「べ、別に……どこも変えてないけど……」
――怪しい。
「んー」
じーっと見つめる白桃。
それに対抗して見つめ返す佐藤。
2人はクラスでトップ2の美少女だ。
お互いにその容姿端麗さは心の中では認めているため、女性同士でも少し照れてしまう。
綺麗な顔を突き合わせ、そして同時に頬を紅潮させる2人の美少女。
……。
……。
……。
「わかったから! 言えばいんでしょ言えば!」
何も言っていないのに、佐藤が我慢の限界を迎えた。
「わたし何も言ってないけど……」
「そんなに気になるなら教えてあげるわよ! 言っとくけど、絶対他の人に言わないでよね!」
「はぁ」
「私、冒険者になったの」
「……」
「だから、私、【選別の泉】に入って冒険者になったって言ってんの! 話聞いてる?」
「……はぁ?」
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