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七階 座天使
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入学してから二回目の春が来る。新入生が入ってきて、正面玄関は慌ただしい事になっていた。様々な部活動が看板を持って勧誘活動をしている。それを、部室から眺めていた。
「あれ…青春しすぎじゃね?」
窓の外を眺めていた俺の隣に智一が来る。そんなこと言ったって…普通じゃないの?あれが。部活に入って汗を流して、恋して、勉強して。そんな生活が皆にとっては当たり前なんじゃない?
「どうだろ?あれが当たり前かもよ?」
「いや…ないだろ?!俺らの部活見て見なよ!」
う~ん…当初より増えたし。今五人も居るでしょ?これ以上必要なのだろうか?と言うか、活動しているかどうか分からない部活動に教室を貸してくれているだけでもありがたいでしょ?
「五人もいるよ?」
「う~ん…そうか?」
「あら?何か大きなオーラが近づいてきますわ?」
え?!急なスピリチュアル!そういえば美香は波動が分かるとか言ってたな…。なんだろう?先生とかかな?そろそろ部室を明け渡せ?とか言われる?
ノックがされて緊張しながら扉を見つめる。いざ、扉が開くと可愛らしい男の子が立っていた。なんだろう…髪の毛は短くて黒色、目はクリっとしていてたれ目、口は小さくて、鼻は高い…なんだか人形みたいな男の子だ。
「どうしたの?誰かの弟?」
「は、?!」
「肇さん…怖がりますよ?」
「まだ言うか!!俺は…優しさの塊だ!」
「いや…見てくださいよ…?あれ?何やら恍惚な顔をして…?」
「かっこいいです!」
「なんでなの?!」
この子…見る目あるな。じゃなくて!俺の顔見て怖がってるのかと思ったけど、違ったのか?しかも、笑夢を見てじゃない…俺なの?
「笑夢じゃなくて?」
「憧れなんです!ダークヒーローみたいでかっこいいです!」
「あくまでダークヒーローなのね…。」
「ぶははは!!結局顔の怖さは変わらないんだな!」
「智一…ハウス!」
「俺は犬じゃねえ!!」
「どうしたの?うちらの部室に何か用事があるの?」
「僕も友達部に入りたくて…」
「有名な部活じゃないけど…?」
「谷古宇さんと言う方が怖いという噂があってですね…」
「俺…そんなに怖いの?」
「あはは!当たり前だろ!」
「智一…ハウス!」
「二回もやったら面白くないだろ!!」
「そっか…。」
男の子は何故か羨望のまなざしで俺を見ている。う~ん…今までにない事だったな…。そういえば美香が新しい子が入るって言ってたな。それがこの子か?
「そうですわね」
「いいじゃねぇか!採用!」
「うちが面接する?」
「面接が要りますか…?」
「会社じゃないから…入部届だけ書いてもらって」
入部届に記入してもらっている間、美香に小さい声で話しかける。
「ねぇ…大きいオーラってどんな感じ?」
「肇様、あの方のオーラは真っ白ですわね」
「うん?それは…」
「わたくし、気に入りましたわ」
「なん…だと?!」
「あら?笑夢がありながらわたくしも手籠めにしようとしていらしたのですか?」
待て待て。言い方悪いし、笑夢がいつの間にか…顔が…近い。困るって。そういうの。俺は笑夢しか見ていないから。
「そしたら…もう見つける旅は終わり?」
「あの方が良い、とされたらの話ですけれど」
「言うと思いますけどね?」
「あら?今更変えようとしたって無駄ですわよ?」
「変えませんよ、肇さんが好きなんですから」
「なに?付き合ってるの?」
ルト…?!聞いてたのか?!まずいな…どうすれば。
「いえいえ、友達としてですよ?」
「そうですわよ?」
「そっかぁ…」
ルトはあからさまにテンションダウンしている。もう、隠す気はなくなったのかな?それはそれでいいんだけどね。別にどういう恋愛が好きかは個人の自由だから。
「出来ました!兄貴!」
「あ、あにき?」
「良かったですね?慕われていますよ?」
「う~ん…兄貴は良くない。普通に呼んで?」
「じゃあ…先輩で!」
「それじゃ、俺らと区別つかないだろ?」
智一は身を乗り出してくる。先輩って…呼ばれたいのかな?なんだかんだ、本当にいいやつだからな~!
「桜花先輩、肇先輩、笑夢先輩、美香先輩…智一(敬称略)」
「ちょい!なんで俺だけ敬称略!俺の事も先輩扱いせい!」
「しょうがないですね…智一先…輩」
「お?喧嘩か?喧嘩か?」
「おやめくださいまし?」
「なんでじゃ?!敵しかいないぞ…なぁ、肇!」
「智一…ハウス!」
「お前それしか言わねえじゃねえか!!」
「おかしいな…ボケているのかもしれない。」
「肇の頭がか?」
「ツッコみ担当、智一!」
「ああ、正月にお笑い特番見すぎたのか…ってもう春なんだけど?!」
「なんでわかったの?」
「だって、漫才しかなくない?ボケだのツッコみだの…」
智一はため息をついている。そうなんだよな…もう春なのに、特番見すぎてまだ抜けてないんだよね。
「あれ…青春しすぎじゃね?」
窓の外を眺めていた俺の隣に智一が来る。そんなこと言ったって…普通じゃないの?あれが。部活に入って汗を流して、恋して、勉強して。そんな生活が皆にとっては当たり前なんじゃない?
「どうだろ?あれが当たり前かもよ?」
「いや…ないだろ?!俺らの部活見て見なよ!」
う~ん…当初より増えたし。今五人も居るでしょ?これ以上必要なのだろうか?と言うか、活動しているかどうか分からない部活動に教室を貸してくれているだけでもありがたいでしょ?
「五人もいるよ?」
「う~ん…そうか?」
「あら?何か大きなオーラが近づいてきますわ?」
え?!急なスピリチュアル!そういえば美香は波動が分かるとか言ってたな…。なんだろう?先生とかかな?そろそろ部室を明け渡せ?とか言われる?
ノックがされて緊張しながら扉を見つめる。いざ、扉が開くと可愛らしい男の子が立っていた。なんだろう…髪の毛は短くて黒色、目はクリっとしていてたれ目、口は小さくて、鼻は高い…なんだか人形みたいな男の子だ。
「どうしたの?誰かの弟?」
「は、?!」
「肇さん…怖がりますよ?」
「まだ言うか!!俺は…優しさの塊だ!」
「いや…見てくださいよ…?あれ?何やら恍惚な顔をして…?」
「かっこいいです!」
「なんでなの?!」
この子…見る目あるな。じゃなくて!俺の顔見て怖がってるのかと思ったけど、違ったのか?しかも、笑夢を見てじゃない…俺なの?
「笑夢じゃなくて?」
「憧れなんです!ダークヒーローみたいでかっこいいです!」
「あくまでダークヒーローなのね…。」
「ぶははは!!結局顔の怖さは変わらないんだな!」
「智一…ハウス!」
「俺は犬じゃねえ!!」
「どうしたの?うちらの部室に何か用事があるの?」
「僕も友達部に入りたくて…」
「有名な部活じゃないけど…?」
「谷古宇さんと言う方が怖いという噂があってですね…」
「俺…そんなに怖いの?」
「あはは!当たり前だろ!」
「智一…ハウス!」
「二回もやったら面白くないだろ!!」
「そっか…。」
男の子は何故か羨望のまなざしで俺を見ている。う~ん…今までにない事だったな…。そういえば美香が新しい子が入るって言ってたな。それがこの子か?
「そうですわね」
「いいじゃねぇか!採用!」
「うちが面接する?」
「面接が要りますか…?」
「会社じゃないから…入部届だけ書いてもらって」
入部届に記入してもらっている間、美香に小さい声で話しかける。
「ねぇ…大きいオーラってどんな感じ?」
「肇様、あの方のオーラは真っ白ですわね」
「うん?それは…」
「わたくし、気に入りましたわ」
「なん…だと?!」
「あら?笑夢がありながらわたくしも手籠めにしようとしていらしたのですか?」
待て待て。言い方悪いし、笑夢がいつの間にか…顔が…近い。困るって。そういうの。俺は笑夢しか見ていないから。
「そしたら…もう見つける旅は終わり?」
「あの方が良い、とされたらの話ですけれど」
「言うと思いますけどね?」
「あら?今更変えようとしたって無駄ですわよ?」
「変えませんよ、肇さんが好きなんですから」
「なに?付き合ってるの?」
ルト…?!聞いてたのか?!まずいな…どうすれば。
「いえいえ、友達としてですよ?」
「そうですわよ?」
「そっかぁ…」
ルトはあからさまにテンションダウンしている。もう、隠す気はなくなったのかな?それはそれでいいんだけどね。別にどういう恋愛が好きかは個人の自由だから。
「出来ました!兄貴!」
「あ、あにき?」
「良かったですね?慕われていますよ?」
「う~ん…兄貴は良くない。普通に呼んで?」
「じゃあ…先輩で!」
「それじゃ、俺らと区別つかないだろ?」
智一は身を乗り出してくる。先輩って…呼ばれたいのかな?なんだかんだ、本当にいいやつだからな~!
「桜花先輩、肇先輩、笑夢先輩、美香先輩…智一(敬称略)」
「ちょい!なんで俺だけ敬称略!俺の事も先輩扱いせい!」
「しょうがないですね…智一先…輩」
「お?喧嘩か?喧嘩か?」
「おやめくださいまし?」
「なんでじゃ?!敵しかいないぞ…なぁ、肇!」
「智一…ハウス!」
「お前それしか言わねえじゃねえか!!」
「おかしいな…ボケているのかもしれない。」
「肇の頭がか?」
「ツッコみ担当、智一!」
「ああ、正月にお笑い特番見すぎたのか…ってもう春なんだけど?!」
「なんでわかったの?」
「だって、漫才しかなくない?ボケだのツッコみだの…」
智一はため息をついている。そうなんだよな…もう春なのに、特番見すぎてまだ抜けてないんだよね。
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