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六階 主天使
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夏休みが開けて、登校をし始める。気が乗らないまま学校に向かう。いやさ?いつも通りの日常ならいいんだけど…如何にも波乱の幕開け!って感じじゃない?
クラスに着いて席に座る。智一が慌てて俺の方に駆け寄ってきて挨拶もせずに「転校生が来るらしい!」と言った。
うん、神?やらかしたね?本当にやらなくていいんだよ?何で…いや、待て!まだ分からない。天使じゃないかもしれない。担任と一緒に入ってくるその子は…うん。助けた子でした。
「今日は転校生を紹介する、高校で転校は珍しいし、何故かこのクラスに二人偏ったけど?」
ごめんなさい。特殊な力が働いているんです。神が何かしているんです。いや…待てよ?天使本人も力があるし、自分たちでしている可能性が…?
「これぐらいなら造作もないですよ?」
「本当に?やばいじゃん…」
「肇さん…語彙力が失われてます」
「だってさ?もう…言葉に出来ないじゃん。」
「はぁ…そうかもしれませんね。しかも中身が人間じゃないですし…。」
黒板に名前を書き始める。そういえば、名前とか聞いてなかったけど…誰が名前を付けたんだろう?自分で考えたのかな?
「天使美香(てんしみか)です、皆さま、お見知りおきを。」
丁寧なお辞儀をして自己紹介を締めくくった…。ん?天使って苗字がそんなに居てたまるか!!!笑夢も天使(あまつか)だし、正直珍しすぎるだろ!!どうにかならなかったの?もっとさ…あるじゃん!バレづらい苗字とか!
「そうですか?」
「佐藤とか田中とかでいいんじゃない?」
笑夢は首を傾げている。嫌かな?一般的だし良くない?駄目なの?だって、一般の人に溶け込む必要があるじゃない?なのに自己主張する必要ある?!
「良いじゃないですか、なんでも!」
「う~ん…一般的じゃなくていいならね?」
笑夢と話をしていると、美香はこちらに歩いてくる。ねぇ…?転校生が皆して俺の方に歩いてきたらおかしいよ?
「この間はありがとうございました。」
「い、いえ。」
「先生。この人は前の席にお願いします。」
「この方のお隣が良いのですが…駄目でして?」
俺を挟んでバトルしないで~…。今にも火花が見えそうだよ?!ごめんなさい…俺が悪かったです!!
「じゃあ、天使さん、君は前に座りなさい」
「分かりました…従わせていただきますわ」
とぼとぼと悲しそうな後ろ姿で前方に歩いていく。んぁぁぁぁ!!悲しそうな姿を見るのは嫌なんだよ…。同情が…後ろめたさが…。
「あの人の事好きなんですか?」
「いや…違うんだ…けど。」
「その優しさは私にだけ向けていてくださいね?」
笑夢はこそこそと俺に耳打ちする。分かるんだよ?断らなきゃいけない相手に同情するのも違う事ぐらい。俺の…性格が…可哀そうだと叫んでいる…!!!
ひとしきり悶えていたらいつの間にか授業が終わっていた。うん、俺の後期の中間テストも…成績終わりか…?
美香は授業が終わるたびに大軍を引き連れてやってくる。何故か俺らまで質問攻めされる始末。俺と笑夢は凄いぐったりしていた。
「俺らの時よりすごくない?」
「これが美少女効果です。」
「笑夢…本当に頭が上がらないよ。」
笑夢はにっこりと微笑んでいた。そうだよな。あの姿で混ざってきたら…。両手に花状態だったら…。笑夢だけでもやばそうなのに。
放課後になって、俺らは部室にそそくさと逃げる。帰った方がいいのではないか?と思ったが、部活は皆で楽しみたい。ルトと智一と部室で合流して一息ついた。
「なぁ?あれすごすぎないか?」
「うん?あれって…美香の事?」
「そう…だが、お前なんで下の名前で呼んでるの?」
「だって、笑夢と混ざるじゃない?」
「そうか?でもお前笑夢って呼んでるじゃん?」
はっ?!確かに。何やら後ろめたさみたいなものがあるのかも。本当の姿を知っているから…天使と呼びたくない?みたいな感じかな?
「肇さんはこれだからモテるんですよ?」
「そうか?!馴れ馴れしい感じじゃなくて…って事か?!」
そんな計算はしていないし、モテてない!!智一も否定しろ!!いや…でも人生最大のモテ期ではあるのか…。人ならざる存在二人に好かれているから。
ん?何やら外ががやがやしているような…?扉の方をじっと見つめていたら、コンコンというノックの音と共に、美香が入ってくる。
「ここに入らしたのですね!」
「わぁ…バレちゃった。」
「逃げていた訳ではないのでその反応は失礼かと…?」
「わたくしもこちらの部活?と言うものに入れてくださいませんか?」
後ろに居る取り巻きが次々と私も!俺も!と声を上げる。ちょっと待ってくれ…。この部室までなくなるんじゃない?
「ひぇぇ…?!人がいっぱいいる!ていうか…うちの真似?」
「ルト、違うぞ、あれは天然だ」
「何?うちは養殖だったって事?」
「魚の話している場合じゃないんだけど…?」
「ひどいよ!うちは人間だよ!」
違う、そうじゃない。これ…どう処理するの?
クラスに着いて席に座る。智一が慌てて俺の方に駆け寄ってきて挨拶もせずに「転校生が来るらしい!」と言った。
うん、神?やらかしたね?本当にやらなくていいんだよ?何で…いや、待て!まだ分からない。天使じゃないかもしれない。担任と一緒に入ってくるその子は…うん。助けた子でした。
「今日は転校生を紹介する、高校で転校は珍しいし、何故かこのクラスに二人偏ったけど?」
ごめんなさい。特殊な力が働いているんです。神が何かしているんです。いや…待てよ?天使本人も力があるし、自分たちでしている可能性が…?
「これぐらいなら造作もないですよ?」
「本当に?やばいじゃん…」
「肇さん…語彙力が失われてます」
「だってさ?もう…言葉に出来ないじゃん。」
「はぁ…そうかもしれませんね。しかも中身が人間じゃないですし…。」
黒板に名前を書き始める。そういえば、名前とか聞いてなかったけど…誰が名前を付けたんだろう?自分で考えたのかな?
「天使美香(てんしみか)です、皆さま、お見知りおきを。」
丁寧なお辞儀をして自己紹介を締めくくった…。ん?天使って苗字がそんなに居てたまるか!!!笑夢も天使(あまつか)だし、正直珍しすぎるだろ!!どうにかならなかったの?もっとさ…あるじゃん!バレづらい苗字とか!
「そうですか?」
「佐藤とか田中とかでいいんじゃない?」
笑夢は首を傾げている。嫌かな?一般的だし良くない?駄目なの?だって、一般の人に溶け込む必要があるじゃない?なのに自己主張する必要ある?!
「良いじゃないですか、なんでも!」
「う~ん…一般的じゃなくていいならね?」
笑夢と話をしていると、美香はこちらに歩いてくる。ねぇ…?転校生が皆して俺の方に歩いてきたらおかしいよ?
「この間はありがとうございました。」
「い、いえ。」
「先生。この人は前の席にお願いします。」
「この方のお隣が良いのですが…駄目でして?」
俺を挟んでバトルしないで~…。今にも火花が見えそうだよ?!ごめんなさい…俺が悪かったです!!
「じゃあ、天使さん、君は前に座りなさい」
「分かりました…従わせていただきますわ」
とぼとぼと悲しそうな後ろ姿で前方に歩いていく。んぁぁぁぁ!!悲しそうな姿を見るのは嫌なんだよ…。同情が…後ろめたさが…。
「あの人の事好きなんですか?」
「いや…違うんだ…けど。」
「その優しさは私にだけ向けていてくださいね?」
笑夢はこそこそと俺に耳打ちする。分かるんだよ?断らなきゃいけない相手に同情するのも違う事ぐらい。俺の…性格が…可哀そうだと叫んでいる…!!!
ひとしきり悶えていたらいつの間にか授業が終わっていた。うん、俺の後期の中間テストも…成績終わりか…?
美香は授業が終わるたびに大軍を引き連れてやってくる。何故か俺らまで質問攻めされる始末。俺と笑夢は凄いぐったりしていた。
「俺らの時よりすごくない?」
「これが美少女効果です。」
「笑夢…本当に頭が上がらないよ。」
笑夢はにっこりと微笑んでいた。そうだよな。あの姿で混ざってきたら…。両手に花状態だったら…。笑夢だけでもやばそうなのに。
放課後になって、俺らは部室にそそくさと逃げる。帰った方がいいのではないか?と思ったが、部活は皆で楽しみたい。ルトと智一と部室で合流して一息ついた。
「なぁ?あれすごすぎないか?」
「うん?あれって…美香の事?」
「そう…だが、お前なんで下の名前で呼んでるの?」
「だって、笑夢と混ざるじゃない?」
「そうか?でもお前笑夢って呼んでるじゃん?」
はっ?!確かに。何やら後ろめたさみたいなものがあるのかも。本当の姿を知っているから…天使と呼びたくない?みたいな感じかな?
「肇さんはこれだからモテるんですよ?」
「そうか?!馴れ馴れしい感じじゃなくて…って事か?!」
そんな計算はしていないし、モテてない!!智一も否定しろ!!いや…でも人生最大のモテ期ではあるのか…。人ならざる存在二人に好かれているから。
ん?何やら外ががやがやしているような…?扉の方をじっと見つめていたら、コンコンというノックの音と共に、美香が入ってくる。
「ここに入らしたのですね!」
「わぁ…バレちゃった。」
「逃げていた訳ではないのでその反応は失礼かと…?」
「わたくしもこちらの部活?と言うものに入れてくださいませんか?」
後ろに居る取り巻きが次々と私も!俺も!と声を上げる。ちょっと待ってくれ…。この部室までなくなるんじゃない?
「ひぇぇ…?!人がいっぱいいる!ていうか…うちの真似?」
「ルト、違うぞ、あれは天然だ」
「何?うちは養殖だったって事?」
「魚の話している場合じゃないんだけど…?」
「ひどいよ!うちは人間だよ!」
違う、そうじゃない。これ…どう処理するの?
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