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恋人と常にラブコメ編
第54話 学校でもバレちゃったら仕方ないよねという精神
Sランクになって、【選別の泉】の敷地を出た時だった。
夜だというのに、激しいライトの光が俺を照らす。
パシャパシャというカメラのシャッターを押す音があちこちで鳴り、俺も事態の深刻さに気が付いた。
「パパラッチだね」
「こんな時間までいるなんてな」
「そんなものさ、パパラッチなんて」
剣騎の一言で、全てを察する。
どこかから情報を仕入れたパパラッチの集団は、俺がこうしてSランクになって出てくるのを待っていたのだ。
俺がブラックということを知らなかったとしても、【ウルフパック】ほどの大企業が【選別の泉】を貸し切っていればニュースになる。
楓香と俺は手を繋いでいた。
初々しいカップルが街を歩く1ショット。
パパラッチにとってはこれほどまでに嬉しいことはない。
「こうなるかもしれないとは思っていた」
さっきのぐちゃぐちゃな様子からすっかり切り替えた西園寺が、俺を守るようにしてカメラの前に立つ。
彼の圧倒的な存在感が、パパラッチを委縮させた。
「もう才君も大人だ。ここに発表しよう。ここ最近、世間を騒がせてきた冒険者ブラックの正体は、ここにいる高校2年生の少年、黒瀬才斗だ」
まさか、ここで公表してしまうとは。
社長の意向であれば仕方ない……。
***
俺がブラックであるというニュースは瞬く間に全国に広まった。
朝のニュース、昼のニュース、夜のニュース。
当然ながら、冒険者ニュースでも大々的に取り上げられた。
地上波では報道されていないが、週刊誌では俺と楓香が手を繋いで歩いている、ザ・カップルというような姿が報道され、さらに盛り上がった。
「これも大人の冒険者になる上で必要な道さ。我慢するしかないね」
剣騎はクールに言ったものの、少し同情しているようでもあった。
そして。
この騒動を受け、【ウルフパック】は日曜、9月18日の水曜日に記者会見をすることを発表。
その記者会見に参加するのは、西園寺と俺、そして剣騎。
どうして剣騎なのかというと、西園寺が不安にならないための助っ人とのことらしい。
西園寺はどうすればいいのかわからなくなったら赤ちゃんのように泣き出す。
今まで彼に抱いていたイメージが180度変わる瞬間だった。
それがポジティブなものなのかネガティブなものなのかはわからない。親しみやすくなったと思うべきか、頼りないなぁと思うべきか。
***
記者会見2日前の月曜日。
俺がブラックであることが世間に晒されてから、初めての学校だ。
ここ最近クラスメイトの注目を浴びたのは楓香が転校してきた時くらいか。
あれだけの注目も面倒に思ったのに、今回はそれと比べものにならないほどの注目が俺を襲う。
「才斗……まさか貴様があのブラックだったとは……我ながら不覚」
席に着いて、早速声をかけてきたのは大輔。
そりゃあそうか。
席は近いし、最近はよく話す友達だ。
一緒に冒険者ワールドにも行った仲でもある。
騙されていた、という認識はないようで良かった。ただ、むしろこれまで以上に絡んでくるだろうなとは思う。
クラスメイトの中で、というか一般人で俺の正体を知っていたのは佐藤くらいで、その佐藤は今学校に来ていない。
今週も休むんだろうか。
楓香に佐藤が闇派閥に関わっているかもしれないと聞かされているので、多分ただの病欠ではないだろうと察していた。
「うわぁ、黒瀬君だ」
「すげぇ、ブラックだ」
「こっち見てー」
少し前までモブだったのに……。
今の俺は学校で1番の有名人。
大輔が俺に話しかけると、チャンスとばかりに多くのクラスメイトが俺に絡んできた。
男子も女子もいる。
特に女子の方が多いように感じた。
「ねえ黒瀬君、彼女とかいる?」
クラスでも結構可愛い系の、椎名さんが聞いてくる。
「ダメダメ、椎名さんには彼氏いるでしょー」
「もう別れたしー。地雷踏まないでー」
「ごめーん」
なんだこの会話。
俺の前でそんな面倒な会話を始めないでほしい。
ちらっと楓香の方を確認する。意外なことに、まだ何も言ってこない。
ヤンデレっぽいことを言ってクラスメイトをドン引きされそうだなと予測していたわけだが、見事に外れている。
こういう時こそヤンデレの出番じゃないのか。
「……」
じー。
口を閉じ、こっちを見つめてくる楓香。
何かを期待しているかのように、瞳は光を反射して輝いている。
不運なことに、俺にはその期待の正体がわかってしまった。長い付き合いというわけじゃないが、何度か死線をくぐり抜けた仲だ。
何を考えているかくらいわかる。恋人でもあるしな。
「……実は……」
「ねね、彼女いないんだったらさ、私と付き合う?」
椎名さんが大胆なことを言ってきた。
普段は清楚な雰囲気を醸し出しているが、実はビッチという噂も出ている女子生徒だ。
正直、あんまり関わりたくはない。
それに、そう。
俺には彼女がいるしな。
「実は俺、楓香と付き合ってるんだ」
俺の口から出た一言。
まさか、自分で楓香との関係をクラスメイトに明かす日が来るとは。
結局バレることなのかもしれないが、逆に自分で今のうちに言っておくことで、先手を打った形になったと信じたい。
クラス全体が俺に注目していた。
朝のホームルーム前。
教室は静まり返り、注目は俺と楓香にだけ注がれている。
ここで沈黙を貫いていた楓香がやっと声を発した。
「そうなんですよ~、才斗くんとはラブラブカップルなんです。ついでに言っときますね。わたしも、実は【ウルフパック】所属の冒険者なんです」
夜だというのに、激しいライトの光が俺を照らす。
パシャパシャというカメラのシャッターを押す音があちこちで鳴り、俺も事態の深刻さに気が付いた。
「パパラッチだね」
「こんな時間までいるなんてな」
「そんなものさ、パパラッチなんて」
剣騎の一言で、全てを察する。
どこかから情報を仕入れたパパラッチの集団は、俺がこうしてSランクになって出てくるのを待っていたのだ。
俺がブラックということを知らなかったとしても、【ウルフパック】ほどの大企業が【選別の泉】を貸し切っていればニュースになる。
楓香と俺は手を繋いでいた。
初々しいカップルが街を歩く1ショット。
パパラッチにとってはこれほどまでに嬉しいことはない。
「こうなるかもしれないとは思っていた」
さっきのぐちゃぐちゃな様子からすっかり切り替えた西園寺が、俺を守るようにしてカメラの前に立つ。
彼の圧倒的な存在感が、パパラッチを委縮させた。
「もう才君も大人だ。ここに発表しよう。ここ最近、世間を騒がせてきた冒険者ブラックの正体は、ここにいる高校2年生の少年、黒瀬才斗だ」
まさか、ここで公表してしまうとは。
社長の意向であれば仕方ない……。
***
俺がブラックであるというニュースは瞬く間に全国に広まった。
朝のニュース、昼のニュース、夜のニュース。
当然ながら、冒険者ニュースでも大々的に取り上げられた。
地上波では報道されていないが、週刊誌では俺と楓香が手を繋いで歩いている、ザ・カップルというような姿が報道され、さらに盛り上がった。
「これも大人の冒険者になる上で必要な道さ。我慢するしかないね」
剣騎はクールに言ったものの、少し同情しているようでもあった。
そして。
この騒動を受け、【ウルフパック】は日曜、9月18日の水曜日に記者会見をすることを発表。
その記者会見に参加するのは、西園寺と俺、そして剣騎。
どうして剣騎なのかというと、西園寺が不安にならないための助っ人とのことらしい。
西園寺はどうすればいいのかわからなくなったら赤ちゃんのように泣き出す。
今まで彼に抱いていたイメージが180度変わる瞬間だった。
それがポジティブなものなのかネガティブなものなのかはわからない。親しみやすくなったと思うべきか、頼りないなぁと思うべきか。
***
記者会見2日前の月曜日。
俺がブラックであることが世間に晒されてから、初めての学校だ。
ここ最近クラスメイトの注目を浴びたのは楓香が転校してきた時くらいか。
あれだけの注目も面倒に思ったのに、今回はそれと比べものにならないほどの注目が俺を襲う。
「才斗……まさか貴様があのブラックだったとは……我ながら不覚」
席に着いて、早速声をかけてきたのは大輔。
そりゃあそうか。
席は近いし、最近はよく話す友達だ。
一緒に冒険者ワールドにも行った仲でもある。
騙されていた、という認識はないようで良かった。ただ、むしろこれまで以上に絡んでくるだろうなとは思う。
クラスメイトの中で、というか一般人で俺の正体を知っていたのは佐藤くらいで、その佐藤は今学校に来ていない。
今週も休むんだろうか。
楓香に佐藤が闇派閥に関わっているかもしれないと聞かされているので、多分ただの病欠ではないだろうと察していた。
「うわぁ、黒瀬君だ」
「すげぇ、ブラックだ」
「こっち見てー」
少し前までモブだったのに……。
今の俺は学校で1番の有名人。
大輔が俺に話しかけると、チャンスとばかりに多くのクラスメイトが俺に絡んできた。
男子も女子もいる。
特に女子の方が多いように感じた。
「ねえ黒瀬君、彼女とかいる?」
クラスでも結構可愛い系の、椎名さんが聞いてくる。
「ダメダメ、椎名さんには彼氏いるでしょー」
「もう別れたしー。地雷踏まないでー」
「ごめーん」
なんだこの会話。
俺の前でそんな面倒な会話を始めないでほしい。
ちらっと楓香の方を確認する。意外なことに、まだ何も言ってこない。
ヤンデレっぽいことを言ってクラスメイトをドン引きされそうだなと予測していたわけだが、見事に外れている。
こういう時こそヤンデレの出番じゃないのか。
「……」
じー。
口を閉じ、こっちを見つめてくる楓香。
何かを期待しているかのように、瞳は光を反射して輝いている。
不運なことに、俺にはその期待の正体がわかってしまった。長い付き合いというわけじゃないが、何度か死線をくぐり抜けた仲だ。
何を考えているかくらいわかる。恋人でもあるしな。
「……実は……」
「ねね、彼女いないんだったらさ、私と付き合う?」
椎名さんが大胆なことを言ってきた。
普段は清楚な雰囲気を醸し出しているが、実はビッチという噂も出ている女子生徒だ。
正直、あんまり関わりたくはない。
それに、そう。
俺には彼女がいるしな。
「実は俺、楓香と付き合ってるんだ」
俺の口から出た一言。
まさか、自分で楓香との関係をクラスメイトに明かす日が来るとは。
結局バレることなのかもしれないが、逆に自分で今のうちに言っておくことで、先手を打った形になったと信じたい。
クラス全体が俺に注目していた。
朝のホームルーム前。
教室は静まり返り、注目は俺と楓香にだけ注がれている。
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