Dear Prince ~超人気アイドルは地味女子を溺愛する~

山崎つかさ@SFB小説大賞金賞書籍化決定

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出会い

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 季節は春のさかり。
 色とりどりの花々が風に揺れる清々しい朝だった。
 眩しいほどの真新しい制服に身を包んだ女子高校生が、軽やかに校門を駆け抜ける。

「みんな、おはよう!」

 彼女が教室の扉に手をかけると、中で談笑していたクラスメイトたちが顔を上げる。

「芽衣、おはよう。もうすぐホームルーム始まるよ」

 友人たちの忠告に、彼女――戸田 芽衣(とだ めい)はへらりと笑う。

「ありがとう。なんとか間に合ってよかった。春ってどんなに寝ても眠いんだよね」

 芽衣は自分に席に座り、思わず大きな欠伸を一つ。
 前の席の友人――新田 杏(にった あん)が振り返った。芽衣の机に片腕を乗せて親しげに笑う。

「ねえ芽衣、知ってる? 今日、うちのクラスに転校生が来るらしいよ」
「転校生? ふうん、なんかずいぶん中途半端な時期に転校してくるんだね」

 芽衣は肩をすくめて、鞄から取り出した教科書を引き出しに押し込めた。
 自分たちは今年都立高校に入学したばかりの高校一年生だ。暦はもう五月になるため、転校してくるには時期はずれの印象だった。
 その転校生、なにか特別な事情でもあったんだろうか……。

「それがさ、その転校生って『Honey Blue(ハニーブルー)』に所属してる鳴海 冬真(なるみ とうま)くんだっていう噂なんだよね。ご両親の都合で急きょ転校してくることになったらしいよ」
「……『Honey Blue』? なんか聞いたことあるかも」

 自慢げに噂話を披露する杏に、芽衣は頷きながら話し半分に聞いていた。

 『Honey Blue』といえば、最近人気急上昇中の男性五人組のボーカルユニットのはずだ。芽衣たちと同じ年頃の男子高校生を集めた歌い手集団で、自分たちで作詞作曲した楽曲を配信している。
 鳴海 冬真も『Honey Blue』のメンバーの一人で、主旋律を担う抜群の歌唱力を売りにしていて、メンバーの中でも一際目立つ存在だった。最近デビューしたばかりの新進気鋭のグループではあるが、すでにファンクラブもあるほどの人気ぶりなのだ。

(そんな有名人がこのクラスに転校してくるなんて、ありえないと思うんだけれど……)

 半信半疑でいると、朝のホームルーム開始のチャイムが鳴った。大股の足取りで担任教師が教室に入って来る。教師の後方には、見慣れない男子高校生がつき従っている。
 教室中が息を呑んだ。
 その男子高校生は、間違いなくテレビ等でよく見かける『Honey Blue』の鳴海 冬真その人だった。


 ***


 みんなの視線がいっせいに冬真にそそがれる。教室の騒然とした状況に気づいた教師は軽く咳払いをした。

「――皆、今日は転校生を紹介するぞ。彼の名前は鳴海 冬真。ご両親の仕事の都合で当校に転校になった。知っている者も多いと思うが、鳴海は『Honey Blue』という音楽グループで芸能活動をしている。芸能人ではあるが、学校は鳴海のプライベートだ。変に騒ぎ立てず、皆と同じクラスの一員として接してほしい」

 教師がかしこまった様子で紹介を終えると、冬真が顔を上げて一歩前に出た。
 冬真は、さすがは芸能人と言いたくなるほど澄んだ黒色の優しそうな目をしていた。きめの細かそうな肌、そして人よりも一回り小ぶりの顔。通った鼻筋に整った眉。文句なしの美男子であった。
 髪は真っ黒というよりはやや色素の薄い茶色。すらりと引き締まった細身をしている。
 冬真が進み出るなり、クラスの女生徒から一斉に歓声があがった。
 女子の熱視線を一身に浴びながらも、冬真は落ちついた様子で形のいい唇を開く。

「みなさん、初めまして。鳴海 冬真です。今日からこの高校に転校してくることになりました。仕事と学校は別物と考えていますので、みなさんにも普通のクラスメイトとして接してもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします」

 冬真が頭を下げると、教室中からさざ波のように歓迎の拍手が沸き立った。
 みんなに歓迎されて照れているのか、少し顔を赤くして嬉しそうに笑っている冬真。等身大の少年のようで可愛らしい印象だった。
 なかなか拍手が鳴りやまない中、担任教師がきょろきょろと周囲を見回した。

「鳴海の席は、そうだな――戸田の隣の席が空いているな」
(……へ?)

 突然教師に名前を呼ばれて、芽衣は驚いて目を瞬いた。

 ――い、いま、私の名前が呼ばれたような……?

 教師は冬真の肩を軽く叩くと、芽衣の隣の席を手で示した。

「鳴海、あそこにいる戸田 芽衣の隣の席に座ってくれ」
「わかりました」

 え……?

「戸田、鳴海にいろいろ学校のことを教えてやってくれ。頼んだぞ」
「え、ええと……」

 まだ状況が呑みこめない芽衣。教師に声をかけられても固まることしかできなかった。

 ――ええと、これはつまり、鳴海くんが私の隣の席に来るということ……?

 予想していなかった展開に、芽衣は口をぱくぱくすることしかできない。ど、どうしよう?

「戸田……?」

 聞こえているのか、と首を傾げる教師。芽衣は我に返り、慌てて何度も頷いた。
 とりあえず何とかこの場をやり過ごさなければ。

「は、はい、わかりました!」

 あまりに驚いて声が裏返りそうになる。教師は芽衣の動揺になど気づいていない様子だ。冬真の肩を叩いて芽衣の隣の席に行くよう促している。
 了解した冬真は、一歩一歩踏みしめるようにしてこちらに歩いてくる。

(ど、ど、どうしよう? イケメンがどんどん近づいてくる……!)

 冬真はあっという間に芽衣の目の前まで歩み寄る。足を止めて満面でほほ笑んだ。

「戸田さん、よろしくお願いします」

 ぎゃあ! まままま、まぶしいっ……!

 その輝かんばかりの端正な笑顔に気圧され、芽衣は無意識に顔が熱くなってしまう。

 ――イ、イケメンの笑顔って、すごい……!

 もはや冬真の背中から直視できないほどの後光を感じる。
 冬真が軽く頭を下げた。芽衣も慌てて椅子から立ち上がり、深々とおじぎを返す。

「と、戸田 芽衣です。こちらこそよろしくお願いします……」

 芽衣はおそるおそる冬真の顔を見上げる。テレビや雑誌で見かけるよりもはるかに整った顔立ちの冬真が、形の良い唇を持ち上げて笑っていた。これはどう考えても心臓が持ちそうにない。
 途端、彼の笑顔の破壊力に撃ち抜かれた女子たちから、発狂するような悲鳴があがる。

「こら、静かにしなさい!」

 教師が諫めるが、女子たちの嬌声はなかなか止みそうになかった。
 冬真が芽衣の隣の席に腰かける。本当に人気絶頂アイドルとお隣さんになってしまった……。これから先、自分は平静を保ちながら授業を受けられるのか不安しかない。
 杏がくるりと後ろを振り向く。冬真を横目に見ながら、芽衣に耳打ちする。

「芽衣、よかったじゃん。鳴海 冬真くんと隣の席なんて、ファンの人が知ったら卒倒ものの贅沢だよ」
「……そ、そうだね。そうかもしれないけど、突然すぎてなんだか実感わかないっていうか……。先生も、普通のクラスメイトとして鳴海くんと接しなさいって言ってたから、『Honey Blue』の鳴海くんとは別の人として考えないといけないよね」
「だとしても、あのイケメンっぷりじゃ女子が放っとかないでしょ。これからこのクラス、大騒ぎになると思うよ」

 杏はどこか面白がるように歯を見せて笑いながら、芽衣の隣に座る冬真を一瞥した。
 冬真は、制服の白いワイシャツの上から無造作にネクタイを締めたスタイルで、袖口からのぞく腕は男の子らしく節ばっていた。左腕にはめた黒いデジタル式の腕時計がよく似合っている。
 芽衣も、本人にわからないように横目で冬真を覗き見る。人気グループの男の子が隣の席に座っているという事実をかみしめた。これからの学校生活、一波乱も二波乱もありそうだ。

 冬真の紹介が一通り終わったところで、ホームルームの終わりを知らせるチャイムが鳴る。すると、待ってましたとばかりにクラスの女子がいっせいに立ち上がり、冬真の周囲に群がった。あっという間に女子たちに取り囲まれてしまい、冬真の姿は芽衣からは見えなくなる。

(や、やっぱりこうなるよね……)

 杏の言うとおり、これから毎日大騒ぎになりそうだった。


 ***


 自分のクラスの女子だけではなく、他のクラスからも女子が駆けつけて、冬真の席の周りは前代未聞なほどに人だかりができてしまった。芽衣もまた、自分の席の周囲にまで押し寄せている女子生徒たちに辟易しながら、これがこれから毎日続くのかと思うと気が気でない思いだった。
 あっけにとられている芽衣に、前の席の杏が振り向く。

「なんか想像通りの人気っぷりだね、鳴海くん。芸能人が転校してきたら、まず間違いなくこの状態になるとは思うけどさ」
「まあ、ね。鳴海くんも初日から大変だろうね」

 杏が正直に感想を述べて、芽衣は曖昧に頷いた。

(初日からこんなんじゃ、鳴海くん、疲れていないといいんだけど……)

 何となく、人垣に埋もれてしまっている冬真を心配げに見やる。

(あれ……?)

 その時ふと、冬真が助けを求めるように芽衣に視線を向けていることに気がついた。

 ――もしかして、いや、もしかしなくても、鳴海くん、困ってる……?

 自分は、先生から冬真の学校生活をサポートするように頼まれている。ここは自分の出番なのではないだろうか。困っている人がいたら全力で助ける。これは芽衣のモットーだった。
 芽衣は意を決すると、おもむろに席を立ち上がる。

「芽衣……?」

 いきなりどうしたの、と首を傾げる杏に、芽衣は戦場に向かう戦士のように凛々しい表情で答える。

「杏、私、行ってくる!」
「え、行くって、ちょ……!」

 戸惑っている杏の視線を背中に、芽衣は果敢に女子生徒の壁を突破する。やっとの思いで冬真の机の隣まで辿り着いた。

「な、鳴海くん……!」

 ぜえぜえと肩で息をしながら、彼の机に両手を置く。彼を取り囲んでいた女子生徒たちがしんと静まり返った。ひどく目立ってしまっているが、もう後には引けない。
 芽衣は、冬真をここから逃がすためになにか良い口実はないものかと頭を巡らせる。

「あの、さっき、先生が職員室に来てくださいって呼んでたよ。休み時間のうちに行ったほうがいいかもしれない」

 とっさに思いついた嘘だったけれど、それなりに現実味のあることが言えたと思う。
 話を合わせてと言わんばかりに冬真にアイコンタクトを送る。彼はこちらの意図に気づいてくれたのか、目を見開いた。

「あ、と、そうだったね。戸田さん、教えてくれてありがとう。それで、職員室の場所ってどこだっけ?」

 今度は、冬真のほうから話を合わせてくれと言わんばかりに瞬きが向けられる。
 もしかして、職員室に案内するふりをして教室から連れ出してほしいのかもしれない。
 芽衣は、こくこくと何度も頷いた。

「じ、じゃあ、私が案内させてもらうね。鳴海くん、こっち」

 冬真に手招きをすると、彼は嬉々として立ち上がった。冬真は芽衣の隣に並ぶ瞬間にこちらの耳元に口を寄せ、小さく囁く。

「……戸田さん、屋上に案内してくれる?」

 ――屋上?

 なんでだろう、と芽衣は不思議に思う。けれども冬真が一刻も早く教室を離れたいであろうと思い、深くは考えなかった。芽衣と冬真は彼と連れたって教室を出ていく。
 クラスメイトたちも二人が職員室に行くことを疑っていないためか、特に咎める者はいなかった。女子生徒たちの残念な視線を受けながら、芽衣は冬真を伴って屋上を目指した。
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