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白熱の最強冒険者決定戦編
第78話 ソードナイトをドン引きさせる淫乱ピーチ
予選会場であっても、多くの観客とメディアが押し寄せていた。
観客席は完全予約制。
その日大会にエントリーしている冒険者は確実に席が確保されているが、それ以外は熾烈な抽選を乗り越えて席に座っているというわけだ。
スーツを着ているのが冒険者だと考えられるので、ざっと見た限り客席の3割が冒険者だ。
テレビやネット中継であれば、空を飛ぶドローンも含めて準備万端。
観客席のチケットが手に入らなかったとしても、熱いバトルの様子はそれぞれリアルタイム配信及びテレビで観ることができる。
「今年はやっぱり、僕たちが出るっていうことが大きいね。そして何より、神宮司君の出場だろう」
「都市最強冒険者は謎も多いからな」
「その通りだ。実は神宮司君が冒戦に出るのは今大会が初めて。彼が出ることで、冒険者全体のモチベーションも上がるというわけさ」
ポテトチップスをつまんでリラックスしている割には、剣騎も戦いに関してのやる気はマックスだった。
実際に今日自分のバトルがあるのは後半なので、前半はスイッチを切っているのかもしれないな。
俺の場合、午前中に2試合。午後に1試合。
何時間も観戦し続けるようなことにはならないようになっている。楓香も同じような感じだ。
「才斗がシードじゃないのは意外だった。僕はてっきり、Sランク冒険者は全員シードがもらえると思ってたからね」
「シードじゃなくて悪かったな」
「別に嫌味じゃないさ。むしろ羨ましいよ。僕より1試合多く戦えるってことは、それだけ楽しめるってことだ」
「体力は温存したい」
「そういう考え方もあるね。でも僕は、予選で新しい技を試したりしたいから、試合の数は多い方がいいんだ」
新しい技。
このタイミングで、新技の発表か。
剣技というのもまた、冒険者同士の戦いを観る上で重要な要素だ。
その冒険者がどんな流派の型を使用し、どんな技を繰り出すのか。そして相手の型との相性はどうか。
有利なのか、不利なのか。
「山口さん、そのポテトチップス少し食べてもいいですか?」
「もちろん構わないよ」
「ありがとうございます」
俺を挟んで行われるポテチ袋の受け渡し。
ちなみに冒戦限定ダンジョン味。
どういう味なのか想像できない。俺も少し食べさせてもらうことにしよう。
「ダンジョンってこんな味がするんですね。結構美味しいです」
「例えるのが難しい味だな……」
だが、一応美味しい。
普通に万人受けしそうな味だ。
「才斗くんってポテトチップスは何味が1番好きですか?」
「無難にうすしおと言っておく」
「わたしもうすしおが1番好きです! あ、でも才斗くんのことの方が大好きですから安心してくださいね。今ちょっと焦りました?」
「どうして焦る……」
「あ、やっぱり焦ってたんですね。今日こそ初めてのえっちしたいですね」
剣騎はドン引きだぞ。
まだこの周りの一般客がまばらで良かった。
そのうち満席になるだろうから、楓香の口には接着剤を付けることになりそうだ。
「白桃君って、そういうキャラだったんだね……少し誤解していたよ……」
大抵のことは爽やかに笑って流す男、山口剣騎。
そんな剣騎に苦笑いさせたのは、楓香が初めてかもしれない。
***
予選会場は東京の中だけでも複数あるので、この会場にいる【ウルフパック】のSランク冒険者は俺と剣騎だけだ。
この会場で勝ち残った冒険者5名が、決勝トーナメントの直接予選への出場権を獲得できる。
冒険者の数も多いので、なかなか面倒だ。
だが、ランクで考えたとしても俺たちがこの予選で落ちる確率はかなり低い。
Cランクの楓香はわからない。
下調べした感覚だと、Cランクはこの会場での予選を勝ち抜くことができれば十分といったところ。
楓香にはそこを目標としてもらいたい。
そして俺は、決勝トーナメント進出。
そこでベスト4。
今の実力から考えると優勝を目標に掲げるのはおこがましい。ベスト4でさえ、不可能だと思われるほどのレベルだ。
とはいえ、神宮司を除けばあとはみんな最高でもSランク。
同じランクならどうにか頑張って勝てなくもなさそうに思えてしまう。
傲慢になってしまっているのかもしれないが、こういう大会ではそれぐらいがちょうどいいのだ。
「黒瀬才斗さんはスタンバイしてください」
俺が今いるのは冒険者控え室。
目の前の大きな扉の向こうのフィールドでは、すでに冒険者同士の熱いバトルが繰り広げられている。
緊張はしてない。
俺の持っている力を出せばいいだけの話だ。
スタッフに声をかけられ、軽くストレッチしてから扉をくぐる。
実際に冒険者目線で見るフィールドは思っていた以上に広大だ。
高さ10メートルはある壁は、ダンジョンで取れる貴重な金属、アダマンタイトを使用した高級仕様。
この会場は普段は冒険者のトレーニング施設としても使われているようなので、あらゆる衝撃を受けても壊れない強度を持つアダマンタイトには納得だ。
地面は多分コンクリート。
下に向かって蹴りを放てば簡単にめり込みそう。
『さあ、次の出場者はなんと、つい先日正体を公表したSランク冒険者、ブラックだぁぁぁあああ!』
実況のアナウンサーが大声で会場を盛り上げる。
この円形体育館には屋根があるので、マイク及びスピーカーの音がよく響く。
『おや、なんと……ここで実況席に乱入者が現れました!』
『どうにか間に合ったようだ』
『衝撃の展開です! なんと優勝候補の西園寺龍河が、自分の部下である黒瀬才斗の応援に来たぁぁぁあああ!』
観客席は完全予約制。
その日大会にエントリーしている冒険者は確実に席が確保されているが、それ以外は熾烈な抽選を乗り越えて席に座っているというわけだ。
スーツを着ているのが冒険者だと考えられるので、ざっと見た限り客席の3割が冒険者だ。
テレビやネット中継であれば、空を飛ぶドローンも含めて準備万端。
観客席のチケットが手に入らなかったとしても、熱いバトルの様子はそれぞれリアルタイム配信及びテレビで観ることができる。
「今年はやっぱり、僕たちが出るっていうことが大きいね。そして何より、神宮司君の出場だろう」
「都市最強冒険者は謎も多いからな」
「その通りだ。実は神宮司君が冒戦に出るのは今大会が初めて。彼が出ることで、冒険者全体のモチベーションも上がるというわけさ」
ポテトチップスをつまんでリラックスしている割には、剣騎も戦いに関してのやる気はマックスだった。
実際に今日自分のバトルがあるのは後半なので、前半はスイッチを切っているのかもしれないな。
俺の場合、午前中に2試合。午後に1試合。
何時間も観戦し続けるようなことにはならないようになっている。楓香も同じような感じだ。
「才斗がシードじゃないのは意外だった。僕はてっきり、Sランク冒険者は全員シードがもらえると思ってたからね」
「シードじゃなくて悪かったな」
「別に嫌味じゃないさ。むしろ羨ましいよ。僕より1試合多く戦えるってことは、それだけ楽しめるってことだ」
「体力は温存したい」
「そういう考え方もあるね。でも僕は、予選で新しい技を試したりしたいから、試合の数は多い方がいいんだ」
新しい技。
このタイミングで、新技の発表か。
剣技というのもまた、冒険者同士の戦いを観る上で重要な要素だ。
その冒険者がどんな流派の型を使用し、どんな技を繰り出すのか。そして相手の型との相性はどうか。
有利なのか、不利なのか。
「山口さん、そのポテトチップス少し食べてもいいですか?」
「もちろん構わないよ」
「ありがとうございます」
俺を挟んで行われるポテチ袋の受け渡し。
ちなみに冒戦限定ダンジョン味。
どういう味なのか想像できない。俺も少し食べさせてもらうことにしよう。
「ダンジョンってこんな味がするんですね。結構美味しいです」
「例えるのが難しい味だな……」
だが、一応美味しい。
普通に万人受けしそうな味だ。
「才斗くんってポテトチップスは何味が1番好きですか?」
「無難にうすしおと言っておく」
「わたしもうすしおが1番好きです! あ、でも才斗くんのことの方が大好きですから安心してくださいね。今ちょっと焦りました?」
「どうして焦る……」
「あ、やっぱり焦ってたんですね。今日こそ初めてのえっちしたいですね」
剣騎はドン引きだぞ。
まだこの周りの一般客がまばらで良かった。
そのうち満席になるだろうから、楓香の口には接着剤を付けることになりそうだ。
「白桃君って、そういうキャラだったんだね……少し誤解していたよ……」
大抵のことは爽やかに笑って流す男、山口剣騎。
そんな剣騎に苦笑いさせたのは、楓香が初めてかもしれない。
***
予選会場は東京の中だけでも複数あるので、この会場にいる【ウルフパック】のSランク冒険者は俺と剣騎だけだ。
この会場で勝ち残った冒険者5名が、決勝トーナメントの直接予選への出場権を獲得できる。
冒険者の数も多いので、なかなか面倒だ。
だが、ランクで考えたとしても俺たちがこの予選で落ちる確率はかなり低い。
Cランクの楓香はわからない。
下調べした感覚だと、Cランクはこの会場での予選を勝ち抜くことができれば十分といったところ。
楓香にはそこを目標としてもらいたい。
そして俺は、決勝トーナメント進出。
そこでベスト4。
今の実力から考えると優勝を目標に掲げるのはおこがましい。ベスト4でさえ、不可能だと思われるほどのレベルだ。
とはいえ、神宮司を除けばあとはみんな最高でもSランク。
同じランクならどうにか頑張って勝てなくもなさそうに思えてしまう。
傲慢になってしまっているのかもしれないが、こういう大会ではそれぐらいがちょうどいいのだ。
「黒瀬才斗さんはスタンバイしてください」
俺が今いるのは冒険者控え室。
目の前の大きな扉の向こうのフィールドでは、すでに冒険者同士の熱いバトルが繰り広げられている。
緊張はしてない。
俺の持っている力を出せばいいだけの話だ。
スタッフに声をかけられ、軽くストレッチしてから扉をくぐる。
実際に冒険者目線で見るフィールドは思っていた以上に広大だ。
高さ10メートルはある壁は、ダンジョンで取れる貴重な金属、アダマンタイトを使用した高級仕様。
この会場は普段は冒険者のトレーニング施設としても使われているようなので、あらゆる衝撃を受けても壊れない強度を持つアダマンタイトには納得だ。
地面は多分コンクリート。
下に向かって蹴りを放てば簡単にめり込みそう。
『さあ、次の出場者はなんと、つい先日正体を公表したSランク冒険者、ブラックだぁぁぁあああ!』
実況のアナウンサーが大声で会場を盛り上げる。
この円形体育館には屋根があるので、マイク及びスピーカーの音がよく響く。
『おや、なんと……ここで実況席に乱入者が現れました!』
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